番匠カンナ@バーチャル建築家

いまないところに 空間 をうむ / idiomorph 主宰 https://www.idiomorph.com / ambr - CXO

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マガジン

  • 衝撃だった話

    • 18本

    12/29発売予定 ※装丁 のうめん氏   youtubeチャンネル https://t.co/6v6NdPKUsn  twitter https://twitter.com/nomen_machine

  • idiomorph 通信

    建築とバーチャルのあいだから、考えたこと

  • 建築界隈のVR初心者のための『VRChatワールド作成案内』

    Rhino、Unity、VRChat、おまけにBlenderを使って、タイトル通りのことをするマガジンだよ〜

最近の記事

VR楽器「isonote」 〜深い話編〜

〜概要・紹介編〜からだいぶ間が空いてしまったけど、ようやく、このVR楽器がどういう楽器なのか、数学と音楽の観点から考える〜深い話編〜に入ります。新しい楽器の設計を通して音や音楽について学ぶという、あまりない面白い話になってるんじゃないかと思います。 1. 使う音律について知るなぜオクターブは12音なのか 私たちが日常的に接している音楽はほぼ全て「1オクターブが12音な世界」の内側で生み出されている。ピアノは白鍵7つ+黒鍵5つだし、ギターも12フレット。例えばバイオリンなど

    • VR楽器「isonote」 〜概要・紹介編〜

      紹介久しぶりの完全な個人制作として、VR楽器をつくりました。 VRChatのこちらのワールドにて誰でも演奏可能です。 ただしVR Onlyなので、VR機器が必須です。VR機器をお持ちの方は、ぜひ一度演奏しに行ってみてください! どんな楽器?この楽器は「演奏技術がなかったり音楽理論があまりわからないという人が適当に弾いても、なぜかいい感じになる」楽器です。 とくに、なぜかJAZZっぽくなります。 具体的には、以下のような楽器です。 木琴のように2本のバチで打面を叩くこと

      • AI自由会話とRPGは相性悪い気がするのだけどどうでしょう?

        AI自由会話とゲームとくにRPGについて思うこと。 自由会話の活かしどころはたぶん村人モブNPCじゃない。村人との会話って、謎のノリに付き合わされたりよくわからない話を聞かされる"一方向性"に満足してきたのだし、立ち止まって特定の1人と深く話すのではなく、歩きまわって多人数と絡んで情報収集するのがRPGの"型"だったはず。そこには移動した分だけ得をするという根本の仕組みがあって、移動せず1人に対して質問攻めした分だけ得をする仕組みを持ち込むと、壊れるものがある。書いてて思っ

        • ザハ・ハディド・アーキテクツはメタバースにどのように突っ込んでいっているか

          こんにちは、 建築とバーチャルの間の真空を漂うワカメ的存在、番匠カンナです。 先日は建築家に忍び寄る「詐欺バース」について書きましたが、 今日はザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)のメタバースへの突っ込みかたを見ながら、建築界とバーチャル世界の関係について書きます。 ZHAとは?ザハ・ハディドは建築界ではその名を知らぬものはいないトップ・オブ・トップ建築家ですが、建築界の外だと、とくに日本では「幻の新国立競技場案」で有名です。 大変残念なことにザハは2016年に65歳で

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          7本

        記事

          建築家は「詐欺バース」から自衛せよ

          こんにちは、建築とバーチャル世界の健全な発展を願う番匠カンナです。 最近、メタバースバブルによりバーチャル世界と建築界が非常に良くない出会いをしてしまう危険を察知したので、その話をします。 いまから書く内容は、 リテラシーのない建築界を利用しようとする怪しいメタバースプロジェクトから、特に狙われがちな建築家はしっかり自衛してほしい(して!) という警鐘です。 怪しい話最近たまたま目にしたのが、ボドゲのカタンみたいな土地を売るメタバースプロジェクトが、著名建築家にメタ

          建築家は「詐欺バース」から自衛せよ

          改めての自己紹介

          こんにちは、番匠カンナです。 主宰する idomorph のサイトを正式オープンしたので、まずはご報告です。 https://www.idiomorph.com そしてこの機会に、自分でも複雑だ…と思っている自己紹介をしてみます。 idiomorph とはWebサイトでは面倒な文章を「刺さる人に刺され…!」と投げつけているので、(あっ…近寄らんとこ)感が漏れ出ていますが、ひとことで言うと、 何らかの3次元の形を有する、ユニークな、人類の豊かさの向上に供する「新たな空間

          今後の活動に関するお知らせ!

          バーチャル建築家として活動して3年半が過ぎました。 最初の1年は仕事をせずVR空間でただ遊び、次の1年はVR空間デザインを行うようになり、この1年はVRサービスやコンテンツのコンセプト設計、体験設計、各種デザインディレクションなどをするようになりました。 直近だと、東京ゲームショウの「TGSVR2021 App」、DNPの「PARALLEL CITY構想」あたりに深くコミットしていますが、その他やったけどまだ日の目を見ていないものや流れたものなどもあります。 そのあいだに

          今後の活動に関するお知らせ!

