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6. ヘアライン・クラックをどう取り扱うか

ヘアライン・クラックとは

ラインとは髪の毛ほどの細さという意味で、このクラックが入る場合は無数にあちこちに起ることが多いです。実際、ヘアライン・クラックはどうやってできるのでしょう?

アボリジナルの作るディジュリドゥの多くは最終的に仕上がった楽器全体に木工用ボンドを塗り、ペイントが施されます。その作業工程を見ていると、木工用ボンドやペイントの乾燥のタイミングで速く乾燥させるために直射日光に当てることがあります。

この時含水率の高い状態の生木から急激に水が抜けて、木目に沿ってクラックが入ります。強い日差しに当たることで膨張したことで割れたクラックは、その後生木の乾燥が進んで木全体が縮んでいくのと同時に閉じていきます。クラックの部分は収縮率が高いため、クラック真上のペイントが盛り上がります。これがヘアライン・クラックが起る原因と考えられます。

ですので多くのヘアライン・クラックは表面的なクラックが完全に閉じた状態になっているため、空気漏れの心配はほとんどありません。クラックが開くとしたら、クラックが出来た時と同じような高温にさらされることかもしれません。

[へアラインクラック]イダキ・マスターD. Gurruwiwiがベッドの下に置いていたイダキ。ノーペイントの状態ですでにこのようなヘアラインクラックが無数にイダキ表面にありましたが、一度も空気漏れをしていません。木目に沿ってうねるような筋が入っているのがわかります。ペイントが隆起してモコっとクラック部分が膨らんでいます。


ヘアライン・クラックの見分け方

自分の楽器のクラックがヘアライン・クラックかどうかの見分けるのに一番のポイントは、木目に沿ったクラックであること。そして、同じような筋目のクラックが複数箇所でできていることが多いです。詳しくは下記のとおりです。

  • 髪の毛ほどの細いクラックである

  • 木目に沿ってうねるようなクラックになっている

  • ペイントがクラックに沿って盛り上がっている

  • 口で吸っても空気もれがない

  • 1本だけではなくあちこちに同じような筋が入っている

このようにヘアライン・クラックはディジュリドゥの製作時にできるものが多く、表面的なものなので個人的にはヘアライン・クラックは修理不要な場合が多いと考えています。極端に薄い場所とヘアライン・クラックが重なっていて、空気漏れをしていれば修理が必要です。

自分の楽器のクラックの種類をつきとめることで、修理方法や対処方法は変わってきます。この文章を一つの参考にしてご自身で修理する際の目安にしていただけたら幸いです。

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