琅琊榜 第十一章 惊魂截杀
2024年11月3日
「取り乱した心を断ち切る」
かな??(^^;)
ドラマだと6話 主従の原則 の 1部
7話 廃園 の 1部
かと。
郊外の草原で馬に乗る景睿と豫津。
景睿は普段は温厚な性格ですが、
蘇兄に怒り、無茶して騎乗したまま
川へ入り、豫津を驚かせます。
豫津は何とか景睿を引き戻し、
景睿は草原に寝転び頭を草に埋めます。
豫津はその腹を軽く蹴りますが、
景睿は一言も発しません。
◎◎◎◎
「本当にお前は仕方のない奴だな」
豫津は彼の傍らに座り、
草を一本引き抜いて咥えた。
「お前は小さい頃から度量が大きい事を
装ってきただろ?
蕭のご子息が寛大なことは誰もが知ってる。
人に優しいことも、
得難い謙虚な君子だって事もな。
なのにいじけてこの騒ぎ。
蘇兄は何も言って無いのに
なんで怒ってこんな事になってるんだよ?」
景睿は勢いよく身を翻した。
顔は緊張した様子で、
双眸は真っ直ぐ天に向かって見開かれていた。
「背中を干したら、次は腹か?」
豫津は笑いながら横たわり、
手に持った草で彼の耳をくすぐった。
「靴も濡れただろ、脱いで一緒に乾かせよ」
「あっち行け、邪魔するな!」
景睿は彼の手を払った。
豫津は眉毛をつり上げ、
「おい、自分で分かってるだろ?
俺はお前に八つ当たりされる理由はない。
別の友達に腹を立ててるんだろ。
俺をその代わりにするなよ。
人の穴埋めをする習慣は無いんだ!」
景睿は体を起こし、怒って彼を睨みつけた。
「何を言ってる?」
「俺を睨みつけたら怖がるとでも?」
豫津は睨み返しながら、声を一層高くして
「怒ったって何の価値もない。
蘇兄は何でもかんでもお前に話す必要は無いんだぞ?
たった一言 '君には関係ない、質問は無しだ'
で怒るか?」
「俺は友だちと思ってるのに、
彼は俺たちを何だと思ってるんだ?」
豫津は何回か笑って、斜めに親友を見た。
「景睿、今の今まで蘇兄が
俺たちと交流したくて、
その上病気の治療のためだけに
金陵に来たと思ってるのか?」
「俺は…」景睿はしばし言い淀み
「もちろんそんなに鈍感じゃないさ。
ただ、我々にはもう少し誠意と信頼を寄せてくれてもいいんじゃないか?」
豫津は冷笑して言った
「蘇兄の将来的な役回りを考えたら、
誠意と信頼は1番不要なものさ。
こっそり謝弼に聞いたんだが、
あの時言ってた ’麒麟の才子' は
元々琅琊閣が言い出した事なんだ。
皇太子と誉王が奪い合う原因はここにあった。
考えてもみろよ、蘇兄の能力と江左盟の勢力から見るに、
金陵に到着してやっと
この件をやっと知るなんてこと、あり得ないだろ。」
「分かってるさ」景睿はため息をついて、
「蘇兄が金陵に来たのは何か目的があるって事くらい。
でもあの件は自ら動いた訳じゃないだろ。
皇太子と誉王の勢力は一つの江湖の徒党団と拮抗するものじゃない。
加えて蘇兄の博学ぶりと才能、機略と善断、
確かに '麒麟の才子' の誉に相応しい。
将来本当に主を選ぶなんてことあるのか?
もちろん何も悪いことじゃない。
男は立身出世を目指すものだし、
功績を上げて事業を起こし、
名を世に知らしめる事を考えない事は無いだろ?
俺にもお前にも見て取れるように、
常に江左盟にも気を配っている。
もし金陵で成功したら、
江左盟が朝廷の支持を得ると言う事じゃないか?
