【9月29日】マーケットレポート 『八十二銀・長野銀、統合へ』
本日の市場
●株式市場&債券市場
…米長期金利が低下したことで3指数揃って上昇。米10年債利回りは一時4%を超える場面もあったが、英中銀であるイングランド銀行が国債の無制限買い入れを発表したことを受け、英国債利回りが低下、その流れが米債券市場にも波及した。
…日経平均株価は大幅反落。米国の株式市場が下げ止まらず、東京市場でも幅広い銘柄に売りが出た。
景気下押し懸念から海運株、鉄鋼株、自動車株といった景気敏感株を中心に売りが広がった。また、午前に米アップルがスマートフォンiPhoneの増産計画を断念したと一部メディアで伝えると、電子部品株が一段安に沈んだ。
●為替相場
…米長期金利の上昇を受け、円買い・ドル売りが優勢となった。
本日のトピック
①八十二銀・長野銀、統合へ
長野県を地盤とする八十二銀行と長野銀行は28日、経営統合に向けて基本合意したと発表した。以下、要点をまとめる。
・経営統合からおよそ2年後をめどに両行は合併する方針
・長野銀行は上場廃止となる
・合併すれば長野県内の地銀は1行になり、シェアは6割となる
・「経営規模の大きい八十二銀行による救済的な経営統合ではない」と強調。
・合併により人的資源を有効活用し、有望事業を開拓したい考え
・人員のリストラは実施しない考え
・合併により貸出金利を引き上げることがないよう金融庁が監視
②岸田首相、所信表明演説で3つの課題に取り組む調整に入る
岸田首相は10月3日に行われる所信表明演説で3つの課題に取り組むと表明する調整に入った。以下、3つの課題をまとめる。
①物価高・円安対応
→個人旅行客の受け入れ再開などによりインバウンド消費で新型コロナウイルス禍前の上回りを目指す。
②構造的な賃上げ
→個人のリスキング(学び直し)への公的支援も進める。「人への投資策を5年間で1兆円パッケージに拡充する」との方針を目指す。
③成長のための投資と改革
→「年功序列的な職能給から日本にあった職務給」への移行を訴え、企業間、産業間での労働移行円滑化に向けた指針を2023年までにまとめると打ち出す。
また、「看護や介護、保育分野で働く人の処遇の改善」や、「スタートアップ育成を軸とした投資額の増加」や「家計や企業の負担増を直接的に緩和する前例のない思い切った対策(電気代の緩和)」なども検討する。
③東証REIT指数、急落
オフィスや物流施設などで運用する不動産投資信託(REIT)相場が急落した。以下、ポイントをまとめる。
・東証REIT指数は3ヶ月ぶり安値となる1916.79をつけた
・来年以降の景気不透明感からオフィス需要が限定的になるとの見方強い
・海外投資家によるリスク資産を手放す流れが強まっている(米金利上昇が原因)
・一方で、水際対策の緩和により、ホテルや商業施設の回復期待もあり(地銀を中心に買い)
個別銘柄関連トピック
①西松屋、2023年2月期下方修正
西松屋チェーンは2023年2月期の見通しを売上高が前年比4%増の1700億円、純利益が前期比▲9%減の77億円になると発表した。
原因は急速な円安の進行や原材料価格の高騰をうけて、海外から輸入している衣料や雑貨などの調達コスト上昇が利益を押し下げる(同社はアジアを中心に海外から衣料品や雑貨を調達している)。
また、「しまむら」や「ユニクロ」などの競合他社の値上げが相次ぐ中、西松屋が商品価格を据え置いていることも影響している。
②ミクシィ、デコルテHDと資本提携今期上方修正
ミクシィは、結婚撮影写真サービス大手のデコルテHDの株式約27%を取得すると発表した。
デコルテHDの結婚写真で培った高品質の撮影技術やヘアメーク技術を生かし、ミクシィが運営する家族写真の共有アプリ「家族アルバム みてね」と連携した新規事業の開発などを検討するという。
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