見出し画像

琅琊榜 第十二章 侠骨柔肠

2024年11月3日

「義侠心と優しい心」
いやー難しい・・・(-_-;)

ドラマだとどこに当たりますかねぇ・・・

※注意※
霓凰の意外な事実が分かります。
ドラマの霓凰と梅長蘇(林殊)との関係を
大切にしたい方は、読むのは止めておいた方がいいかもしれません。
この章が大好き過ぎるので、長いです。ご注意を。

梅長蘇は一日も使わずして、越貴妃の序列を下げ、
皇太子を禁足処分にまで追い込みます。
この時の皇帝の宣旨が曖昧だったことから、
色んな人々の憶測を呼びます。

そして、百里寄は姿を消しました。
※そりゃそうだ、バレる前に江左盟に帰ったんでしょう・・・

梅長蘇の描写
◎◎◎◎
「この山を現さず、水も漏らさない病弱な青年」
◎◎◎◎
なんかカッコいいと思って・・・(個人的な趣味)
子供を使って百里寄を倒し、
文試の監督もこなし、皇帝に大いに褒められ、
一躍時の人となった梅長蘇のもとに、
様々な人々が彼と交流を持とうと
雪廬へ押しかけます。
ところが、
「蘇哲はもうすでに交流したい人物の選定は終わっている。
他の者はただ彼の遊びに付き合わされているだけ」
との風聞がでると、波風が起こります。
もちろん、大部分の人間は交流したい人間の中に
入りたい訳でもないのですが、
遊びに付き合っていると言われると、
気持ちが良いものではありません。
ですが、この蘇哲のどこがすごいのか見てやろうと思う
貴族の子弟は多く、
次々と蘇哲に会いにくるのでした。

景睿が久々に梅長蘇を訪ね、
2人で霓凰の話をします。
結局、文試通過者の中で
霓凰に勝てる者はおらず、
霓凰の嫁ぎ先は決まりませんでした。

2人が居る場所は雪廬ではなく、
寧国府の中庭に近い東屋でした。
雪廬には客人が多く、色んな方法で面会を断っていたため、
居場所が無く梅長蘇はここで本を読んで居たのです。
景睿は客人も少なくなって来ただろうから、
蘇兄に雪廬に戻るよう勧めます。
梅長蘇はそれには応じず、庭生の話を尋ねます。
景睿は靖王府へ庭生を見に行ってきたのでした。
庭生は飛流に小さい鷹の木彫り像を贈り物として託していました。
景睿は飛流に木彫りを渡そうとして、からかって遊びます。
その様子を笑いながら見ていた梅長蘇ですが、
突然その笑みを消して、
どこからか威圧してくる気配を感じ、目を向けました。
池に掛かる小橋を見ると、
そこに背の高い人物が立っていたのです。
遠いので顔などは分かりません。
が、こちらをじっと見つめているのだけは分かります。

◎◎◎◎
梅長蘇は最後の客が家を出るのを待ち、
ゆっくりと立ち上がった。
首に巻き付けてあった、
真っ白な狐毛の襟巻が肩から滑り落ちた。
寒風が露になった皮膚を突き刺す。
風の中によく知っているあの砦からの砂塵は含まれていないが、
まるで強烈な一刀の様だった。
  ※あの砦とは恐らく梅嶺の事では無いかと思いました。
梅長蘇が立ち上がったのを見た人物も動き出した。
橋を下り、朱塗りの廊下へ進み、
一歩ごとに近づいてくる。
江左盟の宗主の目の中に映る、
その姿ははっきりとして来た。
郊外西に居た時と違い、
夏冬は女性の服を着ていた。
筒袖に長靴、丈の短い装束だったが、
前襟の刺繍と腰の房飾りが
神秘的で中性的な雰囲気と相まって、
美しさと妖艶さを醸し出していた。
ただ長い髪は髪帯で簡単に纏められているのみで、
簪もなく、黒髪の間にひと房の白髪が目を惹いた。
梅長蘇が静かに凝視する中、
女掌鏡使は回廊を歩き近づいてくる。
◎◎◎◎
ここで飛流がやってきて、二人で戦いを始めます。
ドラマでもあるように、飛流は掌鏡使の夏冬に
互角に戦い、「良い動きだ!」と褒められます。
掌鏡使は皇帝直轄の縣鏡司に所属するため、
琅琊榜の序列には掲載されません。
ここはかなりのページ数割いて二人の戦いを詳細に描いていますが、
翻訳は止めておきます。と言うか、無理!(笑
ぜひ、ドラマでご確認を。
景睿は飛流が夏冬と互角に戦うばかりか、
勝ったと見なします。

