琅琊榜 第十五章 智珠暗握
2024年11月4日
「聡明叡智」(そうめいえいち)
タイトルを直訳すると、
「知恵の玉を密かに握る」
ですが、四文字熟語でこれを表せないかなぁ、
と思って探してみました(^^;)
合っているかは、わかりません!
ドラマだと 7話 廃園
8話 深夜の訪問者
のそれぞれ一部でしょうか。
今回も長くなりますーーー(;^_^A
皇太子の金庫番である、
戸部尚書の楼之敬の
蘭園事案が発覚してから、
何日か誉王は気分良く過ごしていました。
ところが、
とんでもない事件が降りかかってきます。
息子・何文新が文遠伯爵の息子、
邱正平を殺してまったと、
吏部尚書の何敬中が
誉王に助けを求めて来たのです。
これ以降はドラマと同じで、
京兆伊府の衛兵たちが屋敷まで来て
門を開けろ、犯人を引き渡せ!
と大騒ぎをしたので、
この事案は都中に広まってしまいます。
誉王は吏部尚書として
今まで何人もの官員を裁いて来たのに、
不出来の息子の存在が
墓穴を掘ってしまったと思います。
何敬中に、息子が殴り殺したのが
平民ではなく、
文遠伯爵の息子だったのが
まずかったと言います。
※いや、そう言う問題では…(^^;)
文遠も上奏権を持っているため、
騒ぎ立てられて皇帝に伝わると
何敬中も、自分にも、良いことは無いと言います。
そこで、誉王はお抱え謀士の1人
李師に相談に行きます。
李師は京兆伊府の高昇に、
証拠を曖昧なまま
まず殺人罪で結審させ、
その後、刑部へ送らせ、
(刑部は誉王側なので)
斉尚書は悪いようにしないだろう
と見立てます。
京兆伊府の高昇は今、
蘭園事案で手一杯だろうから、
こちらで思うように調整出来るだろう、と。
誉王はこの案に乗ることにします。
さて、梅長蘇は蒙挚と飛流と、
城南にある、茶屋に居ました。
この茶屋は道に面してはいるものの、
騒がしく無く、
それぞれが個室になっています。
飛流は2人に水梨を見せます。
梅長蘇は、蒙挚が水を飲んだのを見計らって、
飛流にこの水梨は何色か問います。
飛流は、「深い白色!」と答えます。
それを聞いた蒙挚は水を吹き出し、
「深い?…深い何色だって?」と驚きます。
※わざとだ、悪いやつ笑
梅長蘇は飛流に、これは凍った梨だから
解凍しないと硬くて
食べられないと教えます。
蒙挚が水に浸けて解凍するんだと
言いうと飛流はすぐに姿を消しました。
梅長蘇と蒙挚の話題は
京兆伊府の高昇へ。
皇城内で今1番生きた心地がしないのは
高昇だろうと。
蘭園が事案の舞台となってしまったため、
梅長蘇は新しい屋敷を探し始めました。
様々な人が屋敷の紹介に来ましたが、
謝弼が代わって全て断ります。
梅長蘇は雲南穆氏と夏冬が紹介してくれた
屋敷と、今回蒙挚が案内した屋敷だけ
見て回りました。
※原作では霓凰と屋敷を見に行くシーンはありません。
二人のシーン、付かず離れずで良いんですが・・・、残念。
◎◎◎◎
蒙挚は茶碗をつつきながら言った
「俺の選んだ屋敷はどうだった?」
梅長蘇は少し考えてから言った。
「いかにもあなたらしいね」
「そんなに毒づくなよ。
露台や庭や池や楼閣に詳しくないんだ。
でもお前の考えは分かってる。
だからこんなに力を尽くして
お前に代わってこの場所を見つけたのに、
そんな無情な」
「まさにそう言うことだよ」
梅長蘇は暖かい目で彼を見ながら言った
「蒙大哥、確かに僕が欲しいものを
よく分かってる」
蒙挚は自分の手柄にいくらか満足はしていたが、
こうやって素直に感謝されると
少しばつが悪く、頭を掻きながら言った。
「俺だって分かってるさ、あの屋敷の風致が良くないことくらい」
「庭なんて改修すれば済む話だよ。
でも他人は選び放題の中から、
何故あんな屋敷を選んだか
不思議に思うだろうね。
でもとても良い部分がある。
景色に充分勝ってる所が。
蒙大哥、心を砕いてくれてありがとう」
「特にそうした訳じゃないさ。」
蒙挚は申し訳なさそうに言った
「俺も周りをぐるぐる回ってる時に発見したんだ。
この屋敷の裏壁は、靖王府の裏壁と
数丈(※1丈は約180㎝)しか離れてない。
間には溝があり、道も無く、
四方は樹木に囲われているし、
さらに2つの屋敷の門は
お互い違う通りに面している。
この2つが同じ区画にあるなんて
誰も思わないし、
実はこんなに近いだなんて
簡単には分からないさ。
小殊、配下に坑道作りの技術者はいるか?
