反知性主義こそ知性
1、哲学とは身心の心の方を考える学問
2、心とは、意識、観念、認識、精神など人間の内面=見えないもの
3、見えないものの学問を形而上学という
4、ゆえに、哲学=形而上学=人間の内面の学問。
<日本は世界一変な国だから批評の種はつきない。批評天国だ。>
住みやすい国、よい国ならば、国民に不満は少なく、
批評をする必要がなくなる。
つまり日本「社会」は表面は、一丸にさせようとする国であるが、
個々人の心の内面では不満が渦巻く分断の国なのである。
一方、アメリカは分断の国だと日本のマスメディアは非難で一丸と化している。
つまり日本人は物事の表面しか見ていない。
だがアメリカ精神は内面が健全なのだ。
多様性=自由=民主主義を固守している。
<コロナ禍になってよくわかった日本人の浅薄さ>
「忖度しません」斉藤美奈子著(2020年刊)
2020-2月から日本はコロナ禍に入った。
この本の最後の記事は「新型コロナウイルスが来た!」
<2020-2-28日、「この1、2週間が瀬戸際」だとして安倍総理は突然 専門家会議の意見も聞かずに、全国の小中高の一斉休校を要請した。 世間のムードは、ここで変わった。マスクが不足し、イベントの自粛が相次ぎ、 繁華街や観光地から人が消え・・・>
と書いている。
つまり「コロナが流行っても国はコロナ抑制策を採るな!」 が斉藤氏の意見なのだろう。
私はむしろ、「日本を蝕む全体主義」適菜収著 の主張の方が、まともだと思う。
日本では今後、新たなウイルスが流行しても、
「ウイルスを、抑制するな」、となるだろう。
「ウイルスと共存せよ」、と学者はまたいうだろう。(WWW
知性主義、反知性主義については
https://liberal-arts-guide.com/anti-intellectualism/
反知性主義、本当の意味・誤用されるケース・影響力をわかりやすく解説
「反知性主義」とは、
世の中の知性(エリート)と権力が結びつくことを監視・批判するする思想のことです。
日本では「学問や知性を否定する姿勢」と誤用されることも多いですが、本来の意味は上記のものなのです。
反知性主義は誤用されていることも多いため、正しい意味を知っておかないと、世の中で起こっている出来事について、間違った『認識』を持つことにもなりかねません。
そこで、この記事では、
反知性主義の正しい意味
反知性主義が生まれた時代背景
反知性主義の現代社会への影響
を紹介します。
あなたが知りたいところから読んで、しっかり教養を身につけてください。
このサイトは人文社会科学系学問をより多くの人が学び、楽しみ、支えるようになることを目指して運営している学術メディアです。
https://liberal-arts-guide.com/
1章:反知性主義とは何か?
それでは、まずは反知性主義の正しい意味と、反知性主義について学ぶ意義について解説します。
1−1:誤用されがち?反知性主義の本当の意味
それではさっそく、反知性主義の本当の意味から解説します。
反知性主義について、ニュースや一般向けの書籍を見ると、誤用されていることが多く見られます。
その多くは、
反知性主義とは、学問や知性を否定する考え方のことである
反知性主義は、知性を重視しない愚かな人たちが持つ考えである
といった偏見的な考え方のようです。
繰り返しになりますが、反知性主義の本来の意味は上記のような
「知性を否定する考え方」ではありません。
本来の反知性主義とは、
知性(エリート、インテリ、知識人など)が権力と不当に結びついていないか?知的な特権階級が形成されていないか?という「知性と権力の結びつき」を監視し、批判する考え方のことなのです。
反知性主義は、アメリカで、伝統的なキリスト教会が持っていた知性主義(知識、教養を重視し、それが権力に利用される姿勢)を否定し、「自分たちこそが、本当の信仰を持っているのだ」と主張した、宗教的な流れから作られてきたものです。
そのため、それは知性そのものを否定する考えではありませんし、
反知性主義を持つ人が「知性、学問の意義を理解していない愚かな人」であるわけでもないのです。
ここはとても大事なポイントなので、正しく理解しておきましょう。
1−2:反知性主義から現代社会が理解できる
なぜ、アメリカのキリスト教文化から生まれた「反知性主義」などという思想を学ぶ必要があるのでしょうか?