          メタバースが来るって具体的にどういうこと? リアルやデジタルやVRやARの話

          バーチャル建築家の番匠カンナです。すごく久しぶりにNoteを書くよ。 2021年秋、すでに「またか!」感があるほどメタバースという言葉がバズワード化して、同時にVR/ARに関わってきた多くの人がそれぞれの意見を表明している。 私自身は、メタバースの捉え方は人それぞれで全然良いと思うので、メタバースの定義はここではそんなに重要じゃなくて。 大事なのは、これから何が起きて、そのとき自分(やクソデカ主語化すると人類)はどうする?ということだと思うので、ちょっと長めになるけど、最近

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          ジオメトリシェーダーでVket5-DCのNodeRingをつくる

          先日、バーチャルマーケット5の会場「Default Cube」のUI/UXデザインについての記事を公開しましたが、その中で紹介したNodeRingの制作過程を紹介します。本記事ではDefault Cube(以下DC)の説明は端折ります。 はじめてUnityのジオメトリシェーダーにトライしました。作っていてとてもおもしろかったので、なにかの参考になればと思います。 ジオメトリシェーダーの詳しい解説ではなく、どんなことをしたら何ができるかという概説なので、ちゃんと勉強したい場合

          ジオメトリシェーダーでVket5-DCのNodeRingをつくる

          デフォルトキューブ XR-UX/UIの試み

          バーチャルマーケット5(以下Vket5)の会場「Default Cube」は、展示物を見るという体験を主題とした、XR-UX/UIの尖鋭的な試みだった。 Vketの通常のテーマ会場のように「展示会場を歩いて見て回る」という現実と齟齬のない体験を捨て、強いコンセプトに基づいて専用に設計した特殊なUX/UIだけで成立させたもの、人類が慣れ親しんでいない体験を投げかけるものとなった。だから、良い面も悪い面も極めてはっきり、一人ひとりの異なる体験……驚き、喜び、違和感、不満として記

          デフォルトキューブ XR-UX/UIの試み

          VRは「空間楽」を生んだ バーチャル建築家が思うVR,MRのこと

          バーチャル建築家として活動してなんともうすぐ2年、番匠カンナです。 そろそろ一度、VRについて、そしてMRについて、いま考えていることを書いてみたいなと思ったので、ぶわっと書きます。 建築家が活躍するいわゆる”建築界”から来た人間として、xRの世界、こんなふうに見えてます。 VRは「空間楽」を生んだ突然だけど私は、 「VRはすでに80%くらい、その目的を達成している」 と考えている。もちろん、デバイスやプラットフォームやコンテンツの開発者からすると「発展途上で全然一般に

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          『ネオ渋谷』 がうまれたとき

          当記事はxRArchiアドカレの12月24日の記事です。 また、『ネオ渋谷』を訪れた方々がSNSにアップした画像を出典つきでお借りしています。転載NG等あればご連絡ください。 2019年の9月21日〜28日の一週間、VRChat上で「バーチャルマーケット3」(以下、Vket3) が開催された。今日はその会場のひとつ『ネオ渋谷』について、つくっているときに考えたことや、できた後のことを書いてみるよ。 「バーチャルマーケット3」そのものについては書かないので、気になる人は、電

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          VR空間デザインの夜明け(VRAAのこと)

          ※この記事はxRArchiアドカレ(https://adventar.org/calendars/4686)の12月10日の記事です。 2019年の夏、「VRAA」というVR空間デザインコンテストが開催された。 開催場所はVRChatと呼ばれるVR空間上、提出作品はもちろんVR空間、審査もすべてVR空間内で完結し、運営もリモートで、オフ会を除けば誰ひとり実空間で会うことなく行われたデザインアワードだ。 私は運営委員長として半年に渡っていろいろと考えたり手を動かして来たんだ

          VR空間デザインの夜明け(VRAAのこと)

          バーチャル建築家の1年

          [これは悠々自適な生活をしている人ではなく、ただ休憩してる人です] バーチャル建築家の番匠カンナです。2019年4月26日で、生まれて1年になりました。 こういう「書くチャンス」は面倒がらずに大切にしたいので、こういう人が存在したという記録と、今後も存在するということの宣言のために、ちょっと振り返り記事を書きます。 1) Vtuber期2018年の年初にミライアカリちゃんのVRChat動画を見て4ヶ月、気がついたら私は肉体を手に入れていた。そしてまず“Vの人”は動画を撮

          バーチャルミュージアム・技術編

          この記事は「バーチャルミュージアム・思想編」に続く技術編です。 制作にあたってのモデリング、シェーダー、アニメーション、負荷問題について、やったことや悩ましかったことをドバっと書いてみる。 動画だとこんな世界。VRChat用のVR空間はUnityで制作する。モデリングはRhinocerousを使ったのち、Blenderでメッシュ調整・UV展開をしている。 技術編① ワールドモデリング思想編で紹介した3Dボロノイのランドスケープは、建築のモデリングではわりと一般化したRhi

          バーチャルミュージアム・技術編

          バーチャルミュージアム・思想編

          2019年3月8~10日の3日間、VR空間上で開催された『バーチャルマーケット2』は、VR史に残る人類の挑戦だった。 ここではバーチャルマーケット2(以下、Vケット2)そのものの説明は省いて、私が制作にかかわった展示会場のひとつ、「バーチャルミュージアム」について、思想編と技術編にわけて書き尽くそうと思う。 当日VRChatで体験した人も、まだ行けていない人も、ぜひ読んでみてください!(会場は4月以降にPublic化される予定です) Vケット2全体についての記事はこの辺りを

          バーチャルミュージアム・思想編