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【9月21日】マーケットレポート 『日本も値上げ加速、1991年以来の価格高騰』

本日の市場

●株式市場&債券市場

…FOMCを直前に控え、大幅利上げへの警戒感から売りが先行。また、米2年債利回りは一時3.98%台、、10年債利回りも10年ぶりの高水準を連日で更新し、株式相場の重荷となった。S&P500ではすべてのセクターが下落。

株式市場→Googleファイナンスより(9/20終値)
債券市場→モーニングサテライトより(5:53)


…前週末に大幅に下げたことや、前日のNY市場で上昇したことも受け、買いが優勢。上げ幅は一時300円を超えたが、FOMC前に様子見したい投資家も多く、次第に伸び悩んだ。

Googleファイナンスより(9/20終値)


●為替相場

1ドル = 143.74 - 76
…日本時間20日午後の取引で米金利が上昇し、日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが出た。ただ、FOMCを控え、持ち高調整目的の円買い・ドル売りも入ったことから下落幅は限られた。

Googleファイナンスより

本日のトピック

①日本も値上げ加速、1991年以来の価格高騰

資源高と円安による価格高騰が日本でも大きく広がっている。日本の8月消費者物価指数は生鮮食品を除く総合指数が、前年同月比2.8%の上昇だった。1991年9月(2.8%)以来の伸び率だ。
日銀は「物価上昇率2%」を目標としてきたが、今回の物価上昇は賃金の上昇が見られないコストプッシュ型のインフレのため、本来目指していたものと異なるという。
今後円安がさらに進行し、輸入物価がさらに押し上げられると個人消費が腰折れすることも予想される。

②住宅地の基準地価、31年ぶりに上昇

国土交通省が20日発表した2022年の基準地価は住宅地や商業地など全用途の全国平均が前年比0.3%上がり、3年ぶりのプラスだった。住宅地は1991年以来、31年ぶりに上昇。
東京近郊のほか、福岡市や札幌市などの再開発が進む地方の中核都市とその周辺の伸びが目立つ。一方で東北や四国といった地方は下落が続き「二極化」も進む。
背景には、歴史的な低金利や、住宅ローン減税といった政府の支援策に加え、2020年以降のコロナ下で在宅勤務の浸透などライフスタイルの多様化がある。

③手形決済の電子化、11月4日スタート

紙の手形や小切手を通じた企業間決済が電子化に向かう。全国銀行協会は11月4日に電子交換所を稼働し、対面でやり取りする手形交換所を順次、廃止する。以下ポイントをまとめる。
・手形交換所の廃止で年間約8億円のコストを削減できる。
・債権発生日から支払いまでの期間を最短7営業日から3営業日に短縮。
・手形を金庫で保管する必要もなく、紛失・盗難のリスクもない。
・(企業は)捺印や印紙の貼り付け、銀行に持ち込む労力がかからなくて済む。
・(企業は)印紙代や郵送料、手形帳の発行代などを削減できる。
・(金融機関も)事務手続きの負担を軽減でき、人員を他の業務に振り向けられる。
・不渡り情報をすべての金融機関で共有できるようになる。

④アメリカ止まらぬインフレ、加速する賃金上昇率

アメリカでの賃金上昇圧力が止まらない。1年以内に転職した人の賃金は前年同月比で8.4%上昇し、勢いは1年でほぼ倍になった。賃金上昇圧力を招くのは、労働力不足であり、それを引き起こしている要因は2つある。
一つは、転職希望者が求める給与水準が高いことだ。新型コロナウイルスの影響による早期退職の増加と景気の急回復で業種をまたぐ人材の争奪戦が生まれた。それにより、転職希望者が求める給与平均は年1040万円まで上昇している。
もう一つは、貯蓄の増加だ。新型コロナウイルス対策の財政出動はアメリカで2~3兆円の過剰貯蓄を生んだ。それにより、焦って職選びをする必要がないという余裕が、働き手を労働市場から遠ざけている。
インフレを抑えるためには積極的な利上げが求められるが、同時に景気後退のリスクもある難しい局面に直面している。

個別銘柄関連トピック

①ダイキン工業、中国部品不使用での生産を目指す

ダイキン工業は2023年度中に中国製部品がなくてもエアコンを生産できるサプライチェーンを構築を目指し、中国外での生産や国内で内製化を進める。
これまで、日本企業はコスト競争力の高い中国に生産拠点や部品調達先を集中させてきたが、ゼロコロナ政策やロックダウン、米中対立などのリスクにより、供給が追いつかなくなると生産が遅れてしまう。製品供給の安定化に向け、平常時は中国からの部品を調達する体制を維持しつつ、非常時には他地域からも調達できる体制を目指す。

②トリドールHD、年初来高値(3125円)

うどん専門店「丸亀製麺」を展開するトリドールHDは、20日年初来高値(3125円)を更新した。
要因は2つある。①まずは業績回復。3月に新型コロナウイルス万円防止処置が解除され、店舗の客足は回復している。4~6月期の連結純利益は36億円と前年同月期比で22%増えた。②もう一つは、10月以降の小麦価格の据え置きだ。10月以降の小麦の政府売り渡し価格が据え置かれることが決まり、今後の原価率の悪化を抑えられるとの見方が買い材料となった。
一方で、食用油などの原材料価格の高騰の懸念は残る。

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