◎◎◎◎
彼女はまず腕のうっ血を気を巡らせて散らし、
少し湿った長髪を撫でつけ、
笑みを浮かべて言った。
「夏冬は無鉄砲でした。蘇先生、お初にお目にかかります。」
◎◎◎◎

夏冬を東屋へ導き着席してもらうと、
自らお茶を淹れます。
その様子が優雅で乱れもなく、
手際のよい様子が描かれますが、
ちょっと時間ないので、飛ばします(-_-;)
景睿はこの間にそっとその場を離れます。

◎◎◎◎
彼女が話さないので、梅長蘇も黙して語らず、
薄く笑いながら茶を飲んだ。
熱い茶を飲み、
彼の蒼白な頬は一筋の赤みを帯びた。
風格は静かで淡泊。風采は優雅。
夏冬は彼をしばし凝視してから、
微かにため息を漏らし言った。
「率直に申し上げたいことがあります。どうかお気になされませんよう。」

「夏大人、ご遠慮なく」梅長蘇はこの敬称使い、控えめな口調で言った。
「なにかお話があるようでしたら、どうぞお話下さい」

「先生はたしかに出色した人物です。
しかし私にも未だに底が知れません。
ですが・・・先生がどの様な人物にせよ、
二者の中の一人として、逃れることは出来ないでしょう」

「おお」梅長蘇は微笑し、「それは詳しくお聞きしたいですね」

「貴方が琴を奏で茶を嗜む風雅な才子であろうと、
城府の全てを操る謀士だったとしても、
どちらにせよ霓凰郡主とは不釣り合いという事です」

梅長蘇は思わず笑みを改め、温かい声で言った
「夏大人は本日いらっしゃった目的は、
この蘇が郡主の未来の夫と言う風言を
耳にされ、品定めに参られたと言う訳ですね。」

夏冬は一笑した。
「確かに目的はそうですが、
噂を聞いたからではありません」

「お?」

「私と霓凰郡主は知り合って長く、
彼女の性格と気質をいくぶん知っています。
貴方はいま陛下と皇太子の前で一番評判の人物。
もし特別な理由が無ければ、彼女もあなたを優遇しないでしょう。」
夏冬はここまで喋ると、眼に突然冷たさを現した。
「郡主の優遇に対しての、貴方の対応には失望しました。
かつて親密に交際していたと言っても良いのに、
本当に理解できない。
穆府の中にも私と同じく感じる者がおります。
あまりに傲慢すぎて気配りに欠けてはおられませんか?」

梅長蘇は苦笑を浮かび上がらせ、
茶碗を持ち上げ一口飲むと、ゆっくりと話した。
「夏大人・・・蘇も率直に申し上げます。あなたは間違っておられます」

「間違っている?」

「郡主の風采は無双であり、
人柄も雲をしのぐほど。
蘇は目も耳もあります。
どこに憧れ慕う心を持てましょうか。
ただ・・・病弱で、長命も望めず、
未だに妻をめとることも出来ていません。
そして女性を巻き添えにするつもりもありません。
ましてや郡主などと?
もし蘇に何かしらの思いがあったとして、
郡主は恐らくそんな気は全くないでしょう。
まさに夏大人が先ほどおっしゃった様に、
蘇がどんな種類の人間であっても、
郡主に相応しい人間ではありません。
夏大人もこの点についてご存じです。
郡主が分からないはずがありません。
彼女の心に居る者は、義を重んじる男性です。
豪胆で彼女と一緒に戦場に立てるような男です。
肩を並べて敵を討つような。
蘇の様な萎れてだらけている、
半分の英気も無い人間とは似ても似つかないはずです。」

