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なまもの、ガラパゴス諸島へ行く5 〜サンクリストバルを360°舐め尽くす〜

サンタクルスでは360ツアーというのが流行っていた。どのツアーデスクに行ってもそれが掲げられていたし、お勧めされた。
サンタクルス島を船で一周しながら島とその近郊のいいとこ取りをするよ!ということらしい。
150$/人で1日かけて周るようだ。

明朝宿にてピックアップトラックを待っていても来ないのでWhatsAppにてツアーデスクのRogeroに問いあわると「あと5分…!」という祈るような返事。
5分以上待っていたので宿のオーナーAlfredoも心配そうにしていたけど、何かしらのお迎えが来てデスクへ向かう。
「絶対、水着着てこいよ!当日朝にウェットスーツのフィッティングするから!」
と言われたけど、そんなものは無く
非常に五月雨式に船着場にいる船に乗り込んだ。
マイギアを持ってきていたバンビは何もレンタルすることなくスタッフのすぐ後ろにいたから良かったけど
それ以降のみんなは100m置きぐらいに前の友人を追うスタイルで不安だったかもしれないね。

全員が船に乗り込んでいることが確認されて船は出発した。
メンバーは2組のカップル?と
1人でアメリカから来たスペイン語が堪能な女性?
高齢な母と教師をやっている娘のペア
そして日本人の5名。

まずは有名なKickers Rockでのシュノーケリング。
高齢な母や外洋でのシュノーケルに慣れていないメンバーはガイドさんの引っ張るフロートに捕まって泳ぐ。
岩礁で休むアオアシカツオドリを見たり
自由に泳ぐアシカを見たり


ちょいちょい自主的に潜っていたバンビよりも
待ってました!とばかりに泳ぎ始めた他の面々の方が嬉しそう。

船でしか辿り着けないエリアにウェットランディングし、ウミガメやサメやを見つつ
時折、ガラパゴスの成り立ちや現代の環境汚染問題を学ぶ。

「もし、気づいたらゴミを拾って帰って欲しい。この島を守るために。」

ガイドさんはそう言った。
その言葉に呼応するように我々は見るたびにゴミを拾った。

しかし、意外にも聞こえていたのか聞こえていないのか他のメンバーはゴミを拾わなかった。
そして、我々が拾ったゴミは完全に持ち帰るのではなく、そのエリアに貯められているゴミの中に集められた。

…大風が吹いたら、高潮が来たら、また海洋ゴミに戻るのでは…?
と思ったりもしたが。

ツアーも半ばを過ぎた頃、思い出したようにガイドさんとスタッフがルアーのついた釣竿を船から垂らした。トロールだ。
デスクで聞いた話ではみんなでどこか陸から釣ってご飯にするという話だったけど、時間がないのかな。何も釣れなかった。

さあ、もう予定のポイントは廻ったので、あと1時間か1時間半かけて港に戻ります。
今日は島を時計回りに廻った。
陽も傾いて1日が終わろうとしているころ、船長が叫んだ。

ドルフィーニョ!ドルフィーニョ!

船の後部を見るとたくさんのイルカの群れが追いかけてくる。
追いかけながら、複数でタイミングを合わせるようにジャンプして。
そういえばずうっといつも一緒にいる船がいた。どのポイントでも。
おそらくペアになって行動している船で、その船とぐるぐると円を描くように進み
その波と遊ぶようにイルカの大きな群れはぐるぐるとまわっていた。
船が回しているのか、イルカが回しているのか…

小笠原や伊豆諸島でイルカと泳いだことがある。
どの島の人もイルカが「うまーく」遊んでくれるのだと言う。
ガラパゴスの船長たちはイルカを追ってはいないが、イルカたちと遊ぶすべは知っているようだった。

最初のツアーは大満足の島一周ツアー。
夜はローカル食堂で食事。
店の軒先でcarne(牛)、pojo(鶏)、pesado(魚)など希望のものを焼いてもらってライスと豆煮込みのようなスープのようなソースのようなものを載せてみんなで食べる。
明日は朝早くサンタクルスへ向かう船に乗る。
バンビはサンクリストバルの街にあるというディスコを訪れるのを諦めて宿に帰った。


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