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入試古文の文末は「終止形」じゃない!

文の終わりを「終止形」だと思ったらいけません。
句点(。)があると、何も考えずに「終止形」と答える受験生が実に多いのです。
だから狙われるのです。

「係り結び」の罠があると思ってください。
現代の言葉にはない修辞法(言葉の使い方)があるのです。

「係り結び」とは、
文の途中に係助詞「ぞ・や・か・なむ」があったら文末は「連体形」になり
係助詞「こそ」があったら文末は「已然形」
になる文法です。

連体形になるのは、ぞ・や・か・なむ、「連隊旗ぞ焼かなむ」と覚えましょう。
これは、日本に軍隊があったころにできた暗記法です。
つまりその頃から係り結びはとてもよく入試に出題され、
受験生たちは答えを間違えていたのです。

こそ、は、已然形。これは丸暗記するしかありません。

問題の出題者は、
「終止形」と「連体形」が同じ活用をする動詞を狙って出題します。

すなわち!

四段活用・ラ変・上一段活用・下一段活用、です!
しかも、係助詞「ぞ・や・か・なむ」が離れたところにある個所を狙います。
句点を見たら上へ上へとさかのぼって係助詞を探してください。
見つからなくてもイチかバチかで「連体形」。
それくらい、文末が「終止形」であることは入試の出題では稀なのです。

係助詞が「こそ」の時は、活用形で「已然形」とわかることが多いです。
「終止形」と「已然形」が同じなのは、推定の助動詞「らし」だけだからです。
逆に「らし」で終わっていたら、「已然形」の確率がとても高いですよ!

係助詞「こそ」による係り結びは、むしろ
「文末の単語を正しく活用させて答えよ」と出ます。
「終止形」にしてはいけません!
離れた所に「こそ」がないか、よく見てください!
「已然形」に活用させて答えましょう。
係助詞「ぞ・や・か・なむ」も見落としやすいです。こちらは「連体形」ですよ!

ここまでの係り結びの罠をクリアした受験生に、さらにトラップが仕掛けられるのが受験古文の係り結びのイヤらしいところです。

最後のトラップは「結びの語の省略」です!

文末の単語が省略されてしまっている修辞法です。
これは活用しない「名詞」や活用する品詞の「連体形」で終わります。

例)これなむ都鳥。=これなむ都鳥(なる)。

この例文は、
「省略された単語を正しく活用して答えよ」
という出題のされ方もします。

係り結びは、細かいことがまだありますが、
これ以上ややこしい例は受験古文としてもふさわしくないので、これくらいでOKです。

句点(。)があるから油断して「終止形」と答えるな!
「連体形」「已然形」「名詞」を疑え!!

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