「しかし霓凰は明らかに・・・」

「霓凰郡主は確かに蘇を
とても厚遇してくれています。
しかしそれは縁であり、
決して様々な人が憶測している様なことではありません。」
梅長蘇は茶碗を置き、手を伸ばして火にかざした。
「夏大人の身分は掌鏡使。
手段を選ばず、
蘇の来歴を探ればすぐに明らかになりましょう?」

夏冬は頷き、「確かに。
江左盟の宗主がこんなに若いとは、
少々驚かされました。」

梅長蘇は自分が吐き出した
冷たい空気の中の白い息を見つめながら、
目の光は悠々と、声を引き伸ばしながら言った。
「私の身分は、郡主もご存じです。
ですから郡主はこの私に一目置かれるのです。
他に何もありません。これが理由です。」

夏冬は眉を吊り上げ、目の中を一瞬不可解な光がよぎった。
「江左盟は天下の第一盟、
そう言われるだけの事はある。
貴方を悩ませる話をさせてもらうが、
所詮は江湖の結社に過ぎない。
郡主は高貴な身だ。
10万の勇猛な騎兵を率いている。
貴方のような身分の者が彼女を引き止められると?」

梅長蘇はゆっくりと立ち上がり、
袖から何個かの香餅を取り出し、
鼎の器に放りいれ、焼き始めた。
懐からはずっと抱きかかえていた小炉を取り出し、
蓋を外し火箸で炭を取り換え、
改めてしっかりと抱きかかえ、
長椅子の上でもっと楽な姿勢を取り、
笑いながら言った。
「天気はどんよりしていますが、炉の周りは香しい。
茶も手元にあり、楽しい時を手放すこともない。
夏大人、もしお急ぎでなければ、
この東屋で蘇の話す物語を
聞いては頂けませんでしょうか?」

夏冬は梅長蘇の落ち着いた顔に視線を留め、
ながい時間のあとゆっくりと瞼を閉じた。
今日寧国府を訪れる前、蘇と言う人間を想像してみた事があった。
対面したあと、
やっと彼の実像と、風聞や想像との間に
大きな隔たりがあることに気が付いた。
「蘇先生にその時間があれば、夏冬耳を洗って拝聴いたしましょう」

梅長蘇は彼女に向かって軽く頷き、顔を横へ向けて
唯一の聴衆から視線を黄昏と暗闇の混じる空の果てへ移し、
急ぎず、遅すぎず喋り始めた。
「ある国のある王朝に、ある藩主がおりました。
その手には勇ましい辺境を守る兵があり、
皇帝の寵愛を受け、信を置かれていました。
ある年、この藩王は娘を連れて都入りします。
小郡主は宮城内に滞在し、
沢山の皇族の子供と知り合いになりました。
中でもある大元帥の一人息子は彼女より二歳年上で、
最も活発でやんちゃ、傲慢で自分勝手。
2人でいつも一緒にふざけて遊んでいた。
太皇太后はこの2人がいつも一緒なのを見て何の疑いもなく、
2人を将来結婚させることにした。
藩府と元帥府に親密な関係は無かったけれど、
同門なのは疑いようも無いので、
両家で特に反対する者は居なかった。
婚約が決まって一年後、
大元帥は謀反の渦中で父子共々死んだ。
藩王は遠く国境を守っており、
謀反に関係なかったが、
娘の婚約相手が敵となったため、
巻き添えを避けられず、
皇帝から疑いを抱かれるようになり、
兵糧などの諸事に以前のように対応することが難しくなった。
摩耗すること二年。
麾下の戦力にも悪影響を及ぼした。
この時隣国が国境を越え侵略してきた。
その為、一戦目、勝つことが出来ず、
二戦目で戦死した。
残されたのは弱弱しい一人の娘、
将を失った軍、
とても悲しい頼りない状況だった。
その時まだ援軍は到着せず、
情勢は急を要した。
年はまだ17歳の小郡主は喪服のまま戦場に立ち、
父に代わり兵を率い、
血まみれの苦戦を経て平定を成し遂げた。
夏大人、この小郡主は当代まれに見る女性ではありませんか?」
◎◎◎◎
夏冬はこのとき、援軍を率いて南下し、城壁の上で対面した、
簡単な鎧を着た、毅然とした少女を思い出していた。
夏冬は彼女より10才上だったけれど、
その時の彼女を見て
敬い重んじる気持ちを抱いたそう。
2人の間には心を引き裂くような苦痛が存在していたけれど、
戦場を共にした英気ある2人には特別な友情が芽生え、
それは生死を共にして戦う男性にも遜色がないと描写されています。

