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パチンコ業界の巨人マルハンが温泉旅館を買収!宿泊業界への新たな参入の意図とは?

マルハン、旅館業界に進出!道後温泉の大和屋本店を買収

2023年9月30日、パチンコ業界大手のマルハンは、子会社のKITAI resortを通じて、老舗旅館「大和屋本店」の全株式を取得しました。今年4月には「大和屋別荘」も買収しており、マルハンはこれで道後温泉の2軒の旅館を傘下に収めた形です。今後も役員は続投するため、両社の経営は引き続き現地の灯籠のもとで進められる予定です。

大和屋本店の歴史と伝統

大和屋本店の歴史は、1868年に遡ります。もともとは和紙の原料である楮(こうぞ)やミツマタの仲買業を営んでいましたが、明治期に全国へ販路を拡大するため、取引先が宿泊できる場を提供すべく旅館業に乗り出しました。1926年には鉄筋の洋館を建設し、「大和屋本店」として名を広め、第二次世界大戦後も営業を再開して発展してきました。現在の施設は1996年に建て替えられ、客室数は90室を有しています。

マルハンの狙いとは?温泉旅館を買収する意図

パチンコ業界の雄であるマルハンが温泉旅館を買収することは、非常に興味深い動きです。これまでマルハンは飲食店グループや旅行会社などの多角化を進めており、今回の旅館買収はその一環と見られます。もしかすると、将来的なIR(統合型リゾート)への参入を視野に入れて、リゾート運営のノウハウを蓄積する一環かもしれません。

特に、大和屋本店は婚礼も取り扱っている旅館で、通常の観光地の温泉旅館とは異なる運営スタイルを持っています。リゾートホテルではなく、温泉旅館を選んだことからも、マルハンが特に温泉地でのブランド力を強化したい意図があると考えられます。

宿泊業界のM&Aが加速する背景

この10年で宿泊業界は大きく変わりました。かつては個人経営が多かった旅館も、次々と資本力のある企業の手に渡りつつあります。特に、星野リゾートなどが進めている「施設保有と運営の分離」というモデルは、今後も増加していくと予想されます。資本力のある企業が設備投資を行い、独自ブランドやノウハウを持つ運営会社がサービス提供を担当することで、効率的に利益を追求する仕組みが出来上がりつつあります。

今後の宿泊業界に求められる戦略

このような業界の変化に対して、中小規模の宿泊施設も自社ブランドの強化や他社施設の運営ノウハウを学ぶことが求められます。今後、資本力がさらに物を言う時代になるでしょう。そのため、今から自社の特徴を活かしつつ、他施設の運営経験を積むことで、将来に向けた経営基盤を築くことが大切です。

さらに、地方における人口減少や人材不足といった問題も、宿泊業界にとっては深刻な課題です。特に、地方の宿泊施設ではスタッフの確保が困難になっており、労働力の確保も重要なテーマです。今後は、デジタル化や業務効率化を通じて、少人数でも高品質なサービスを提供する取り組みがますます必要とされるでしょう。

まとめ:資本力に負けない宿づくりを目指して

宿泊業界の競争はますます激化しており、資本力のある企業の参入が増えています。こうした状況で、個人経営や中小規模の宿泊施設が生き残るためには、自社ブランドの確立や他社の良い施策を取り入れる柔軟性が必要です。10年後の明るい未来に向け、今から取り組むべき施策を考えることが重要です。


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