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宿泊施設の設備投資の時代は一段落。これからは料理で差別化する時代

(まず、今回のブログの内容はかなり高度な内容です。地域のトップ5%くらいの宿泊施設は読んでタメになりますが、それ以下は読んでもあまり現実味の無い内容と思います。何卒ご理解の程お願い申し上げます。)

設備投資の時代が終わりを迎えつつある

近年、多くの宿泊施設が設備投資を行い、施設の新築やリニューアルによる差別化を図ってきました。しかし、コロナ禍を経た現在、国からの補助金の影響があり、全国各地の旅館ホテルは軒並み設備投資をこの数年で行い、設備投資の効果が以前ほど目立たない時代が到来しています。

かつては「豪華な施設」や「最新設備」が集客の大きな武器でしたが、今やほとんどの施設が一定以上の設備を備えているため、設備そのものが差別化要因にはなりにくくなっています。

その結果、ハードではなく、ソフトの部分での競争が重要な時代に突入しました。


次の戦場は「料理」

宿泊施設が今後勝負すべき分野は、ズバリ「料理」です。

  • 美味しい料理の提供はもちろんのこと、

  • 地域特有の食材を活かしたメニュー開発や、

  • 食を通じた新しい体験の提供が必要になります。

例えば、地元の歴史を感じさせるコース料理や、地産地消をテーマにした特別メニューは、単なる食事以上の価値を提供できます。

しかし、料理での差別化には一つ大きな課題があります。それは、優秀な料理人の確保です。

現在、料理業界でも人手不足が深刻化しており、優秀な料理長の引き抜き合戦が加熱しています。その結果、料理人が辞めてしまうと宿の魅力が一気に失われるというリスクが伴います。

こうしたリスクを考慮すると、単に「良い料理を提供する」だけでなく、安定して料理を提供できる体制づくりが必要になるでしょう。


その次に来るのは「接客の新技術」

料理の差別化が一段落した後、次の競争の主軸となるのは「接客の新技術」です。

これからの時代、接客にもデジタル技術(DX)が活用されることが求められます。特に重要なのが、顧客情報の収集と活用です。

  • 来訪目的、趣向、来訪者構成

  • 滞在中の行動(訪れた観光地や利用したサービス)

  • 過去の宿泊履歴

こうした情報を蓄積し、デジタル化することで、次回の訪問時や今回の滞在期間中にパーソナライズされたサービスを提供することが可能になります。

さらに、AIを活用することで、蓄積した顧客データから新しい提案を自動で行ったり、スタッフに代わって一部の接客業務をサポートすることも現実的になるでしょう。


2025年に向けて今から準備すべきこと

いきなり高額なDXツールやAIシステムを導入するのは現実的ではありません。まずはアナログでの準備から始めるのが最善です。

  • 顧客情報の収集の仕組みを構築する(アンケートやスタッフの聞き取りなど)

  • 情報を管理できる簡易的なシステムを整える

  • 蓄積した情報を元に、新しいサービスの試験運用を行う

これらの基盤を整えておくことで、将来的なシステム導入がスムーズになります。


結論:料理と接客で新しい価値を創造する

宿泊業界は今、新たなステージに突入しています。設備投資の時代が一段落した今、料理と接客の差別化が生き残りの鍵です。

「食」や「接客」の魅力を高め、顧客に新しい体験を提供することで、宿泊施設の価値を再定義する必要があります。これからの時代、地道な取り組みが大きな成果につながるでしょう。


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