【11月16日】マーケットレポート 『日本GDP、7~9月▲1.2%減』
本日の市場
●株式市場&債券市場
【外国市場】
・10月米卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことから、インフレのピークアウト観測が意識され、上昇。午前中には一時450ドル高に達した⬆
・小売大手ウォルマートの8~10月期決算にて、売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで株価は7%近く上昇した⬆
・ロシアのミサイルがNATO加盟国のポーランドに着弾し、死者が出たとの報道から上値を抑えたとの見方もあった⬇
【東京市場】
・前日の米国株が下落した流れをうけ、朝方は安く始まったが、利上げペース減速期待は根強く、次第に買いが優勢となった
・三井住友FGは今期の連結純利益予想を上方修正したほか、自社株買いも発表し、株価は4%超高となった
【アジア市場】
・米中首脳会談をうけ、米中関係悪化への過度な懸念が後退したのが追い風となり、TSMCを含む台湾株が買われた
・TSMCの株価は8%近く上昇した
・アリババ集団とテンセントの株価上昇率は10%を超えた
●為替相場
・来月FOMCまで雇用統計の発表が1回、消費者物価指数の発表が1回残っていることから、金利の先行きは未だ不透明との見方から円安方向に戻った
本日のトピック
●日本GDP、7~9月▲1.2%減
内閣府が発表した7~9月期の国内総生産(GDP)は前期比年率で▲1.2%減と4四半期ぶりに落ち込んだ
・個人消費や設備投資はプラスを維持したが、伸び率は前の期から鈍った
・原油や食料などの輸入価格が製品の輸出価格を上回り損失が膨らんだ
・民間エコノミスト予想だと10~12月期は、前期比年率3.7%増となる見込み
・インバウンドなどでサービス消費の持ち直しが続くとのこと
●日本、店頭物価6%高
日本では食品などの身の回り品の店頭物価は11月に入って前年比6%上がり、約30年ぶりの伸び率となった
・食品メーカーが相次ぎ値上げに踏み切った10月に4%台となり、その後も上がり続けている
・牛乳は前年比+8.7%、ヨーグルトは前年比+6.6%上がっている
・物価高を上回る賃金上昇を実現しなければコロナ後の経済回復はおぼつかない
●上場地銀、純利益+15%増
上場地銀76行・グループの22年4~9月期の決算は6割強にあたる48行・グループが前年同期比で増益となった
・純利益の合計額は前年同期比+15%増の約5900億円だった
・(要因①)融資先の倒産に備える不良債権処理費用が前年同期比で約55%減った
・(要因②)日銀の当座預金に上乗せ金利をつける特別付利制度も業績を下支えした
●スタートアップ「タイミー」に、金融機関8行が183億円の融資
アルバイト仲介アプリを手掛ける"タイミー"にみずほ銀行や三菱UFJ銀行など計8の金融機関が合わせて183億円融資する
・利率は1%未満で、金融機関への担保や保証の提供や新株予約権の割り当てなどはない
・タイミー側は調達した資金を、事業拡大に伴う運転資金に充てる
・一般に銀行は先行投資がかさみがちで、担保となる資産も少ないスタートアップへの融資に消極的とされるため、スタートアップの資金調達はVCなどを割当先とする新株発行(エクイティ)が中心となっている
・エクイティでの調達は株式が希薄化するなどの欠点がある