0. はじめに
パーソナルな視点と感覚で書いてます
「ディジュリドゥの鳴らし方」、こう銘打ったコラムのシリーズを書くのって結構抵抗がありました。なぜかと言うと、アボリジナルとノンアボリジナルでも鳴らし方が違うでしょうし、プレーヤー個々人でもそれぞれ違うと思うので、一元的に「こうだ!」とは言えないものだと思うからです。
それでも、「あらゆる管楽器を演奏する時には身体の構造的にこうなる」とか、「こうやれば苦しくなるが、こうやれば楽になる」といった、やってみれば誰でも感覚的にすぐわかるようなことは一般化できるんじゃないか?と思って、このマガジンを書くことにしました。
ですので、当たり前ですがパーソナルな視点と感覚で書かれている、ということと、今まで自分がやってきたことのまとめみたいな内容であることをご理解くださいませ。
願わくば、このコラムを参考に色々トライしていただいて、その結果「楽に鳴らせた!」とか、「出音がやわらかくなった」といった方向で役立ててもらえればうれしいです。
ディジュリドゥの体感的理解ってなに?
これから解説するディジュリドゥの演奏方法については、ぼくが自分の身体で感じた体感的な感覚的な理解をベースにしています。ですので、アボリジナルのディジュリドゥ奏者がやっていることを説明しているわけではないことをご理解ください。
「今の自分の音を鳴らす方法はこんな感じです」という極めて私的で現時点のものであるということもふまえて、このシリーズを見てもらえたらと思います。
文章の中で使われる「伝統奏法」という紋切り型の言い回しは便宜上短くわかりやすくするために使っていますが、本来は「アボリジナルのディジュリドゥの演奏を自分の中で体感的に理解した演奏方法」という意味であることも改めてここでお断りしておきます。
このシリーズの導入としてこのような回りくどい文章を書いているのは、ぼくが出会ったアボリジナルの人々に敬意を払う意味ですごく重要なことだと思っています。アボリリナルのディジュリドゥ演奏に影響受けたバランダの解説なのだ、という大前提を読者の方々に知ってもらった上で、稚拙な文章で伝わりにくい部分もあるとは思いますが、一つの参考として楽しんでいただければ幸いです。
GORI