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"天体観測"のはなし

さて、タイトルからお分かりかと思いますが、今日も今日とて推しを推そうと思います。
よろしくお付き合いくだされば幸いです。

「BUMP OF CHICKEN」と聴くと、彼らの名前を知る方の多くが「天体観測の」と答えるんじゃないかと思う。その「天体観測」、今年でリリースから20年経つんだそうだ。もう20年も前の曲なの!?と思ったが、それもそうか、私が高校〜大学生あたりでめちゃくちゃ流行った曲だ。歳も取る訳だよ。

BUMP OF CHICKENの代名詞と呼べるだろうこの歌について、私は実は、長いことちゃんと聴いたことがなかった。テレビで街中でしょっちゅう流れていたから、なんとなく知ってるけど、なんとなくしか知らない。バンドについても、細身の、それこそ野良猫みたいな青年が、前のめりに、マイクに噛み付くみたいに歌っている。MVのサビの部分のそれが印象的で、でもそこでイメージが止まっていたことになる。15年も。

それがひっくり返ったのは、学生時代からの友達に誘われて行った、彼らの2016年のスタジアムツアー「BFLY」だ。
天体観測は、本編のセットリストには入っていなかった。確かそのときは、本編にないことすら気づいていなかったと思う。最後の最後のアンコールで、あのイントロが鳴ったのだ。

かっこよかった。
語彙が足りなすぎるけどとにかくかっこよかった。
こんなに格好いい曲なんだと心から驚いたし、これが彼らが積み重ねて来たものなんだと思い知らされた。15年の時をひととびに超えて、私は天体観測が大好きになった。

ものすごく正直なことを言うと、天体観測という曲は、わたしにとって分からないことだらけだ。もう何度聴いたか分からない今でも、よくわからない。
いやいやお前の話が分からんのじゃ、とお思いでしょう。そうですよね。

音楽が好きだというひとの間で、時々ちょっと熱くやりとりされる(と思っている)ことのひとつに、「歌詞を聴くか聴かないか」「歌詞が好みに影響するかしないか」がある。
何が正しい間違いということでなく、私の場合、ものすごく歌詞を聴く(読む)し、ものすごーく好みに影響する。特に社会人になった頃から、どのくらい自分と重なるか、どのくらい「あー、分かるなぁ」と思えるかが、そのアーティストを好きになるかならないかのウェイトを占めるようになった。noteを含めてあっちこっちで同じようなことを言っているが、BUMP OF CHICKENの音楽が好きなのも、歌詞に依るところがとても大きい。歌を聴いて、家族でも友達でもないのに、どうしてそんなこと知ってるの、何でわかるのと思うことがものすごく多いのだ。

それを前提として天体観測のことをいうと、そこらへんの感覚がものすごくふわっとしている。分かるような……分かんないような……でも分かる気がする……みたいな、そういう感じ。でも、大事で大好きな曲だ。ライブで聴けると嬉しいし、ほっとする。
天体観測に限らず、まだちょっと分からんなーという曲は沢山ある。でも、ある日突然、パズルのピースがはまるみたいに、もう無くしたことも忘れていたものが見つかった時みたいに、ぱちっと自分と重なることもある。天体観測も、いつかそういう時が来るんだろう。

BUMP OF CHICKENを大好きになったのは少し前でも、本当の本当に「初めまして」は間違いなく天体観測だ。
また一緒に歌える日が、少しでも早く来ますように。

リリース20周年、おめでとうございます。

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