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琅琊榜 第十七章 翻手为云

2024年11月4日

「変化無情」
原題の直訳は「雲を手に変える」。

このタイトル、実は次の章の題名
「覆手为雨」と繋げて
「翻手为云、覆手为雨」
と一つの言葉になるそうです。
意味は同じで「変化無常」「諸行無常」
つまりは、常に変化し続ける、
と言う意味になります。
意訳の方が素敵かな?
意味は通じませんが(^^;)

ドラマで言うと、9話 見切り時
でしょうか。

◎◎◎◎
あの夜の雪は、とぎれとぎれ
引き裂かれた綿毛のように
3日間降り続いた。
蘇哲は雪の中をひっそりと新居へ
移り、誰にも知らせなかった。
しかし、何日も経たないうちに
知るべき人はみな知っていた。
◎◎◎◎

穆王府、誉王府からいくつもの
祝いの品が届く。
宮中からも届き、
どうやら景寧公主が力を添えたらしい。
掌鏡使・夏冬は手ぶらで訪れ、
ぐるりと一周し、
「庭園は見られたもんじゃない」
と言ってすぐに去った。
  ※手ぶらで来て辛辣…面白い(´ー`)
でも訪れた人は皆んな、
言わないだけで
心の中でそう思ってた様です。
蒙挚が選んだ屋敷だと知っていたから。
     ※そんな趣味悪いの…?(^^;)
ドラマでもあったけど…
蕭景睿、謝弼、言豫津はお祝いに
来ましたが、以前のような和やかな雰囲気は
ありませんでした。
梅長蘇はこの機会に、
3人で虎丘温泉に行って
何日か滞在するように勧めます。

すると、使用人がやって来て、
誉王が来たことを伝えます。
謝弼は梅長蘇に側門から帰る旨を伝え、
3人とも誉王と顔を合わせないように帰りました。

梅長蘇は影壁の前で誉王を出迎えます。
誉王はお世辞で
「中庭は広くて、素朴な趣がある」
と言いますが、
梅長蘇は心の中で失笑していました。
誉王は梅長蘇が描いた絵を褒めます。
それは庭園の草案でした。
その時、梅長蘇は蘭園の様な驚くような事が
この家に起きなくて良かったと言います。
梅長蘇が自分からこの話題を出したので、
誉王は心の中で喜びます。
誉王はこの事案はすでに京兆尹・高昇の手を離れ、
証拠と証人も刑部に移ったと伝えます。
その得意げな様子に
梅長蘇は、思わず心の中で笑いました。

高昇はこのやり方を真似て、
楼之敬の事案も審議をすぐに停止し、
そっくりそのまま刑部へと移したのでした。

一つの事案は誉王にとり不利で、
もう一つは誉王にとり、大きな利があります。
楼之敬の事案を、江左盟の復讐と思っている
誉王は、梅長蘇が原告で無いにも関わらず、
「先生、安心して下さい」
と梅に向かって言います。

誉王はその後、慶国公の事案に触れます。
靖王が三司の取りまとめ役になっため、
困惑していると。
靖王は融通が効かないから、
この事案で自分に遠慮はしないと言います。
梅長蘇は郡主の件で靖王に貸しがあると
指摘しますが、靖王はそんな事では動かないと。
何とかしたいがどうすれば良いか問いますが、
梅長蘇は懸鏡司が証拠を掴んでいるため、
証拠のでっちあげなど不可能なことを告げます。
その時に梅長蘇は誉王に言った言葉が面白いです。
「殿下、昨夜就寝されてから
まだお目覚めではないのですか?」と。
   ※寝言いってんじゃねぇ、を丁寧に言ってますね笑
そして、これは陛下がどうしても
解決したい事案だから、
余計な口出しをせず、
慶国公は諦めるように言います。

梁の制度では、文臣と武臣は明確に分けられており、皇室とその親戚を除いて、
文臣は侯に封ぜられず、
武臣は政治に参加出来ません。
一品以下は文と武の兼職も出来ません。
文臣が位を上げる手段は試験で、
武臣の位は武功を見ます。
武功を経て一品に昇級し、
侯に封ぜられるか、師を拝命すれば、
武臣はその制限を受けません。
大梁の中でこの資格を満たす武臣は
5人しかいないそうです。
その5人の中で誉王を支持するのが慶国公、
皇太子を支持するのが謝玉です。
残りの3人はその身を外に置いている様です。
だれが勝つか見極めがつくまで、
特に支持を表明しないつもりです。

