偽装者 死間計画(ネタバレ)・感想

中国ドラマ、偽装者見終わりました。
ついつい明家に肩入れしてしまい、
「死間計画」について深く考えていなかったので、疑問が残りました。
死間計画とは何だったのか?

第39集で明楼は明台に全ての真相を話します。

目的:第三戦区での勝利(日本軍戦力を削ぐこと)
  ※第3戦区とは…? (注1)
 
死間計画は、明台が軍校に入学した時点で発動しました。
郭騎雲、于曼麗、明台、王天風は初めから死ぬ予定。
ただ、明楼だけは新政府に深く潜入していたため、生かす。
※明楼の計画では自分自身だけが死に、他の者は生かす
※死間とは孫子の兵法の一つです。(※死間とは…注2)


疑問
1.王天風はいつ明台を軍統のスパイにしようと思ったのか。
飛行機で明台に狙いを定めた訳ではなく、その前から明台に目をつけていたはず。
2.明楼はいつ死間計画を知ったのか?
3.王天風は自分を明台に殺させたが、明台を救ったのは本当に親切心でか?

(おそらく、丁寧に見ている方はこの辺り明確だったかもしれません。
が、私としては全く気が付いていませんでした。)

1.特に明言していないので、何かのきっかけで明台に目を付けたのかな?
と思うしかない・・・

2.見直した結果、明台が軍校に入る前にすでに計画されていた。

見直す前
第2、3集くらいで明楼と明誠が
「明台がこの計画に組み込まれてしまった以上」
「弟だからと言って、彼だけ生かす訳にもいかない」
(私の記憶の中なので、意味が違ったりしているかもしれません)
と苦悩するシーンがあるのですが
あの時、私はただ軍校に引入れられてしまった事や、軍統のスパイとして動かなければならない事=王天風の計画
と思い込んでいました。
まさか話の後半まで関わってくる計画だとは・・・。
そう考えると、疑問3は完全に彼の計画内で、明台は76号に捕らえられなくてはいけないし、そのまま死ぬ予定だった。

後でこの流れを確認したところ、第2集(25:16辺り)
ですでに毒蜂から「我々が死ぬのは良いのに、なぜ弟は死んではいけないんだ?」という連絡がありました。
明楼はその言葉に激怒して、「あいつは明台を死間計画の中でで死なせるつもりだ」と言ってました・・・!!
全然意味わかってなかった(;^_^A

なんと言うこと!
そりゃ、疯子(狂人)と事あるごとに明楼と明誠が言うわけだ…。
それにしても、明台ほど優秀なスパイはいないのに、なぜ捨て駒にしたのでしょう?それが解せません。
もっと決定的な、戦況をガラッと変えるような状況だったら分かるのですが・・・優秀な人材をただ犬死させるのは勿体ない。と、私は思いました。
ただ、死間と言う概念だと、敵に渡す情報が本物で価値のあるものである、と敵に思わせないといけないので、優秀な明台自身が「本物の情報である」と信じ、与えられた任務をこなさなければなりません。
優秀なスパイが大切に守っている情報=本物の情報 である、と敵側に思わせ、実は偽物の情報を掴ませる。
何人も犠牲者を出して軍統が実行した計画です。
これは重慶国民党がいかに卑劣かと思わせるための描写だと私は思っていますが・・・どうなんでしょうか?
でも、明楼は郭騎雲、于曼麗、王天風の死は無駄ではなかったと言っています。多くの中国人の命を救ったと。
結局のところ、国民党(重慶と新政府)も共産党も抗日と言う名の下で思惑は一致しているという事なのでしょうね・・・

この後は見終わった感想です。

それにしても、39話まで明台は明楼が共産党だと知らずにいます。
視聴者には早々にその身分は明かされるわけですが、明台は39話まで知りません。
明台が正式に共産党に入党していなかったからかな?
合言葉に混乱する明台。最後までこの兄弟のやり取りは面白すぎる(笑

黎叔と明台のつかの間の親子の交流、とても静かで穏やかで・・・
お互いにおかずをお皿に取ってあげたり。
とくに、明台が母の形見である時計を見せたシーンは泣きました。
明家で母を思って泣くことは我慢していたであろう明台。
思いを共有できる時間が持てて良かったです。
あと、扇風機を修理していた時に、黎叔が言った「電気代いくらすると思ってるんだ」って一言、明台はピンと来ていなかったのが、お坊ちゃん育ちだなぁと思いました。

明鏡が明台に会いに行って、髪の毛を洗ってあげながら、
子供のころの明台の話をするシーン。
母であり、姉であり、本当に明台のことを愛して慈しんでいるんだなぁと思いました。
とっても良かった。
そして、洗う手際が良くてびっくり。
そう、子供って頭洗うの嫌がるよね。