引っ越した後、
裏庭から靖王府の裏庭まで
密道を掘れば、
秘密裏に行き来できるし、
夜に密道を通って逢引き(私会)も出来る…」
梅長蘇は力なくこの大梁一の猛者をみて、
泣き笑いをこらえられず言った
「確かに名案だけど、
飛流の様な言葉選びはやめてくれないか?」
◎◎◎◎
ドラマと違って、
会議!とか色々言ってませんでしたね笑
でも、‘私会’はさすがに違うと思うよ、
蒙大哥!
※‘私会’は男女の密会を指します。
蒙挚は郡主の件で皇太子を陥れたので、
梅長蘇が命を狙われるのではないかと
心配します。
誉王側に付いたと装っても良いのでは?
提案しますが・・・
ですが、梅長蘇は今は2人とも忙しくて
それどころではないだろう、と言います。
誉王にとって、何敬中のことは大した事も無いが、
慶国公の件は1番の弱点だと。
この件はどこが審理するか蒙挚は
考えます。
◎◎◎◎
蒙挚の身分は禁軍統領。
当然、単純・豪快な人間ではない
真剣に考え、頷きながら言った。
「確かに、懸鏡司が調査しても結審権は無い。
こんな大きな事案だ、
中書省、御史台、延尉府の三司で
審議するのが妥当だが…しかし…」
梅長蘇は手のひらを裏返し、
火鉢で暖を取った。
表情は淡々として、
まるで世間話をするように言った
「皇上が慶国公の事案を処理する必要があるのは、
ここ最近権力者に見られる
好き勝手な土地の併合が日に日に広まり、
国益を損なっているからだ。
しかし皇上もご存じだろうが、
三司が審理する時、
中立でありながら
三司を抑える力がある者が
この事案を導かなければ、
たちまち党争の舞台となり
この事案での解決による
権威の確立と警告の目的が
達成出来なくなってしまう。」
蒙挚は眉間に皺を寄せ、
ため息をついて言った。
「どうりで皇上は
いつまでも引き伸ばしている訳だ。
確かに難しい」
梅長蘇は笑うとも笑わないとも
の顔で彼を見て、言った
「だから皇上に変わって、あなたに解決してもらおう」
◎◎◎◎
そして、蒙挚に靖王を推薦するように言います。
蒙挚は皇帝が
もし同意しなかったら
どうするつもりか聞きます。
梅長蘇は必ず同意すると答えます。
蒙挚はなぜそんなに自信があるか問います。
◎◎◎◎
「何故なら、それ以外の
良い選択肢が無いからだ。」
梅長蘇は唇を硬く結び、
滑り出そうになった
ため息を飲み込んだ。
選択肢がない他に、
もう一つ理由がある。
つまり、梁帝は靖王を大切に思っていないばかりか、
靖王が受けたこの職務が、
後々彼にどんな困難と結果をもたらすのか、
あまり深く考えていないだけだ。
だから簡単に決断出来る。
そしてこれは靖王にとって、
戻ることが出来ない道を
踏み出す第一歩となる。
歩き始めたならば、
二度と振り向くことは出来ない。
◎◎◎◎
このあと、飛流が戻って来て、
解凍した水梨を梅長蘇にあげますが、
それを見た蒙挚が俺にくれないのか?