誉王はどうしても'麒麟の才子'である
梅長蘇を手に入れたいと思うようになっていました。
誉王は秦般弱から「もし梅長蘇を配下に加えたいのなら、猜疑心は捨て、全霊で彼を信じること」
と言われてから、
籠絡して配下に加えるのを止めました。
誉王は、自分が梅長蘇のお眼鏡に適ったのならば、
誉王府の門はいつでも開いているのでお起こし下さいと告げます。
そのな大袈裟もっともらしい言い方に、
梅長蘇は心中感動したと言う表情を
わざと作り出し、
それはとても自然だっため、
梅長蘇の表情を伺っていた誉王を
大いに満足させました。

梅長蘇は、誉王が辞去する際に、
「お邪魔した」と言ったあとに、
こんな事を言います。
「殿下は清貧の家柄でも無いのに、
自らこの屋敷に足を運んでいただき、
'邪魔した'との言葉、
どうして受け入れられましょうか?
もう日暮れ近く、
本来なら酒を以って
お引き留めしなければならないところですが、
殿下はお忙しく、
余暇の時間も少ないことでしょう。
蘇はとても言い出せませんでした。
 ※引き留める言葉を、と言う事だと思います
茶一杯のみ、周到なおもてなしも出来きず、
どうかお許し下さい」
と言いながら手で辞去を促しました。
これには誉王も困惑し、
早く帰って欲しいのか、
引き留めたいのか、
真意を測りかねました。
   ※気がついて、早く帰って欲しいのよ!
この嫌味が分かるくらいの知恵者しか付き合えないんだって!(^^;

梅長蘇は更に誉王を門まで送りながら、
慶国公事案の指揮を取る
靖王を支持するよう勧めます。
各地で似たような事案が次々と起こされている今、陛下が掲げた'農耕民の安定'の国政を確立することが、靖王の気持ちを動かすと。
謝玉を有する皇太子に平衡する力を持つには、
靖王が必要だと。
靖王は慶国公が2人居たとしても、
半分にも満たないと。
靖王は御し難いと言う誉王に、
皇太子には寧国府が着いており、
この力と対抗するには靖王以外あり得ないと
たたみかけます。
 ※般弱に絶対的な信頼を置けって言われたからね!
なんだかんだ実は足を引っ張っている、般弱…

誉王は、靖王を引き入れても、
いざ彼を用いようとしたとき、
その'派兵'を聞き入れないのでは無いかと言います。
その一言を聞いた梅長蘇は…
◎◎◎◎
梅長蘇は徐々に体の向きを変え、
誉王の目を直視し、
とてもゆっくりと尋ねた。
「殿下が考えている軍の掌握とは、
何のためですか?
(皇帝に)退位を迫る為でしょうか?
それとも謀反でしょうか?」
誉王は大いに驚き、
思わず四方を見渡し、怒って言った。
「先生は何を言い出すのですか?
私にその様な気持ちがあるのならば、
天地が許さないでしょう。」

「退位を迫るわけでも、
謀反でも無いのであれば、
どこから'派兵'の二文字が出てくるのでしょうか?」
梅長蘇の声はまるで氷の様だった。
「靖王の役割りは、抑止力です。
皇太子側に謝玉がいる限り、
また幾人かの一品侯が加わったとしても、
数のうち入りません。
殿下側に靖王がおり、霓凰郡主がいて、
陛下が考慮するのは
殿下と皇太子の軍力が
少なくとも拮抗することです。
ですから(皇太子の軍力を)
下回ることは無いでしょう。
臣下の道を反しない限り、
全てはただ駆け引きの手段でしかなく、
陛下へ示す必要があるだけで、
本当に用いる必要は無いのです。」
◎◎◎◎

誉王は、この言葉を聞いて
こんな妙案はお抱え謀士達から
出て来た事がないと思いました。
皇帝には御林軍があり、
金陵城は蒙挚の管制下にあります。
基本的に軍による謀反など可能性は無く、
ただ静かに力を示すだけでいい。

