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3/29 Liberal & Crippleと日常

今年の1月に初めて聴いてから、日常の中で流れる音楽になったLiberal & Cripple。
「宅録ってなんですか?」という質問を投げかけられたら「これだよ!」と迷わず彼の音楽を聞かせるだろう。

そっけないギターと簡素なリズムマシンに、日本語がキラリと光るハスキーボイスのボーカルが乗る。簡単に説明するとこのような感じになる。

しかし、構成している音は簡素だからこそ無駄な要素がない。まず楽曲の中心にドンとあるギターの音が尋常じゃなく良い
コードを鳴らす音のジャカジャカ感が、リラックスした風なのにキレもあって、この音色はありそうでなかった。かなり特徴的だと思う。
宅録の醍醐味ともいえる多重録音でギターが重ねられており、リフやギターソロも堪能できる。このフレーズひとつひとつにもロマンを感じずにはいられない。差し引きも絶妙だ。

そして歌詞。いちリスナーとしては「一見重視していないようで、かなり重視されているのでは?」という印象だ。
囁くように歌うので、語感や耳あたりを優先しているんだろうなと油断していると、次のようなフレーズが耳に飛び込んでくる。

情報で人を刺し殺そうとするな
情報で夢を壊そうとするな
刺し違えてしまったあとは
もうない

Liberal & Cripple / BATS

夕焼けばかりがやけにまぶしくて
俺と音楽はいつまでも盛り上がってる

Liberal & Cripple / Stars Of Someone

遠くに見えるのは、優しさ
厳しさ 故の 楽しさ
近くに見えるのは、苦しさ
優しさ 故の 厳しさ

Liberal & Cripple / Have you seen the ocean?

こうして活字で見ると、歌詞にもヒップホップかと思うほどの濃さのものが詰まっている。

「重視していないかも?」という印象を与えるのは、ギター全般が中心にあってまずそちらに耳がいったり、ボーカルが歌い上げない(ように見せている)からであったりするのだろう。
実際に曲を聞くと、歌詞を押し付けることなく、感情をしっかりと乗せつつもサラリと歌っている距離感がとても心地良い。
誤解をおそれずにいうならば、歌詞もリフのような役割を果たしている瞬間もあると感じた。

まだまだ聞き逃している名フレーズがありそうだ。SoundCloudにも膨大な曲数がアップされている。歌詞もしっかりまとめられている(超うれしい)。

これからも日常、生活の音楽として我が家でLiberal & Crippleは鳴り続けるだろう。

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keiichi
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