と言うのを聞いて、
飛流はこのおじさんは嫌いだけど、
梅長蘇の態度を見てると
無下にも出来ないと感じ、
袖から一つ梨を取り出し、
蒙挚に渡します。
蒙挚は一口齧って驚きます。
梅長蘇が笑いを含んだ目で自分を見てるので、
何事も無かった様に大口を開けて食べます。
※凍ってたんでしょうね笑
ドラマでは酸っぱい果物渡してましたよね?
そこへ、1人の人物が訪れます。
十三先生です。
先生は林殊の母のお抱え楽士でした。
十三先生は梅長蘇の痩せ細った様子に
たまらず震え、感情を抑えられない様でした。
十三先生は、梅長蘇から依頼された調査の
報告に来たようです。
調査対象は秦般弱。
30年前に滅ぼされた滑族末代公主の門徒で、
誉王に信頼されていること。
15名の朝臣の妻や妾として
間諜を放っていること。
そしてその名簿。
宮羽がその間諜を断つためにすでに
人を手配していること。
指示があれば壊滅させる準備が出来ていること。
梅長蘇は二つの情報を般弱経由で
誉王に伝える様に命じます。
一、掌鏡使・夏冬が刺客に襲われたのは、
慶国公が襲わせたのではなく、
天泉山荘が雇い、
卓鼎風が指示して派遣した者だった。
二、入城したあの老夫婦は明らかに体が弱っているのにも関わらず、
刺客から逃れ、
江左盟の勢力内の四州に辿り着いた。
運良く1人の義士に出会えただけでなく、
別の誰かが秘密裏に守っていた。
老夫婦を守り、入城を助けた者もまた、
天泉山荘に雇われたものだった。
これは一件矛盾して見える。
ただ、天泉山荘が動いていると言うことは、
謝玉が関わっていると梅長蘇は言い、
その謝玉は皇太子側の人間だと言う。
皇上が夏冬を派遣して
慶国公事案を調べさせたため、
老夫婦の手助けをしたのが
天泉山荘の卓鼎風が派遣した者だと、
夏冬に発覚されてしまった。
同時に、謝玉が皇太子側の人間だと勘づかれる。
そのため、夏冬が金陵へ戻る前に口を封じようとしたのだった。
この結論を、般弱から誉王に報告させれば充分だと梅長蘇は言う。
蒙挚は彼女は聡明だから、この計画が見破られたらどうすると問います。
梅長蘇は「彼女は光の中におり、私は暗闇にいる。
たとえ一時的に勝利したとしても、油断することは出来ない」と。
そして十三先生にはこう伝えます。
「情報を流す時も注意が必要だ。
どの程度の情報をどれだけ出すかは
時機がとても重要になる。
秦般弱は抜け目が無い。油断は禁物だ。」
十三先生は帰る時に宮羽から預かった、
安眠香を梅長蘇へ差し出し、
「彼女の気持ちがお嫌で無ければどうぞ受け取って下さい。
寝る前にひとつ焚けば、いい夢が見られるでしょう」と。
◎◎◎◎
梅長蘇はしばし静かに立ったままだった。
表情は普段と変わらない様子でなんの動きも
見受けられ無かった。
しばし黙り込んだ後、
ゆっくり手を伸ばしその包を受け取り、
見るものも見ずに袖の中へ仕舞い、
淡々と言った。
「では、私に代わって宮羽に礼を述べてくれ」
◎◎◎◎
蒙大哥が出てくると長くなってしまう(^_^;)
屋敷エピソードもそうだし、
飛流とのやりとり、
十三先生とのやりとり、
最後の宮羽ちゃんのプレゼント、
情報盛りだくさんでどこを割愛したら
良いか分かりませんでした(´;Д;`)
宮羽ちゃんのプレゼント、
ドラマでは受け取って無かったけれど、
ここでは考えた(迷った?)挙句に
受け取っていましたね。
どう言う心待ちだったんでしょう…
モテる男は辛いですねぇ。
いや、素敵すぎるのが悪い笑
次回はとうとう、
ドラマ部分で言うと
8話 深夜の訪問者 です!
どんな緊迫したシーンが描かれるのでしょうか?
また長くなりそうです…