家にいるぬいぐるみ達の話
僕は成人した男性であり、少女的趣味は無いことを先に弁解しておく。
そしてぬいぐるみを集める趣味もない。
ただ昔から我が家にまるで家族の一員であるようにして鎮座しているぬいぐるみが三体いる。
クマとヒツジとよくわからない謎のモジャモジャした三体。
クマが我が家にやってきたのは明確に覚えていて1番下の妹の一歳の誕生日だった。
彼はぬいぐるみを含めた我が家で1番の新入りで1番下の妹の良き添い寝相手として活躍した。
今では妹達のベッド片隅で彼女達の安眠を見守っている。
ヒツジはおそらくメスだと思われる。
ヒツジなのにスカートを履いているしまつ毛も長い。
そのミスヒツジは大きい方の妹のいつかのプレゼントだったと思う。
彼女はぬいぐるみ達の中で最も大きく存在感がある。
そして白かったであろうその長い毛は今では所々にシミがあり全体的にクリーム色というか茶色に近づいている。
ただそれでも彼女は抱き心地が良いし、僕はよく彼女を体に巻きつけて寝転んでいる。
あとは謎のモジャモジャの奴。
おそらくは実在しない生き物を創造したのだろうし、ただそれはそれで中々愛らしい。
奴は僕が四〜五歳の時にゲームセンターで取ってもらってからずっといる。
その時の僕のセンスは既に少し良くない方向へ向かって行ってたのだろう。
まあそれでも奴は中々良い奴でボールみたいだから投げても遊べるし、お腹に入れて母親の真似もしていたし、弟と僕と奴でよく遊んだものだった。
奴は弟よりも長くこの家に居るのでなんだかんだ僕は1番気に入っている。
奴は今は常に僕のお尻にひかれているが多分喜んでいるだろう。
そんな我が家のちょっと匂うぬいぐるみ達の話。