彼の目的の一つはそれでは…」
「じゃ、お前はどうするんだ?」
豫津は深々と彼を見て、
語気は徐々に伶俐を含み
「景睿、蘇兄は明らかに皇位争いに足を踏み入れたんだ。
何も不安を感じないのか?」
◎◎◎◎
◎◎◎◎
「景睿、お前も分かってる通り、
蘇兄と俺たちは違うんだ。
彼の心はとても深くて、底硬い。
心の中で何を思っているのか、
俺たちが分かりようもない…
最近の彼は金陵に着いたばかりの頃とは違う。
病気を療養しに来た蘇兄とは違うんだ。
彼の頭の中に半分も俺たちの事を考える余裕は無いさ。
もし以前と同じように熱心に親友であろうとするなら、
きっと将来割を食って傷付くのはお前だ。分かってるか?」
「豫津…」
「親友として話したんだからな。
今から自分に言い聞かせろ。
蘇哲はただの旅の道連れ(萍水相逢:へいすいあいあう)。
深い交流の無いただの友達。
お前と共に金陵に入り、
家の客院を貸している、それだけ。
もしこの話に障(さわり)があるなら、
蘇兄は底が見えない人間。
お前でもいい、俺でもいいさ、
俺たちが無限に広がった景色の様な存在だったとしても、
彼の知己になる資格は無いってことなんだ」
景睿は、今まで豫津が見たこともないくらい厳粛で
真面目な表情をして、思わず黙り込み、
頭を落としてしばらく考えた。
思いを巡らせると確かに間違っていないと思えた。
しかし人と人との間のお互いの微妙な感覚は、
二、三言で言い尽くし、明瞭に区別がつくだろうか?
「よし、話は終わりだ。ゆっくり考えるんだな」
◎◎◎◎
2人は気を晴らそうと、妙音坊へ十三先生の新曲を聞きに
行く事にしました。
馬に乗った豫津が足に違和感を感じ、
靴に刺さった小石を抜き、草むらに投げ込みます。
投げ込んだ先からガサゴソと音がし、
1人の人物が起き上がります。
豫津は盗み聞きしていたのか問いますが、
その人物は後から来たのに何を言ってるのかと一蹴します。
その風貌は、
◎◎◎◎
彼は簡単な赤みがかかった灰色の絹の長衫(丈の長い服)に身を包み、背は高く、髪は上下に分け、上側のみ結んでいる。
双眸は深淵で、笑っているようにも笑っていないようにも見える。
明らかに青年の美しい顔立ち。
額際には一筋の白髪が見え隠れしており、
それが幾分優しさを添えていた。
◎◎◎◎
長衫とは・・・
↓
长衫 - 検索 画像
※カッコいい・・・こんな服に合う人になってみたい!
チビには無理(-_-;)
文章では彼とありますが、
遠くから見ると、男性か女性か判断がつきません。
景睿と豫津も、兄が姉かで揉めます。
豫津は兄と見定め、「秋兄!」と駆け寄り
抱きつき、秋兄と呼ばれた人物も豫津を抱きしめますが、
その瞬間、邪な笑顔を見た景睿は姉の方だと悟り、
叫びます。「豫津逃げろ、夏冬姉さんだ!」
警告は間に合わず、豫津は両腕を締め上げられ、
身動きが取れなくなってしまいます。
豫津は景睿に助けを求めますが、
景睿は夏冬に牽制され、身動き取れません。
※夏秋と夏冬は双子です。
※男女の双子はそんなに似てないと思いますが、
小説なので^^;
17年前、皇帝は急に思い付き、
三品以上の管員の5〜11才の息子を
「樹人院」に集めて掌鏡使に訓練をさせました。
夏春、夏秋は指導は厳しいものの、
もともと温厚な性格のため、
子供の能力に応じて訓練を行いました。
夏冬は当時20才で、
掌鏡使としてひとり立ちしたばかり。
皇家に恩返ししようと血気盛んでした。
夏江に習ったように、「幼犬」を「調教」しました。
豫津はこの時5才。
夏冬を見ると霜が降りた葉のように丸まってしまう。
この反応はまだ改善されてない。
景睿は夏冬から受けた指導が短いため(謝家と卓家を行き来していたため)、豫津ほど深刻ではない。(反論くらいは出来る)
豫津と景睿にとって、夏冬は論争する気にならない人。
ドラマとは違う再会でしたが、
この後はドラマと似た感じで進みます。
3人は一緒に金陵へ向かいます。
