奥多摩~沢井~立川 初冬グルメ小旅行
日に日に気温を下げていき、人々に服を多く着させることで冬が自分の存在感を醸し出している。
この手口は厄介で、日本列島はついに北上してしまい、毎年決まって冬の中に取り込まれてしまう。
暖かい布団の中から出られないのは、目覚めた瞬間に顔だけ寒いことに気づくから。
そんなことを思う土曜日の朝。懸命に布団と一体になろうとしていたところ、先に起きている妻が勢いよく寝室の扉を開け放った。
今日は奥多摩に行く予定だった。
僕が住んでいる山麓も都心より寒い。奥多摩はきっとさらに寒くて、案の定寒がる自分を想像する。
今シーズンはまだ袖を通していない暖かいカットソーと、保温性の高いニットを被り、使い勝手のいいナイロンバッグにホカホカグッズを入るだけ詰め込む。
かくして西端東京を出発し、西東京を経由して西端東京(奥地)へと赴いた。
奥多摩Beer Cafe VERTERE
青梅線に揺られて終点の奥多摩に到着。乗客の3割くらいは海外の方たちだった。
僕らの目的地はクラフトビール醸造所のVERTERE(バテレ)。併設されている一軒家ビアレストランは奥多摩駅から徒歩1分。
なんたる神々しさ。後ろ光で姿がよく見えないので、実際に立ち寄ってその姿を確認してほしい。
店内は開放的な空間。テラス席もあるけど、僕にとってビールは暖かかったり暑かったりする空間で飲むべきものです。
タップがたくさん。それにしたって10種類も用意されているとは思わなかった。8番のバナナが気になる。
『バナナを思わせる』
つまり「バナナみたいだな」と思うことで、バナナがないのにバナナを意識せずにいられない。そういうことを言っている。
溜息が出そうなツートーンカラーだ。
左がバナナを思わせるベルジャンストロング。やはりバナナの呪縛からは逃れられなかった。度数が高いのに口当たりはやさしく、スイスイと飲み進められた。一番危険なやつ。
右は妻のリトロ。
ちなみにこれでSサイズ。都区内で飲んだらレギュラーサイズで通用するくらいの量。
フードは自家製ビールの唐揚げとフレンチフライ。唐揚げは赤ちゃんのこぶし大ほどのサイズで、3個で1000円でもいいところ500円。
奥多摩価格最高。
ビールもフードもほかのメニューが気になる。スパイシーホットドッグなんてビールに合わない要素がない。再訪間違いなし。
ビアカフェよりさらに駅前にあるテイクアウトショップにて。
飲みながら奥多摩散策すれば電車の時間を気にしないでいいね!と、ご機嫌な筆者。
ここでは持ち帰りカップビール(500円~)のほか、500ml缶のビールが5~6種類売っている。外国人が店の前で「BEER SHOP?」「FANTASTIC!!」とハシャいでいた。国境を越えて僕も同じ気持ちだ。
奥多摩には1時間半滞在していた。14時にもなると風が冷たくなってくる。
マフラー・耳当て・足首ホカホカになるグッズを装着し、一方で冷えたビールを飲みながら歩くとどうなるか。
答えは敢えて書かないが、皮膚から外側を懸命に温めているのに、体内に直接冷たい液体を取り込むだけで冬が力強くなるな。
散策を終えて沢井へ移動。
小澤酒造 澤乃井きき酒処
我々はここでも即飲酒。
小澤酒造があり、澤乃井の各種(各酒と記していきたい)を破格で利き酒させてくれる。
左半分の説明に目を通し、正しく利き酒する人はどれほどいるのだろうか。僕は③に直行した。
利き酒用のお猪口が100円で販売されていて、2杯目からはおかわり価格でマイナス100円。つまり、ほとんどのお酒を100円で楽しめる。
利き酒という割に結構な量を注いでくれる。
そしてこのお猪口だ。ころんとしたフォルムに沢蟹のイラストがかわいいし、持ち帰れて嬉しい。
この利き酒コーナーはちゃんとしたテーブルと椅子が配置されていて、みんなワイワイやっている。繁盛している大衆居酒屋的な、活気に満ち溢れた雰囲気も良い。
外の売店には、もつ煮や焼き鳥、蕎麦など日本酒に合う料理を取り揃えていて至れり尽くせりだ。ああ、私はこの土地の真ん中に家を建てたい。誰もがそう思うことだろう。
完全に飲んだくれてる筆者。なにせここだけでも4杯飲んだ。500円しか払ってないのに。
16時半になり店がクローズし、すっかり日も暮れたので立川に移動。
立川 スパイスカレー Chichica
もはや僕のnoteでは定期連載となっているChichica。この日の限定メニュー、牡蠣のカレーだ。
シャバシャバのルーにはワカメが入っていて、牡蠣と一緒に口に運ぶと・・もう冬の日本海である。
東映のごとく岩肌に波が打ち付けられる光景が映し出された後、船上のシーンに変わる。
漁師がたくさんの牡蠣を引き揚げ、とれたての牡蠣がアップになったところでホワイトアウトし、牡蠣カレーのアップがフェードインしてくる・・
Chichicaの『海を食べさせるシリーズ』大好き。勝手にいまシリーズ化したけど。
奥多摩のVERTEREの存在も店主から教えてもらったのだった。感謝。
こうして最高の日帰り旅行は幕を閉じた。西東京の底力を感じた一日だった。
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