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美味しい卵かけご飯の作り方

僕は非常に怠け者で面倒くさがりで食へのこだわりがない人間なので三日間三食全て卵かけご飯で済ませた事もある。

そんな事をしていると流石に卵かけご飯に愛想が尽きてくるので、せめてもの温情で作り方を試行錯誤する事にした。

まずは先に醤油ご飯をつくるやり方。
これは非常にシンプルで醤油とご飯を混ぜ込んだ後、溶き卵を混ぜてそのまま飲み干す。

普通だった。

次に考えたのが醤油ではなく納豆のタレを使う方法。

納豆が余った。

そして万策が尽きた。

シンプルすぎると工夫するのも大変だと身に染みた。

しかしながら挫けずに、卵かけご飯へせめてもの情けとしてもう少しだけやってみようと良心が囁いた。

思いついたのは卵の黄身だけを使う方法だった。
家の卵は安物なので黄身が小さい。
その為贅沢だが二つ使うことにした。

美味い!

しかしコスパが悪いのと白身を無駄にしてしまい納豆の件も合わせて、母に食べ物を粗末にするなと白身と納豆を食べながら講釈頂いたので反省し無駄を出さない方向で調整して行くことにした。

無理だった。

元々食にこだわりがなく、料理をすることもない若造にアレンジなどと言う小賢しい真似は出来ない芸当だった。

僕と卵かけご飯の関係はここで終わりだと誰もが思うであろう挫折だった。

クックパッドは偉大である。

調べれば山のように出てくるアレンジレシピで僕と卵かけご飯はまるで新婚一年目の夫婦のようなイチャつき具合だった。

ある日はキムチ卵かけご飯。ある日はツナ卵かけご飯。ある日はめんつゆ卵かけご飯。ある日はチーズ卵かけご飯。

しかし楽しい時間はあっという間に過ぎる。

卵かけご飯にチーズをかけているときに気づいた。

これは卵かけご飯をもはや卵かけご飯と見ていないのだと。

卵かけご飯というご飯にチーズをかけているだけではないかと。

ウインナー卵かけご飯なんて卵かけご飯の上にウインナーを乗せただけではないかと。

僕はしばらく卵かけご飯との距離を置くことにした。

一般的に距離を置くというのは関係を悪化させないという保存療法だ。

僕らの関係はチャーハンを食べるときにお互いの事を思い出す程度になっていた。

そして今日だった。

朝どうしても時間がなく早く出なくては行けなかった。

今しかないのではないかと頭をよぎった。

今しか卵かけご飯を食べられる時はないだろうと。

炊飯器には1の文字が浮かんでいる。

炊き立てだ。

最高のコンディションであるし、状況も卵かけご飯が最も最適だと誰もが思う。

意を決して小賢しい真似はせず、一杯のご飯に卵をかけ醤油を倍の4回し入れた。

20秒で飲み干した。

やはりこれだと確信しながら僕は飛ぶようにして家を出た。

美味しい卵かけご飯の作り方

醤油をいっぱい入れよう

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