ある時、そんな郡主に危機が訪れます。
騎馬戦を得意とする雲南府は、
水軍との闘いに慣れていません。
ある時、隣国から猛烈な水攻めに遭います。
可渡口を奪われ、
巨監を陣営とし、
小さい船を刀とし、
河を道とされ、
苦戦を強いられます。
その雲南陣営に若者が現れます。
その者は水軍と戦うのに長けており、
様々な献策をして
ついには雲南王府へ勝利をもたらします。
郡主は朝廷にこの者を賞するよう彼に名前を聞きますが、
褒美もいらない代わりに、
本名も名乗りませんでした。
彼は彼女の為に、水軍を編成し練兵します。
性格は爽やか活発で、品格もあり、風雅。
2人は顔を合わせるうちに、
いつしかお互いに思い合う仲になります。
ところが、半年たったある日、
その若者は突然別れを告げます。
郡主にはたった一通の手紙を残しただけでした。
手紙には「盟内より召喚あり。帰還を奉命す。」
(盟主から呼び出しがあり、帰還に応じます)
とだけ書かれてあった。
郡主はあとを付けることを禁じたが、
弟は後を追わせた。
ところが、涂州に入った後、その後の行方は途絶えた。
夏冬は涂州は江左盟の勢力内だと指摘する。
が、梅長蘇は否定も肯定もしない。
藩府の人間は一年経ってもその者に辿り着くことは出来無かった。
郡主は何も語らず、
周囲の人間は薄情だと感じたがそれは間違いだった。
ちょうど弟が爵位を継承することになり、
郡主にも婿取りの話が持ち上がる。
朝廷側は郡主は婿取り大会の公開に同意しないと思っていたが、
条件をつけただけで了承した。

◎◎◎◎
夏冬は感情を動かされ、悲しみで一杯になった。
思わずため息をつき、寂しく言った。
「女の情は時に男性より勝る。
彼女は何もないように見えて、
心の中ではその青年が、
この機に乗じて婿取りの戦いに
加わってくれるのを望んでいた・・・」
梅長蘇は首を垂れて何も言わず、瞳は荒涼としている。
物語はここまで。
ただ半分展開しただけで、
未来の結末は、どこへ向かって行くのか分からない。
◎◎◎◎

夏冬は口では霓凰を親友ではないと言っていますが、
彼女の為に、掌鏡使としてではなく、
個人的に梅長蘇に会いに来てますよね?
そんな素直じゃないけど、
優しい気持ちがこの章の題名になっている
と思いました。

ドラマで対水軍戦の話は出て来ていて、
たしか衛崢を梅長蘇が派遣した、
と言っていた気がします。
展開が違いますね(^^;)
一体郡主は林殊の他に、誰に惹かれたのでしょう??
いずれ、はっきり出てくるのかな?
あと、梅長蘇から語られる、
郡主とのエピソードと
自分に対する描写が面白かったです。
郡主が苦労人で良縁に恵まれていない事も判明・・・TT
ちょっと、幸せにしてあげてよ。(でも今後もっと辛い展開がね・・・
なんだかんだ言いながら、
梅長蘇(林殊)は郡主の事大切に思っているんですよねぇ
ここまで彼女の経緯を掴んでいるし、
例の青年を遣わしたものの、
呼び戻すって、ちょっと嫉妬かな?
なーんて思ったりもします。
さて、今後二人の関係はどうなるんでしょうね???



いいなと思ったら応援しよう!

ばなな
いつもお読み頂き、ありがとうございます😊 もし気に入って頂けたり、 応援して頂けるのであれば、 こちらをお願いいたします!