バナナ伯爵

40代の独身おじさんです。読んだ本、鑑賞した落語・文楽・映画などの感想を綴ります。

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最近の記事

火焔太鼓 古今亭志ん生

1番人気のある昭和名人と言っても過言ではない志ん生師匠。最初はちょっと苦手でした。高い声で早口な喋りが私には聞き取りにくかったです。でも火焔太鼓を聴いたとき「うわ、凄くおもしろい」と思いました。奥さんに言い込められた道具屋の主人が殿様の屋敷に向かう道中にブツブツ文句を言いながらどんどん腹を立てていく感じが可笑しくて何度も聞きました。志ん生師匠は落語も素晴らしいですが、エピソード話もほんとうに面白くてご著書の「なめくじ艦隊」も笑いながら読みました。もはや生き方が落語です。

    • 胴乱の幸助 桂米朝

      上方落語中興の祖と言われる関西の人間国宝。上品で明るく楽しい私の大好きな師匠です。上方落語で私は特に浄瑠璃ネタが好きで米朝師匠の落語を聴いて文楽にハマりました。動乱の幸助は娯楽に興味がなく喧嘩の仲裁ばかりを楽しみにしている割木屋の主人が義太夫の稽古場で「桂川連理柵」の一節を耳にして、いま実際に揉めている話と勘違いして京都まで仲裁にいく面白い話です。私はとくに稽古場の場面が大好きで何度聞いても飽きません。長い話ですがあっさりしたオチも落語らしくて好きです。米朝師匠の高座は一度だ

      • ラーメン屋 古今亭今輔

        5代目の今輔、「お婆さんの今輔」と言っても令和の時代では通じないけど笑点の歌丸さんの師匠というと「へー」となるかも。新作落語の名手でお婆さんを演ると大変上手い。中でも私は「ラーメン屋」という人情噺が好きです。子宝に恵まれなかった屋台のラーメン屋を営む老夫婦と貧しい青年の話でなんとも言えない味わいがあり、可愛らしいお婆さんが良いです。またこの落語を聞くとラーメンが食べたくなります。昭和時代の古典落語と言ってもいいのではないでしょうか。新作で有名な師匠ですが「ねぎまの殿様」など古

        • 鰍沢 三遊亭圓生

          江戸落語では一番好きな師匠です。私が2歳のときに他界されましたが、一度高座を見たかったです。品行方正で様子がいい。白湯を啜る音まで上品に聞こえる。とにかくカッコイイ。「鰍沢」は学生の頃にテープで聞いた時は勉強不足でわからない事が多かったです。主人公が日蓮宗信徒なのでその辺りの語彙が不可欠になってきます。サゲは駄洒落でしょうもないけど雪深い身延の山を遭難しかかって、火にあたり温まっていく様子が何度聞いても見事です。また圓生師匠が演る悪女は色気と凄みがあって素晴らしい。

          茶の湯 三遊亭金馬

          久しぶりに3代目三遊亭金馬の茶の湯を聴きました。金馬師匠の落語は本当に聞きやすい。「楷書のような落語」とはよく言ったもので一言一句きれいにお腹に入ってくる。もし初めて落語を聴く人には江戸落語入門としてはオススメの噺家さんです。うるさ型の落語評論家には色々言われる金馬師匠ですが私は大好きです。さて表題の「茶の湯」、私が初めて聞いた金馬師匠の落語です。ご隠居と小僧さんのやり取りだけでも面白いのに、豆腐屋・大工の棟梁・手習いのお師匠さんと楽しい登場人物が続々登場。茶道という上品な趣

          茶の湯 三遊亭金馬