冬に食べたいもの
カレーへのアクセスが容易になるよう、親指と人差し指のカーブの部分からスプーンが生えそうな今日このごろ。いかがお過ごしでしょうか。
寒いときっていうのは身体がポカポカするものを食べたくなる。
そうすると僕はまず豚汁が頭の中に浮かぶのだが、豚汁専門店というのは聞いたことがない。
なぜならば彼は通常、脇役だからだろう。
彼が食卓の真ん中にいたり、彼だけで一食が成立するというのは、日常の中であまり聞かない話だ。
しかし、食卓にプラスアルファで彼がいると心から溢れる嬉しいうれしさゲージが4くらいアップする。
今回は、そんな身も心も温まる豚汁を、まったく提供しないお店で食べた素晴らしいものたちを紹介していきたい。
北千住のハンバーガーの名店「サニーダイナー」の看板メニュー、ベーコンエッグチーズバーガー。
店内には西海岸のメロディックパンクやスカパンクなど、常に陽気な音楽が流れている。最高だ。
そして色々なハンバーガーを食べた後でここに戻ってくると「やっぱサニーダイナーがナンバーワン!」となる。
10年前に通い始めてから店員は随分と入れ替わっているが、調理工程が徹底されているのだろう。今回はイマイチだとか、味が落ちたと思ったことは一度もない。
ここのハンバーガーはすべての「加減」が絶妙だ。一つも動かせない味のコンビネーションで成り立っている。
だからといって繊細な感じは全然なく、気楽で開放的な気持ちにさせてくれるのがまたいい。
さて次の食べ物は・・
「カ」で始まるあれだ。あレーだ。
新橋の「カリカル」で、チキンカツカレー。割と写真見たままの味。
創業は1958年で、新橋駅からほぼダイレクトにアクセスできる好立地。
歴史だけで持っているのではない。味でしっかり店を構えている。
シンプルだけど味わい深い。
キック・スネア・ハイハットの3点だけでしっかりとグルーヴを生み出すドラマーを想起させるような、この例えは下手で難しく聞こえたかもしれないけど難しくない味。
退店するときに気づいたナイスな食品サンプルたち。
「デビュー戦は印度カレーにしておくんだった~!」と思ったからまた来たい。
そして最後は今年のカレー8食目。
家と接続したいカレー屋ナンバーワンでおなじみの立川「chichica」だ。
相変わらずの美しい盛りである。
右がマスタードチキンカレー。鼻の奥のほうにスーッ気持ちよく抜けてくるような辛さ。辛さにも立体感があるんだなと思わされた。
左は牡蠣カレー。スパイスを題材に海が表現されてる素晴らしい味。一口食べた瞬間「!!!・・今、海、食ってる!!!となった。
chichicaは固定メニューがキーマだけで、あとはほぼ流動的だ。この先どうなるかなんて誰にもわからねぇ。
元々が「あの味を食べに行きたい」という店じゃなくて、「あの感動を味わいに行きたい」という店だから、もう本当にこのまま店主の心ゆくままやってほしい。僕から言うことでもないのだけど。
この調子で、引き続き美味しい食べ物を体験していきたい。豚汁とかね。