2022年個人的に良かったエンタメ作品TOP10

今年は去年と比べてかなり動きやすくなり、劇場・ライブハウス・映画館に出向く機会も増えた。配信ライブの増加によってマニアックなライブも現地に足を運ばず視聴できるようになってきた。そんな中、特に良かった作品を10個、備忘録的にまとめておく。
ただし、実際にお金を払って現地で観た or 配信を視聴した作品に限定する。つまり、テレビ番組やYouTubu上の動画は含まれない。

1位:ライブ「キングオブコント準決勝1日目」(9/1@新宿文化センター)

毎秋、TBS系列で放送されるコント日本一を決める大会、キングオブコント。その決勝進出10組を決める準決勝こそ今年一番のライブだった。予選を勝ち抜いた35組が順に5分間のコントを1本ずつ披露するのを2日間行い、その合計点で決勝進出組を決める。
特に、岡野陽一と吉住のユニット・最高の人間のテーマパークのネタでの「逃げて!」の瞬間とニッポンの社長の暗転前の地響きのようなウケ方はこれまで感じたことがない衝撃的なものだった。数千キャパの会場と賞レース特有の熱気がそうさせるのだろう。この2つの大爆発ネタが決勝の舞台ではそこまで跳ねなかったのもそれはそれで興味深かった。


2位:映画「劇場版おうちでキャノンボール」(5/8@新宿K's cinema)

AV監督・カンパニー松尾が生み出した伝説の企画、テレクラキャノンボールの劇場版最新作。テレクラキャノンボールは所謂、超お下劣なナンパレース作品なわけだが、カルト的な人気を誇り、水曜日のダウンタウンの藤井プロデューサーやプロレスラーのスーパーササダンゴマシンがパロディ企画を行うほどの影響力がある。今のご時世的にあらゆる面で「アウト」なこの企画をコロナ禍緊急事態宣言下で劇場公開を前提に撮影するという試みが本作。ご時世を意識した新たなルール設定の中でそれを逆手に取って爪痕を残そうと奮闘するプレイヤー陣の数々の暴挙に映画館は笑いに包まれていた。


3位:映画「さがす」(2/19@池袋シネマロサ)

ふざけていない佐藤二朗が見れる貴重な映画。300万円の懸賞金がかけられた指名手配犯をたまたま見つけたと言う佐藤二朗演じる父親の失踪事件を、父・指名手配犯・娘それぞれの視点から描く。とにかくプロットが緻密。各登場人物間で視点をバトンタッチする部分のシームレスさが映画への没入感を高める。また、佐藤二朗はもちろん、娘役の演技も圧巻。事件解決後のラストシーンは胸を打たれた。佐藤二朗には某監督作品から足を洗ってこっちの路線にシフトチェンジしてほしい…。


4位:岡野陽一単独公演「岡野博覧会」(7/9@配信)

コンビ時代はネタ職人として名を馳せながら、解散後はクズ芸人キャラを確立してほとんどネタを作っていなかった天才・岡野陽一がによる第1回単独公演。岡野のネタを高く評価する東京03・飯塚が劇場を勝手に抑え、半強制的に開催されたらしい。巨匠時代を彷彿とさせるような切れ味のネタの数々に、全く錆びついていないセンスを感じた。「おじさんはうんこが中に入っている割には臭くない」とかいうセリフ、どうやって思いつくんだろう…。これを機にユニットでキングオブコント出たりとネタに意欲的になっているので1ファンとして嬉しい限り。


5位:ライブ「M-1グランプリ準々決勝1日目」(11/12@新宿ルミネtheヨシモト)

キングオブコント準決勝で味わった賞レース予選特有の地響きのような笑いをもう一度体感したくてM-1グランプリも予選を現地で観てきた。ただ、チケットの倍率がエグいので準決勝はおろか準々決勝でも1日目しか取れなかった。M-1グランプリは準決勝敗退組の敗者復活戦が地上波で放送されるため準々決勝を突破すれば売れるチャンスを掴める。また、準々決勝以降は通過した組のネタ動画は公開されない。そのため、漫才師たちにとってはこの準々決勝が正念場となり、決勝でも披露する予定の1番のネタをぶつけてくる。実際、この日は男性ブランコの「音符運び」とヨネダ2000の「イギリスで餅つき」が披露され、2トップの大爆発ウケをかっさらっていた。


6位:ライブ「四節棍」(9/9@横浜ぴあアリーナMM)

10-FEET, BRAHMAN, マキシマム ザ ホルモン、ELLEGARDENの盟友4バンドが合同で開催したアリーナライブ。客が数人しかいないライブハウス時代からの仲のバンドたちが各々天下を取り、再集結して万単位のキャパを埋めている凄まじさ。個人的にホルモンやELLEGARDENは10年以上ずっと追っかけていたのでもちろんだが、この日初めて生で演奏を観たBRAHMANが圧巻のパフォーマンスだった。MC一切なしでノンストップで演奏して最後無音で一言呟き暗転する演出がかっこよすぎた。


7位:ダウ90000単独ライブ「10000」(5/26@渋谷ユーロライブ)

新進気鋭の8人組ユニット、ダウ90000のコントライブ。演劇、コント、漫才などあらゆる脚本をブレーンの蓮見翔が手掛ける。昨年のM-1グランプリで名を売り、今年確固たる地位を築いた印象。日テレ系でショートな連続ドラマ、フジテレビ系では特別ドラマやエルピスのスピンオフドラマを担当するなど、業界人にも激ハマりしているので今後更に目にする機会が増えそう。
脚本の緻密さやメンバーの演技力はもちろんのこと、世代が近いためコントの設定や会話に挟まれる小ネタの共感度が高い。テレビで見る1世代上の売れっ子芸人のネタでは味わえない感覚。


8位:ライブ「粗品に勝ったら10万円」(1/21@配信)

霜降り明星・粗品の自主企画ライブ。タイトルの通り、順にネタを披露して企画者の粗品より観客投票を獲得できた組には自腹で10万円を渡すという企画。企画自体も面白いのだが、粗品自身が選出したネタに定評がある対戦相手の後輩たちのメンツが秀逸。出場組の半分くらいは名前すら知らなかったが、結果的にハズレネタが1つもなかった。粗品が最下位になって140万円失うのが企画の結末としては大正解なのだが、妙に健闘して4位になってしまう終わり方も良い。


9位:映画「THE FIRST SLAM DUNK」(12/6@池袋TOHOシネマズ)

SLAM DUNK映画化の報せを聞いて、今年原作を一気読みしたうえで劇場で観た。原作の記憶が新鮮だったのもあってかなりいい状態で観れた。過去のアニメに思い入れがないので画や声にあまり違和感を感じなかったのも良かったのかもしれない(さすがに桜木の声は序盤「ん?」ってなったけど…)。試合映像のライブ感は日本アニメ史に名を残していいレベル。なかなかできない映像体験だった。あと個人的にはOP映像が好き過ぎた。1人ずつ湘北メンバーが姿を現して、そこから対戦相手が現れる演出。あのOPのためだけに2回目観てもいいくらい。


10位:ライブ「女子中学生がさらば青春の光に100分間質問攻めするライブ」(1/21@配信)

お笑いに興味をもち、テレビ関係者に自らアポを取ってインタビューを繰り返している女子中学生2人組が、さらば青春の光に対して100分間のインタビューを繰り広げる公開イベント。中学生2人が本当にお笑いが好きなことがわかる鋭い質問の数々に対して、さらばの2人が真摯に答え続けていた。「女子中学生」というフィルターを通すことによって、本来答えちゃダメなような質問にもついつい答えてしまう場面が多発していた。



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