それは、
①反知性主義は、現代アメリカの政治や文化に大きな影響を与えているため
②反知性主義は、アメリカから世界へ拡散し、日本の思想にも影響を与えているため
という理由があるからです。
しかも、反知性主義は本来の「知性と権力の結びつきを監視する」という意味から離れ、
『日本における「知性の否定」』という考え方にも繋がっているのです。
ですから、反知性主義を理解することは、新聞やニュースで流れてくる国際政治を理解することだけでなく、私たちが住む日本を理解し、より良い社会を作るための基盤にもなるのです。
1章のまとめ
反知性主義とは、エリートと権力の結びつきを監視、批判する思想
反知性主義は、本来の意味から離れて「知性の否定」という思想に結びついている
2章:反知性主義が生まれた時代背景
反知性主義は、「ヨーロッパからの移民によって建国された」という特殊な国である
アメリカから生まれ、アメリカのキリスト教文化の中で成長し、現代社会に影響を与える思想の一つになりました。
意外なことですが、アメリカの独特のキリスト教文化や反知性主義という思想は、
巨大なお祭り騒ぎのようになるアメリカ大統領選
などにも直接的な影響を与えています。
「キリスト教なんて良くわからないし、反知性主義と関係あるの?」
と思われるかもしれませんが、騙されたと思って読んでみてください。
それでは、反知性主義の歴史をアメリカ建国の時代から見ていきましょう。
2−1:アメリカの知性主義
そもそも、アメリカがどのような経緯で建国されたのか、あなたはご存知ですか?
結論から言うと、アメリカはヨーロッパの社会(キリスト教社会)を否定し、新しい『自由』な秩序を求めた移民達によって建国された国なのです。
■ピューリタンたちのアメリカ移住
そもそも、アメリカを建国した人々は「ピューリタン」と言われる人たちでした。
ピューリタンとは、イングランド国協会の改革を唱えたプロテスタントのグループのことです。
ピューリタン・・・英国教会の改革を唱えた、プロテスタントの一派
プロテスタント・・・カトリック教会から分離し、福音主義を理念とした一派
ピューリタンは、イングランド国教会の国王を頂点とした階層的な体制に反発しました。
もともと、プロテスタントもカトリック教会に異を唱えて分離した、いわば改革派ですが、その中でもさらに改革派なのが、ピューリタンだったのです。
一部のピューリタンは「英国では自由に生きていくことができない」と不満を持ち、アメリカ大陸に移住しました。これが、現在のアメリカの建国に繋がるきっかけでした。
■ピューリタンの知性主義
そんなピューリタンたちですが、彼等は強い「知性主義」、つまり知性、知識、学問を重視する姿勢を持っていました。
なぜ、彼等は知性主義を持っていたのでしょうか?
そもそも、プロテスタントは「カトリック教会ではなく、『聖書』に書かれていることをよく理解し、本当の信仰をしよう」と考えた人たちでした。権力にまみれたカトリック教会から離れて、信仰を『聖書』に求めたのです。
したがって、彼等プロテスタントは『聖書』を深く理解することを、自らに強く求めたのです。
そのため、ピューリタンたちも『聖書』を読むことが多く、
またそこにどのような事が書かれているのか、自分の言葉で語られることが良いこととされました。
その結果、アメリカは、
日曜の礼拝では、牧師が信仰について言葉で語る時間がとても長かった
全員がみんなの前で信仰について、自分の言葉で語らなければならなかった
という高度な知性が必要とされる社会として出発したのです。
ここまで読むと「なぜ知性主義的な社会から出発したのに、反知性主義のような思想が生まれたの?」と思われますよね。
反知性主義が生まれたのは、アメリカで周期的に巻き起こった「信仰復興運動」がきっかけでした。
2−2:反知性主義の原点としての信仰復興運動
アメリカでは、周期的に「信仰復興運動」というものが巻き起こりました。
これは、その名のとおりキリスト教への信仰を復興するための、熱狂的な、アメリカ全土で起こった運動のことです。
この熱狂が、アメリカで反知性主義を生んだのです。
最初の大規模な信仰復興運動の中から生まれた「説教師」から、反知性主義の誕生を見ていきましょう。
■説教師の反知性主義
反知性主義の萌芽は、アメリカでの「説教師」にありました。
説教師とは、広いアメリカの国土を渡り歩きながら、民衆に信仰を説く人のことです。
彼等は話が面白く、信仰について分かりやすく、独自の解釈で伝えて回りました。
また、町を回る度に出版して儲けた者もいて、ただ信仰を広めたいというだけでなく、ビジネスとして行う者も多かったようです。
これに反発したのが、旧来のピューリタン的なキリスト教の牧師たちでした。
彼等は、説教師のような伝え方を受け入れず、説教師が街にやってきても説教に協力したり、教会を貸してあげたりすることはありませんでした。それどころか、説教師のような伝え方を批難したのです。
しかし、アメリカの大衆は、ヨーロッパという知的で文化的ではあるが、古い体制を持つ世界を否定し、自分たちで新しい世界を作ってきたのだ、という気概を持っています。
