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ブラックコーヒーが飲めるようになった日

初めてコーヒーを飲んでみたのが中1。

すごく背伸びをしたかったのだろうし実際していた。

だから両親の飲むコーヒーを僕も飲んでみたし、それ以降大学生になるまで口にしないほどに美味しくなかったのも覚えている。

大学生になると大人っぽい人が必然と多くなるわけで、その中で埋れたくない僕が大人っぽい事をしないわけがなかった。

トラウマに近いほど苦く刺激的なコーヒーを飲む訓練を始めた。

砂糖やミルクを入れるのは軟派だと勝手に決めつけて、ブラックコーヒーしか飲もうとしなかった僕はかなりバカだったと思う。

ただ2週間ほど経っても一向に美味しく感じないしむしろ日に日に苦痛になっていた。

僕はコーヒーを好む大人達になぜそしてどうやってコーヒーを飲めるようになったのかを聞いた。

様々な答えがあったが一つ分かった事はみんなコーヒーそのものも好きなのだがそれよりもコーヒーを飲む時間を楽しんでいる事がわかった。

例えば仕事の前に飲む朝のコーヒーは落ち着くし気合も入るとか、友達と話をする時にコーヒーを飲んでゆっくりとその時間を楽しむとか。

そして飲めるようになる方法はいつのまにか慣れるという事だった。

みんな初めは我慢して飲んでいた事がわかったのは大きな収穫で、僕だけが子供っぽいわけではないと分かったのはハッピーだった。

そして訓練ではなく、少しの砂糖を入れる事を受け入れて、朝学校の前やお昼に友達と喫茶店で飲んだりと繰り返してるうちにいつのまにか砂糖がなくても飲めるようになっていた。

結局いつのまにか飲めるようになるので、飲めるようになった日など覚えてないけど、コーヒーの時間がある生活は前よりなんだかいい気がするのでそれでいいかなと思う。

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