ばんどう通信R6年05月号

こんにちは、ばんどうです。先日5月の29日で「独立して10年」の節目を迎えました。10年前、豊橋で開業したオープン初日の2014年5月19日の1日の売上は1600円のランチ2名で税込3456円。
今思うと「そんなんで大丈夫?潰れない?」と心配になる金額ですが(というか当時も心配はしていたとは思う)それ以上に、人生で初めての「給料ではなく、会社のバックアップもなく本当に自分の力だけで作った売上」というものに感動と感謝をする気持ちの方が強かったことを覚えています。
正直、独立する直前のGW明けまで東京の修行先で働いていたし、豊橋というか愛知にちゃんと帰ってくるのはその時8年くらいぶりだったし、でそんないきなり新天地でポンと店を出すのは危険というか、本当に今思うと「もっとちゃんと事前にリサーチとか挨拶回りとか近隣のファン作りとか、そういうマーケティング的なことをオープン日より前に色々やっておきなさいよ」とは思うのですが。

なんだかんだで皆様のおかげでこうして10年の節目を、破産せずに過ごすことができております。


10周年記念コース@18000円

そんなわけで?繰り返しにはなるんですが最後に勤めていた店を辞め、自分自身で独立して丸10年が経ちました。
10周年を記念して、というわけでも無いっちゃないしあるっちゃあるんですが、新しく少しだけお値打ち?なコースを作りました。

先付、お造り、お椀、八寸
きしめん、メイン、食事、甘味

独立の日からもう10年ちょっと時間を遡って高校2年の17歳のある日。バイト代を握りしめて出かけた先で、料理・そしてその時間体験に感動を味わい、衝撃を受けたあの日のことを今でもおぼえています。
この感動を、自分も作りたい。
そんな想いで、この道に入りました。

それからの20年ちょっとを振り返ってみても、決して楽な道のりではなかったし今でも楽だとはとても思えない日々を過ごしてはいますが、本当に料理に出会えて幸せだな、というのは心から思っています。
料理の道を志して、その10年後料理を続けてるのは多分10人に1人。9人は諦めて違う道に。続けてるうちの、独立に至るのは多分コレも10人に1人くらい。そして、独立してから10年続くのも10人に1人。
0.1%の世界の仲間入りをさせて頂いた、と言えなくも無いんですが、自分に才能や適性があったとかそういうことは全然なくて、理由は2つ。
ただただ、「続けただけ」なのと「皆様のおかげ」

そんな感謝を感じる機に、改めて初心に立ち返ってみようと考えたところ、「もう少し行きやすいコースを作ろう」と。
普段の「おまかせ」は適正価格でやらせて頂いているとは自負していますが、それでもお料理で2.8万円はちょっと高いというかどなたもが「あ、行こう」というテンションで行きやすい金額ではないかな、と思いまして。

もう少しだけ価格を抑えたコースをご案内させて頂くことといたしました。10周年を記念、てことで期間限定で辞めるかもですし、と言いつつ好評でしたら続けようかと。
そんなわけで良ければお早めにお申し付けください。

独立10周年記念コース@税込18000円

従来通り、基本は2.8万円のおまかせコースとなりますが1.8万円の記念コースはお料理を八寸のような形である程度盛り合わせで出させていただいたり、特に高額な食材をある程度割愛させて頂くことで少しだけリーズナブル(といってもそれでもそれなりの金額ですが)に「ばんどう」を楽しんでいただける内容となっております

この機会に是非、ご利用くださいませ。さらっと辞めるかもだし継続するかもだし、ではありますが少なくとも8月くらいまでは続けようかと思っています。
皆様のお声を聞いて、その辺どうするか決めさせていただこうかと。
なので是非是非お久しぶりの方含め一旦足をお運びくださいましたら幸いです。

”火入れ”の進化

あんまり「火入れ」って言葉を使うのが好きじゃないというか、ダサいというかそんな思いがあるんですが。どちらかというとハイアマチュアの方達が趣味の範囲内で「より良い焼き方をしたい」みたいな時に多用されがちなので、どうしてもそのニュアンスを感じてしまうというか「プロなら火入れなんか良くて当たり前でしょ」という思いがあるというか。

鱒の介。究極のミ・キュイ
薪も新しい種類を増やしました
サーロインの炉釜焼き。

そんなわけであんまりその辺の話はしないことにしていたのですが。
それでも、言わずにはいられないくらいに「火入れ」が進化しました。
オリジナルの炉釜「ヒノカグツチ」での焼き方を変えた、というか炭の組み方、その他セッティング等々を改めて調整しなおしたところ圧倒的な仕上がりの変化に辿り着きまして。
「全ての焼き物は飲み物である」
くらいの感覚でめちゃくちゃジューシーに仕上げることとなりました。
改めて「炉釜で作る和食」って面白いよなぁ、としみじみ思っています。
皆様ぜひ体験を。

スタッフ歓迎会

先日、4月入社の新人アルバイトの歓迎会を執り行いました。ここ数ヶ月はそんなに業績が芳しくないのでお店に行くのはやめて自前で用意しよう、でも「ばんどうに入ってよかった」と思ってもらえるクオリティは担保しよう、ということで。
庄内緑地でBBQを。

伊勢海老
車海老と鮑



コロナ前はお客様を招いてちょくちょくやっていましたが。これを機に復活させたいなぁ、と。というか、「外でやるガチバーベキュー」もいいけど「店内で座って食べるBBQコース」もありか、と。日焼け嫌って方も見えますし・・・・。
外BBQはこれから梅雨・猛暑の夏、としばらく難しそうなシーズン突入しますが店内で食べるBBQコース的なイベントは・・・そのうちアリかも!と思ってます。近々企画しようかなあ。

面白かった本・漫画

普段こんな書籍紹介コーナーなんて作ってないんですがここ最近、立て続けに「スタッフ・部下」に関する本と漫画で面白いもの読んだのでご紹介。

先に書いときますが1巻、というか主人公の新入社員時代編はめちゃくちゃつまんないです。
ただ、主人公が先輩になったあたりから急に面白く。

昭和・平成世代の「古き価値観」が今の世代には伝えづらいよね、でもその「古き価値観」の全てが「悪しき価値観」ではなく、また令和の法律やコンプライアンス意識が必ずしも全て良いわけではないよね、そのグラデーションの中で年配世代は年配世代で葛藤するし、新人世代もその価値観をうまく選択できる人が生き残りやすいよね、みたいな描写がめちゃくちゃリアルな仕事漫画です。この作者さん、経歴調べてないけどそれなりの年数で社会人経験あるよね?としか思えないくらいには。

これもめっちゃ面白かったです。一定数「言われたことすら言われた通りにできない人」がいるのに皆さんも遭遇したことはあると思いますが、それについて「認知能力の問題」「メタ認知能力の問題」「非認知能力の問題」の3つに原因を分類してそれぞれ解説・改善策の提示をしています。
改善にはまだ至っていませんが少なくとも「あの子たちはそう考えているかもしれないのか」と理解と共感はできるようになりました。

おわりに

そろそろ雲丹がスタートし始めました。また、鮎やじゅんさいなど初夏の食材たちが続々と。
6月もまだご案内可能な日ございますのでどうぞご連絡お待ちしております。
ではでは。

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