したがって、このような「文化的な知より原初的な知」「知性より霊性」という、反知性主義的な考え方が、受け入れやすかったようです。
■ヒーロー視される過激派たち
さらに、キリスト教内の「過激派」が行う行動がヒーロー視された歴史からも、アメリカ的な反知性主義を見ることができます。
キリスト教内には、教会や幼児洗礼を否定する「宗教改革左派(再洗礼派)」とも言われる、過激な改革志向を持つグループがいました。彼等の思想や行動を危険視した主流派は、彼等を批判しました。
そんな再洗礼派に近い信仰を持つ「バプテスト」は、アメリカでも伝道活動を行います。
バプテストたちは、アメリカでも主流派から迫害されたのですが、彼等は迫害されるほど「自分たちは神の前に何も悪いことをしていない」と信仰を強めていきました。
彼等からすれば、信仰的に正しいことをしているのは自分たちなのですから、迫害は不当です。
そこで、迫害の不当さを訴えるために、わざと犯罪を犯して投獄されたり、罰を受ける人たちが出てきました。
彼等の行動は、信仰の正しさを訴えるためのものとしてヒーロー視され、大衆からも受け入れられたのです。
迫害されていたバプテストたちは、一部の合理主義的・世俗的な政治家と手を組みました。
彼等の「宗教的な既得権益(教会)を打破する」という共通の目的があったからです。
つまり、宗教と権力が結びつくことを否定し、権力の宗教への介入はできるだけ小さいものであることを目指したのです。
宗教が「知性」の象徴であった時代に、それが権力と結びつくことを否定した姿勢が生まれたのです。
これはまさに、「知性(エリート)と権力が結びつくこと」を監視し、否定するという反知性主義が、政策レベルで実現された動きであることが分かるでしょう。
このように、素朴な信仰から生まれた反知性主義は、政策レベルでアメリカを動かす思想になっていったのです。
■ムーディーによる信仰のビジネス化
これまで見てきたように、信仰復興運動によって反知性主義が生まれてきたのですが、信仰復興運動はその後巨大ビジネスになっていきます。
ドワイト・ムーディー(1837-1899)は、信仰復興運動をビジネス化した一人です。
平等精神とビジネス志向が結びついたのは「天はみずから助くる者を助く」という信念です。
平等であるが故に、自助=叩き上げの思想が生まれ、それがビジネス志向と結びついたのです。
■ビリーサンデーの反知性主義
現代アメリカ的な反知性主義は、ビリー・サンデーによって確立されたと言えるでしょう。
ビリー・サンデー(1862−1935)は、貧しい出自から野球選手になり、さらに宗教活動で大成功した、まさにアメリカンドリームを体現した人物です。
彼は、貧しい出自から成り上がった
彼の説教はさらに過激に、大衆迎合的に、娯楽的になった
アメリカンドリーム的成功が、平等主義的なアメリカの価値観と合致した
というように、反知性主義を体現するような人生を送りました。
彼は権威に頼らず、個人で人生を切り開く姿勢を一貫していて、それがアメリカ人の反知性主義的価値観にマッチしたのです。
【反知性主義の歴史】
アメリカ人が持つ反知性主義的な思想は、トランプのような「ヨーロッパ的な知性を感じさせない、実社会で大成功した叩き上げ的な人物」を支持する思想にも繋がっています。
反知性主義は、現代社会に大きな影響を与えている思想なのです。
3章:反知性主義の現代社会への影響
アメリカの反知性主義は、もともとは知性が越権行為をしていないか、権威を不当に拡大していないか、それを敏感にチェックするための思想でした。
また、日本における反知性主義はどのようなものでしょうか?
日本には、そもそも否定すべき「知性主義」が希薄だった!ため、
アメリカほど明確な反知性主義は生まれていないように思えます。
あなたは、どう思いますか?
むしろ、日本においては、誤用である「知性の軽視」という意味での思想が広まっているようにも思えます。
たとえば「文系不要論」が代表的です。
一般教養的な学問よりも、語学、プログラミング教育など実学的な教育を優先すべき、という思想を持つ人も多いように感じます。
日本における反知性主義の影響や実態については、これからも追って問い続ける必要がありそうです。
この記事のまとめ
反知性主義とは、知性を否定する考えではなく、
知性と権力が不当に結びつくことを監視、否定する考え方
このサイトでは、他にもたくさんの社会思想や学問について紹介していますので、ぜひブックマークして、これからも参考にしてください。
日本のメディアはフェイクニュースを垂れ流す
「アメリカの反知性主義運動(Qアノン)は、民主主義を壊す」
と、フェイクニュースで一色化している日本。
<反知性主義とは、民主主義運動>
なんですよ。
知性主義とは専門家が市民に代って独裁をする事になる、
これを防ごうとするのが、
反知性主義運動なのですから。
日本メディアにはフェイクニュースを判断する能力がない。
アメリカなんか心配する前に
自分の国を(このような知性の低い国になっていることを)心配するべきだろう。
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