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キャメル くるり ラクダの夢便
テーマソング作りなどにおいては特定のモチーフを使いに行く意識がプロダクションにつきものと思います。作家の自由な創作においては無意識に自己から滲み出す共通のモチーフが身の周りで房を成すこともあるかと。そのモチーフは、まさに作家のアバターだと思うのです。
夜明けのBEAT フジファブリック 煩悩の無酸素ダッシュ
モテキの疾走する森山さんを脳内反芻。キレッキレの轟音は街の喧騒と心臓の生理の重ね合わせ。埋め尽くすリズムのギターリフに無呼吸ダッシュを強いられる気分。サビボーカルのブルーノート最高。永遠にカッコ良い曲。
Yesterday The Beatles 昨日と今日に架ける梯子
はっとするような音程の移ろいや響きの緩急。昨日と今日のはざまを揺らぎ、つなぐいつ聴いても世界の時事ネタであり続ける名曲、The Beatles『Yesterday』リスニングメモ。今さら? いえいえ、今から。何度でも。
朧月夜(唱歌) 倍賞千恵子の歌唱 霞の観念
2番の歌詞がおもしろいのは、「~も」で名詞を連ねきって、そのすべてが朧月夜に霞んでく風情を歌っている点です。「●●も××も△△も……すっかり日が落ちて霞んでしまうよ、おぼろ月夜」という意趣を感じます。昼間の陽光を反射した生きとし生けるもののテクスチャも、光の量が減って見えかたが変わるのです。
誰かが PUFFY、The Birthday 最高の己を見せてやれ
誰しも、誰かを必要としている。今のあなたがそのかたち・姿でいることにうなずきを与え、個人の現実を全抱擁します。「誰かが」と、あえて遠い呼称を主題にし自己や多己の理想と現実の高みを示唆する快心作です。
潮風のアリア くるり おおらかな時間の練磨
息が長くおおらかなセンテンスを波のように繰り紡ぎ岩が流動するような悠久なスケール感。歌詞のあちこちがつながり始点や終点がフレキシブルする魔法。胸熱なオルガンつながりで近作California coconutsと聴き連ねも好趣向。
勇気100% 光GENJI 等身大の不思議な錯覚
複数の調を経由して元に戻ったとき、元の調なのに新しい調に感じる錯覚。かつての120%(あるいはもっと)が、未来の100%になる。作詞と作曲とはつらつとした集合ボーカル、元気が湧く神秘。
ロビンソン スピッツ 純白を汚す風
輪郭ゆらめく美しいアルペジオの浮遊感はまるで目を離すことを許さないかまってちゃん。空も飛べるはず、スパイダーとに渡るパラレルストーリーとスピッツ詩性の端っこを幻視。漂う宇宙船、スピッツよ。
くるり『真夏日』 “ピカピカの新車”、感性の針のふるまい
長い後奏がライブ映え。悠久な曲想の中、4分台に入る“直通電車はピカピカの”にハイライトを感じます。変化する観察の対象と体感が主題でしょうか。長大なサイズ感を接着する部分ごとの小違い・あるいは大違いの妙。
演奏をする・させる 手段の充実と目的更新の反復
演奏をするのが好きだ。プログラミングって“演奏をさせる”ことなのか? “する”のも“させる”のも広義の演奏のもと、ひとつだ。手法を研ぎ、充実させ、楽しんで走りながら、目的を更新することだと思う。
ははうえさま 一休さんの純粋な真実
拠り所なさげな調性感が親元を離れたいたいけな少年の心を映します。悪知恵が働き、いたずらっぽい造形を勝手に想像していたのですが、アニメ第1話を観るにとても“出来た”人物でした。仔猫に諭すさまを想像すると健気でなおグッと来ます。
らくだの国 PUFFY 斉藤和義 哀しみの知性
キラキラとした目は安寧の立ち位置からの観察を思わせる。“はしゃいでる世の中”から遠く離れたところ、案外、心のこのあたり(己のなか)にあるのかもしれない。“らくだの国” “哀しみのない国”は、知性が生む幻影か、真実か。