【10月12日】マーケットレポート 『全国旅行支援、開始』
本日の市場
●株式市場&債券市場
…9月米CPI発表前に荒い値動きとなった。取引前半は値ごろ感から買いが入るものの、イングランド銀行が長期国債の買い入れを予定通り今週中で終了すると発表し、イギリス金融市場が不安定化するとの懸念から、リスクオフムードとなった。
…前週末発表の9月米雇用統計では労働市場の強さを改めて示される結果となり、FRBによる大幅な利上げが継続されるとの見方から売りが先行した。
・米政権による中国への半導体輸出の規制強化をうけて、半導体関連に売りが優勢だった。
・百貨店や鉄道などインバウンド関連株には買いが入った。
●為替相場
…9月の米雇用統計が労働市場の強さを示し、FRBによる積極的な利上げが続くとの見方から、昨日に引き続き円売り・ドル買いが優勢となった。
本日のトピック
①全国旅行支援、開始
政府の観光促進策、「全国旅行支援」が11日、46都道府県で始まった。また、同日1日5万人としていた入国者数の上限を撤廃し、海外からの個人旅行を解禁した。
・全国規模の旅行補助は2年ぶり
・旅行代金の割引、旅行の小売店や外食店で使えるクーポン券と合わせて1人1泊あたり1万1000円を上限に補助する
・一部の自治体は独自の割引や特典をさらに上乗せする
・同日、入国者数の上限を撤廃(水際対策を緩和した)
・(課題①)観光業はコロナ禍で離職者が増加し、フル稼働できない事業者も多くある
・(課題②)レンタカーもコロナ禍で車両を手放した例が多く、不足感が強い
②ムーディーズ、中国恒大の格付け取り下げ
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは11日、経営再建中の不動産大手、中国恒大集団の格付けを取り下げた。
・理由は、「格付けを維持するための情報が不十分か不適切判断した」とのこと
・同業の融創中国や佳兆業集団の格付けも取り下げており、不動産大手の経営をめぐる不透明感が一段と高まっている
・ムーディーズは恒大の主要子会社の格付けも取り下げた
③英中銀、国債購入策の週内終了を強調
英イングランド銀行は緊急措置の国債購入策を予定通りに14日までの期限で終了することを強調した。
・市場の一部で求められた期限延長が否定されたことが嫌気され、通貨ポンドが下落
・ポンドは2週間ぶりの安値まで下落
・11日の30年物英国債利回り=4.8%と約2週間ぶりの高水準となった
個別銘柄関連トピック
①東京ガス、一時4%高
東京ガスは、11日の東京株式市場で一時前週末比108円高(+4.3%)の2596円まで上昇した。
・出資するオーストラリアの液化天然ガス(LNG)権益の一部を米投資会社に売却すると7日に発表
・売却益に連動した株主還元に期待が集まった
・売却の完了時期は2023年3月以降
・権益の売却後も契約は残るため、液化天然ガスの調達には支障がないという
・2023年3月期、予想売上高2兆9480億円(前期比+37%)
・2023年3月期、予想営業利益920億円(前期比▲4%)
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