梁仲春と明楼の汪曼春への解像度が悪すぎてちょっと・・・
そんじょそこらの女と違うのよ、彼女は。
彼氏を「別れたわ」くらいの感じで殺しちゃうんだもん。
明楼は徹頭徹尾、汪曼春を利用しただけで、付き合っていた時も
全く気持ちはなかったんでしょうね。
ご両親がどうやって汪芙蕖によって死に追いやられたのか具体的に出てきませんが、きっと明家にとっては(特に明鏡、明楼にとっては)許すことのできない一族だったのでしょう・・・
その割には、最後の方まで苦しめられてしまうのですが(^^;)

私は于曼麗がお気に入りで、でも明台は程錦雲が好きで・・・
(共産党員で、清純で、革命に全身全霊を捧げているなんて、正直できすぎてか、やりすぎ(;^_^Aと思いました。
見ていて、于曼麗はどこかで明台の為に死ぬな・・・って思ってて、
やっぱりそうなってしまったのでとても悲しかったです。
第31集、最後の任務直前、明台の婚約を祝う于曼麗。
複雑な表情を浮かべる明台に、
「心配しないで。申し訳ないなんて思うことない。私が我儘なだけだから。あなたは私のものでもないし、私が動揺させる資格もない。とっても嬉しいの、少しでも申し訳ないと思ってくれているなら。」
明台「いずれにせよ、僕たちは一番の戦友で一生を共にするバディだから」
明台に抱きしめて欲しいと頼んで、応じる明台。
于曼麗「死ぬことは恐れてないの。死んであなたに会えなくなる事が怖いの」
泣く・・・
第21集、軍統からの電文を見た于曼麗、叶わぬ思いと知っていても、
明台の任務を阻むために愛の告白をし、「一緒に逃げよう、どこかで静かに暮らそう」と提案します。
全て明台を思って。
なんて良い子なんだろう。明台も知ってるんですよね。境遇に恵まれなかっただけで、彼女が良い子なのは・・・
ただ、恋愛対象にならなかっただけで。
と言うか、ヒーローとヒロインは共産党員じゃないとね、っていう大前提があるし・・・。

あと、どこかで南田か藤田か山本が読んでいた日本語の報告書、
でたらめ過ぎて読むの諦めました(笑
1ページ目の最後の方、千の風になってとか書いてあって、でも前後意味不明。
なぜ、日本人の出演者に事前に相談してちゃんとしたもの作成しなかったんだろう。日本領事館の門に吊るしている幕も、ちょっと意味わからん!

明台
 明台は明家に感謝しているし、皆を家族として愛しているんだと思います。
 明鏡はいつまでも明台を子供と思っていて(そう思いたくて)子供扱いしているので、明台もそこを分かってわざわざ我儘言ったり、困らせたりしているのかな・・・って。
 明楼はその辺り良く分かっているので、明鏡に合わせつつ、明台に対応している気がします。なんたって、二重で彼の上司なわけだし。
何回も明台のこと頭いいと評価していますから。
我儘装いながら自分の身分に探りを入れて来ているのを気づいているし。
(と言うか、明台も蛇蛇言いまくってるし笑

明誠
 明鏡、最期に明誠に何も言葉を残さなくて、悲しくなりました。
明誠、その名の通り誠実で実直な人物です。
私だったら、明台との接し方とあまりにも違い過ぎて絶対やさぐれちゃう。
でも、全然やさぐれてないし、めちゃくちゃ優しい。
そして、仕事も料理もできる男。胡桃をひたすら割ってあげるし。
明台の次に好きな人物。
あと、明楼と明台がやりあった時に、明台が破壊した物を買いに行くからお金出して、って明楼と明台に言った時。
明台は即答で「学生だからお金ない」。明楼はすぐに答えず、また明台と喧嘩しはじめて・・・
明誠は喧嘩には口を挟まず、「で、結局誰がお金払うの?」
明楼は何も答えずに自分の部屋へ。(当然自分が払うんだけど、たぶん即答するのが嫌だったのかな?)
この辺りもすごく笑えた。

後半、明楼の言ってることけっこう無理筋なのに皆騙されちゃうんだなぁと
思っちゃった。堂々と騙してくるのが意外と信じちゃう?

明鏡が亡くなったのはショックだった。
明台、なぜ藤田から射殺しなかったのかな?
そりゃドラマだけど、明楼と明誠は援護射撃して、明台が狙えば藤田なんて一発だと思ったんだけど。
なんで明鏡殺しちゃうのよ~TT

シリアスな話でありながら、時にコメディかと思うくらい面白いやり取りが
多くて、楽しかったです。
あと、衣装がとても良くて・・・
于曼麗と明台は任務のたびに衣装チェンジあるので目でも楽しかったです。
1930年代の上海は魔都と言われていたころ。
各国の租界があり、華やかな社交場でもありながら、
抗日活動や諜報活動が盛んに行われていた時代。
タイムマシーンがあったら絶対に行ってみたい。
そして、外滩を歩いてみたいです。

注1:第3線区とたん
参考:

  ※この作品の舞台は1939年から1940年ごろらしいです。

注2:死間とは?

孫子の「五間」生と死2つの忍者活用術【忍者の技と知恵 #22】|きよし|忍者なデザイナー(Shinobi Design Project CEO) (note.com)

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