【11月1日】マーケットレポート 『円買い介入、10月に6.3兆円』
本日の市場
●株式市場&債券市場
【外国市場】
・先週の大幅上昇をうけ、利益確定売り⬇
・長期金利上昇によりハイテク株が下落⬇
【東京市場】
・前週末の米株式相場の急伸をうけ、主力株を中心に買いが入った⬆
・決算内容が良好と受け止められた個別銘柄への買いも目立った⬆
→日立製作所、キーエンスなど
・前週末の米株式相場でのナスダック上昇をうけ、半導体関連株に買いが波及した⬆
●為替相場
・日米金利差、実需の円売り(資源高と円安による貿易赤字)など構造的な要因が解決されておらず、円安・ドル高が進行。
本日のトピック
①円買い介入、10月に6.3兆円
財務省が31日に発表した9/29~10月の為替介入実績は6兆3499億円だった。
・9月分と合わせると9兆1881億円
・市場では円安の進行が一定程度抑えられているとの見方がある
・一方で、円安圧力を生む構造的な要因は変わっておらず、介入効果が持続するかは不透明
②ユーロ圏の10月消費者物価、6ヶ月連続最高更新
EU統計局が発表した10月消費者物価指数は前年同月比で10.7%上昇、過去最高を6ヶ月連続で更新した。
・ウクライナ危機に伴う供給不安による資源価格高騰が主な要因
・【国別】イタリア→+12.8%、ドイツ→+11.6%、スペイン→+7.3%、フランス→+7.1%
・大幅利上げするも、未だ結果出ず
③村田製作所、減益見通し⬇
村田製作所は、2023年3月期の連結純利益が前期比▲5%減少する見通しだと発表した。
・【2023年3月期見通し】売上高、1兆8200億円
・【2023年3月期見通し】営業利益、3800億円(前期比▲10%減)
・【2023年3月期見通し】純利益、2970億円(前期比▲5%減)
・スマホ、パソコン需要の失速が響く(村田は年間売上高の4割を通信向け電子部品で稼いでいる)
・円安が業績を押し上げているが、資材価格の高騰もあり、3期ぶりの最終減益となる
→村田は国内製造比率65%、海外売上高比率90%
・自動車向け部品は好調だが、自動車生産の減速が悩みとなっている
・スマホ需要がいつ回復するかが焦点
④商船三井、2期連続最高益⬆
商船三井は、2023年3月期の連結純利益が前期比+11%増加する見通しだと発表した。
・【2023年3月期見通し】売上高、1兆6000億円
・【2023年3月期見通し】純利益、5000億円(前期比+11%増)
・上期のコンテナ船事業が好調
・国際海運業では円安も追い風に
・しかし、欧米のインフレや利上げによる景気減速をうけ、コンテナ船運賃が急激に下落している。下期は前年同期比▲57%減になる見通し
⑤日本たばこ産業、年間配当48円増⬆
日本たばこ産業は、2022年12月期の年間配当を前期比48円増の188円にすると発表した。
・【2022年12月期見通し】売上高、2兆6680億円(前期比+15%増)
・【2022年12月期見通し】営業利益、6490億円(前期比+30%増)
・【2022年12月期見通し】純利益、4450億円(前期比+31%増)
・紙巻たばこの価格を改定と円安が追い風となった
→海外売上比率6割超
⑥第一三共、純利益+49%増⬆
第一三共は、2023年3月期の連結純利益が前期比+49%増加する見通しだと発表した。
・【2023年3月期見通し】売上高、1兆2500億円(前期比+20%増)
・【2023年3月期見通し】営業利益、1300億円(前期比+78%増)
・【2023年3月期見通し】純利益、1000億円(前期比+49%増)
・年間配当30円(3円の増配)
・主力の抗がん剤「エンハーツ」の販売が米国で伸びた
・中国子会社の譲渡益なども利益押上げに寄与
・円安で海外の臨床試験(治験)費用が膨らむが、売上高の増加で補う
→同社は1円の円安が営業利益▲5億円の減益要因となる