1杯のコーヒー

 お母さんたちには休みがない。朝起きてから夜寝るまでの間、母であり、妻であり、職場の人であって、自分自身でいられる時間もないのです。
 私は様々な事情で母親になることはできませんでした。だから「お母さん」は尊敬し、憧れの存在でもあります。(まだ諦めてはいないのですが)
私が子ども食堂のほかにシェアディナーやお昼ご飯のUBAカフェを開催しているのは「お母さんに休んでほしい」からなのです。
 先日「自分が誰かの為に屋台を出すならば何ができるだろうか」と考える機会があったのですが、お母さんたちを労いたい、この気持ちを伝えたい…と思いまして「公園でコーヒーをお渡ししよう」と思いつきました。
 早速昨日公園にコーヒーとお湯を持って行ってみたのですが、公園で遊ぶ人々を眺めて呆然。私がいきなり近づいて行って「コーヒーいかがですか」と言えばかなり不審に感じるに違いない。でも、公園の管理者から看板等を設置し、不特定多数の人に何かを配布したりしないよう言われていましたので、屋台を設置するわけにもいきません。
 実は一人で公園に行く勇気のなかった私は、私の友人とそのお子さん(中高生女子)に一緒に行ってもらったのですが、このままではただのピクニックになってしまう、と焦りました。
 悩んだ挙句、遊具で遊んでいる子を眺めて待つお父さんやお母さんになんとなく近づき、「すみません!お声がけしてもいいですか!こども食堂をやっているものなのですが、今日実は保護者の方々を労いたくてコーヒーをお配りしているのですが、飲んでいただけますか」とお願いしてみました。振り返ってみても、言動や行動が怪しいのですが、皆さん「いいんですか!」と喜んで快く引き受けてくださってびっくり。
 友人たちがコーヒーを運んでくれたのですが、コーヒーを待つ間、そして飲む間保護者の皆さんとお話をさせていただくことができました。
 あるお母さんから「そんな風に思ってくれる人がいると思うだけで、ホッとします。応援します。」と言っていただきました。こんなに嬉しいことはない。緊張していたのですがすごくホッとしました。
 そして日曜日に公園に行く!と何人かにお伝えしていたところ、Shonan Soy Studio様からコーヒーのご寄付を頂き、またお母さんたちが公園中、私を探して歩きまわってくださったのでした…そして会いに来てくれたお母さんからお子さんと一緒に書いてくれた手紙とプレゼントを頂きました。感激。
 私はいつも沢山のプレゼントをいただいて過ごしているなと感じます。
1杯のコーヒーを届けることのチャレンジをこれからも続けていきたいと思います。
 

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