途中、夏冬を追って来た刺客に襲われ、
怪我をしていた夏冬は戦いの最中倒れます。
景睿と豫津は懸命に夏冬を守り、
とうとう刺客の頭目が夏冬を襲います。
が…なんと夏冬は起き上がって
頭目を打ち倒します。
自分を囮に使い、頭目に慶国公に関する情報を白状させるために、
生捕りにしたかったのです。
自殺用の毒を口から取り出すのも同じでした。
顔に一発喰らわせるのも。
口を割らせるために、腕をへし折ったりします。
景睿は容赦なく拷問する夏冬に
この拷問は効果あるのか思わず尋ねてしまうほどです。
ところが、肝心の情報を聞き出す前に
唇の下に塗った毒を舐めて頭目は死んでしまいます。
「これで終わりではない」と言う言葉を残して。
夏冬は自分が仕掛けた罠が無駄になり、
苛立ちを隠せません。
夏冬は豫津が言った「素晴らしい女性」に反応し、
郡主の婿取りがどうなったか尋ねます。
まさか夏冬が郡主に関心があるとは思わず、
驚きます。
2人に、「彼女は珍しい女性よね、早く嫁げば良いのに。
10年前に陣営でも話したけど、
嫁いだらすぐに親友と認めるんだけど。」
と語ります。
豫津は「それはどうして?女性の間での友情は
相手が結婚したか・してないかを見るものなの?」
それに対して夏冬は冷たく返します。
「貴方たちは子供ね。詳しく事情を知らないでしょ?
どちらにせよ、貴方たちには関係ないこと。二度と聞かないで」
「子供?」豫津は叫びます「郡主は僕たちより何歳上だと思ってるの?」
「過去になるのは思いのほか早いもの。一年が一生に変わる時もある。」
夏冬はじっと前を見つめ、顔は少し蒼白をおび、
いく筋かの髪は首に張りついている。
気持ちにあまり変化は見られないが、
全体的に幾分弱さが増したのを感じさせた。
「当時の彼女ははっきり分かってた訳じゃなかった。
けど、彼女は当事者だから、そこから抜け出せない。
でも貴方達は違う…完全に門外の人間。
過去はまるであの深い山で雪に封じ込められた様なもの。
無関係な人間は入り込むことは出来ない。
ただの好奇心だけで追求する必要がある?」
2人は話の意味が分からなかったけれど、
もう2度と尋ねたりしないと決めた。
豫津、ここでも夏冬に霓凰が自分を見てくれないことを言う。
「僕のどこが悪いのかな?なんで真面目に考えてくれないんだろう?」
夏冬は、貴方は良い子だけど、
霓凰にはやっぱりちょっと幼いんじゃないか、と言う。
彼女のお眼鏡に叶うのはもっと成熟した男性だろうと。
豫津はそこで、「何年か早く生まれてたらな、
…もし蘇兄と同じくらいの年齢だったら、
郡主もきっと弟の様に接しないだろうな…」
と言います。
景睿は蘇兄の名前を出したことを
たしなめます。
夏冬は草原で2人が話していた梅長蘇に
会いに言って知り合いになる、と言います。
※今都で一番話題の人間ですしね。
掌鏡使としてはどんな人物か把握しておきたいでしょうね!
金陵に向かう時、
馬は2頭、人は3人。
夏冬は1頭を独占、
有無を言わさず、
景睿と豫津は2人で1頭に乗る事に(笑
◎◎◎◎
豫津は手綱を引っ張り身を翻して馬に乗り、
景睿は続いて飛び上がって豫津の後ろに跨った。
この時、陽は既に西に傾き、
馬が微かにいななく中、
3人を乗せた馬はその影を長く伸ばしながら、
王都に向けて疾走して行った。
◎◎◎◎
次はいよいよ、夏冬が梅長蘇の元を
訪れます。
この章がまた良くて…
長くなりそう。
夏冬は凶暴で強いですが、
女性なので微に入り細に入り、
と言う感じかします。
同じ武闘派でも蒙摯と違うのはこの辺りかな・・・
やっぱり同じ武闘派女性の霓凰と気が合いそうです。
豫津、友達思いですね。
これから起こることを予見しているような
忠告でした。
※作者のフラグとも言う(笑
意外と冷静に人を分析してますね・・・
さすが言侯の息子!
今回の題名は、景睿の心境ですかね。
あの日の事件を読みたいけど、
原作の景睿がどうなるかちょっと怖いです(;^_^A