◎◎◎◎
梅長蘇は彼の心が動いたことが分かり、
口角を少しだけ上に引き上げ、
軽く付け加えた。
「一万歩下がって申し上げましても、
皇太子が何か事を起こそうとし、
陛下に危機が及んだ時、
靖王の真っ直ぐな気性であれば、
殿下の派兵など必要もなく、
対抗するのではありませんか?」
◎◎◎◎

こう話していると、
ちょうど屋敷の門に到着します。
誉王は輿に乗る前、
梅長蘇をわざわざ門の外に来させてから、
親切そうに肩を撫で、
「先生のお身体は良く無いので、
風に当たらない様にして下さい」
と言います。
梅長蘇は彼を見て、心の中で
『明らかに自分で外に引きずり出したのに、
何を良い人ぶっているのか』と思いつつ
笑顔で別れの挨拶をしました。
「本当にここの風は冷たいです。
殿下も早く輿にお乗り下さい。
蘇は遠くまでお見送り出来ません。」
と言いました。
  ※誉王、人に対して親切にしたこと無いんだねぇ。この嫌味も分からないだろうな…

◎◎◎◎
梅長蘇は輿の入り口の布が閉じられると、
すぐに身を返して屋敷内に入り、
影壁の奥へ回り込み、
毒を吐き出すそうとするかの様に、
深い呼吸を繰り返した。
◎◎◎◎

心配した飛流が来ます。

◎◎◎◎
「蘇哥哥…」
飛流は首を傾げて目を大きく見開いた。
その目は思いやりの色で一杯だった。
「なんともないよ」
唇から笑みが自然に溢れた。
少年の手を引き、
「さっき毒蛇と遊んでやったんだ。
遊んだ後に、思わず吐き気を催したんだ。」

「毒蛇⁈」飛流はすぐに警戒し、
毒蛇を探し出そうと、
素早く四方を探った。

「もう逃げ出したよ」
梅長蘇はたまらず笑った。
「大丈夫、
蘇哥哥があの蛇と会ってから
もう長いんだ。
どこに毒があるか分かってるから、
咬まれる事は無いよ。」

「咬むの許さない!」

「そうだな、僕たちには飛流がいる。
誰も僕を咬めないよ。」

梅長蘇は少年の頭を揉みながら、
声は徐々に低く重くなり、
「それに…蘇哥哥は…
もう毒蛇に変わってしまったんだよ…」

飛流は美しい眉毛を寄せて、
梅長蘇の話の意味は
分かっていなかったけれど、
その中に悲しみを感じ取り、
すぐにに近寄って
力一杯あたまを振り
「違う!」

梅長蘇はハハと笑いながら少年の背中を撫で、
言った。
「分かった、分かった。
違うな…部屋に戻ろう。
明日、蘇哥哥と一緒にお出かけだ。」

飛流は頷きながら、「ん!温泉!」

「違うよ。温泉じゃないよ。」
梅長蘇には飛流がなぜ温泉と言い出したか
少しも不思議では無かった。

笑いながら彼の頭の雪を撫でて落とし、
「まだあの木彫りの鷹を失くしてないだろ?
明日は庭生に会いに行こうか。」
◎◎◎◎

また長めになってしまいました(^^;)
梅長蘇が誉王を上手く丸め込んだのが
面白過ぎて…ドラマでも描いてましたが、
文字で読むと一味違っていたので、
つい力が入ってしまい…(≧∀≦)
誉王が梅長蘇に取り入ろうとしてますが、
梅長蘇は歯牙にも掛けて無いところが
面白すぎます!
そして、それを彼は気がついてないと言う…

毒蛇、出ましたね!!
最後、梅長蘇が可哀想で泣きそうになりました。
飛流が側に居てくれて本当に良かった…(;ω;)

最近やっと、なぜ梅長蘇が飛流を
可愛がっているか分かりました。
きっと、飛流が純真なので、
人付き合いを深く考える必要が無いから
なんですね。
蒙哥哥にも本来の自分を出すことが
出来ないですし、
江左盟にとっては宗主ですから、
ある程度威厳を示さないと
いけませんし…
読んでいてなかなか切ないですが、
飛流とのシーンは心温まる事が多いです。

次の章も長くなりそう。
靖王が出てくるし、
色々絶妙にツボを突いて来る
シーンが出てくるので(^^;
1日一章更新を目指していますが、
明日はさすがに挫折しそうですTT

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ばなな
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