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壊しすぎかも人生、その2

・触るものをみんな壊している。


・最初は家のグラスだった。夏に自分の誕生日プレゼント用に買ったお花柄のグラスを落として割り、その次に買った雑貨屋さんのアンティークグラスは掃除機をかけていたら当たって割れた。その後に仕方なく買った100円ショップのグラスは、もうなんで割れたかすら覚えてない。


・どれだけ雑な扱いをしたらこの短期間に3つもグラスを割れるんだろう。グラスを割る才能があると思う。



・しかし、問題はここからだ。家のものを割るだけならまだ良いのだ。なんとも恐ろしいことに、私はワレモノの宝庫、飲食店でアルバイトしている。



・色々な物を壊した。備品諸々を5つほど壊した。お皿はもちろん割った。計算機とか、ミキサーの蓋とかも壊した。



・1番痺れたのは、朝イチで作ったチャイを入れたガラスポットを、オープン直後に落として大破させたことだ。痺れすぎて声も出なかった。なんかもうちょっと笑ってしまった。



・笑えないよ。



・どうしてこれをわざわざ日記に書こうと思ったかと言うと、そう。今日もバイト中にガラスの容器を1つ割ったのだ。これで6つめだ。



・この前同じタイトルで日記を書いたばかりだけど、本当は既にパソコンだけじゃなくもっとたくさんのものを壊している。この日記は懺悔の日記だ。


・気をつけてないわけじゃない。もちろん、家のグラスを割るのとお店の備品を壊すのは全くワケが違うと理解している。細心の注意を払って動いているつもりなのだ。



・なのにどうしてか、他の人と同じくらいの強さで扱っているのに壊れるし、しっかり握っていたのに手から滑り落ちる。



・なんかモンスターの言い分に見えてきた。



・「オレ、チカライレテナイ………ヤサシク、サワッタ…………ダケド、コワレタ…………。ニンゲンハ…モロイ……。」



・もちろん私はまだニンゲンを食らうモンスターになっていないので、店のものを壊す度に店長に全力で謝っている。チャイのガラスポットを割った日には、キッチンに水たまりみたいに広がったチャイを雑巾で拭きながら半泣きで謝った。
店長は毎回、「いいよ、私もよくやるので」「1個くらい割れたって大丈夫」「もう古くなってたから壊れてもしょうがないよ」ってフォローしてくれる。飲食店を経営している仏様なんだと思う。そうやって優しく許してもらう度に、もう二度と壊さないようにしよう、落ち着いてやろうと心に誓うのだけど、情けないことにその誓いは今のところ長くは続いていない。


・今日ガラス容器を割ってしまった時も優しく許してくれたけど、それが申し訳なくて情けなくて。実は家でもグラスをいくつも割ってしまっているし、ここでも色々壊したし、とにかくものを触る度に壊しちゃってるんです、と打ち明けた。


・店長は「破壊神だね!」って笑ってくれた。破壊神を雇っているのに笑って許してくれる店長、器がデカすぎる。仏様。



・オレ、ハカイシンイヤ…ニンゲンニ、ナリタイ………


・どうしたらものを壊さないようになれるか分かる人がいたら教えてください。



・おわり

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