7. 節抜けやその他のクラック
節抜けについて
節を含んだ木を木工用ボンドでコーティングした上にペイントがされていると見た目で節があることはわかりにくいです。木の性質上、節の部分は次第にやせていって隙間でできてしまいます。その場合には節を抜いて、穴の部分をエポキシボンドで埋めて修理します。
節の部分で少しでも空気もれがあると、多少なりとも演奏感に影響します。単純に口をつけて吸う方法で空気もれの有無を確認できますし、オイリングをした場合にもオイルが漏れ出てくるので見つけるきっかけになります。
衝撃によるクラック
今まで見てきた事例の一つに衝撃によるクラックも時折あります。飛行機に乗る時にはディジュリドゥはOversized Baggage扱いとなってサーフボードや釣竿などと一緒に預け荷物になります。
ベルトコンベアの上をスーツケースに混じってディジュリドゥが流れてくる時、重い荷物が上にのっかって割れるということも実際に見聞きしました。これを避けるにはクッション性の高いディジュリドゥバッグに入れる以外に方法はありません。
運送会社による国内輸送時の割れというのも実例として聞いたことがあります。Earth Tubeでの発送時にはバブルラップに包んで段ボールの中で浮いているような状態で出荷するため、一度も輸送トラブルはありませんでした。バブルラップを何重も巻いての発送は結構危険だと思います。
乾燥によるクラック
乾燥によるクラックも起りやすいです。ディジュリドゥの外側は木工用ボンドでコーティングされているので直接的に乾燥することは少ないですが、空洞内側の木は直接外気と触れ合います。これはオイリングをすることで防ぐことが出来ますので、定期的に空洞内部の乾燥状態を確認するといいでしょう。
クラックに関するイダキ・マスターのビジョン
イダキ・マスターD. Gurruwiwiにクラックについて質問すると「クラックが起こるのは、イダキを拒絶するからだ」とその原因について話していました。非常に意味深な言葉です。
そのディジュリドゥにとって強すぎる演奏をする。演奏や空気の乾燥によって膨張と収縮する木の状態を無視して演奏をする。もしかしたらこれらは「イダキを拒絶する」ことなのかもしれません。
ディジュリドゥを拒絶しない、仲良くする方法とは何なのか?ディジュリドゥは非常に野生味のあるブリコラージュ的な楽器ではありますが、長く付き合っていくにはイダキ・マスターが示唆するビジョンを大きくとらえて付き合っていくといいのかもしれませんね。