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そういえばミャンマー①〜カックー遺跡に恋して〜

パンガーは雨だった。
明日、プーケット経由でバンコクに戻りあさごんとゴンボは日本に戻る。
バンビはそこからさらに3日ほど遅れて帰国する便を選んでいたのであと数日をいかに過ごすかで悩んでいた。
タイは二度目で10年ほど前にすでに東部を回っていたし、今回は1週間ほど南部に滞在していたので
陸路でミャンマーに行くのもいいかもしれない。
なんといっても陸路の国境越えは面白い。
あんまりミャンマーに何があるのかは知らないけどどうやらバンコクからヤンゴンへの道中にはミャンマーに無知なバンビですら聞いたことのある金箔のありがたい岩があるらしい。
そのあたりに寄りながらヤンゴンのパゴダでも周ろうか。

北部には世界遺産に登録したてホヤホヤ(2019, 8月時点)のバガンやマンダレーなんて場所もある。
夜行バスか夜行列車を使えば北部も少しは巡れそう。

そうこうしてネットサーフィンしているうちに一つの遺跡の写真が目に止まった。
カックー遺跡。
2000年に外国人観光客にも開放されるようになったという遺跡。
大量の仏塔。ステキ。

そういうわけでゴールデンロックと陸路国境越えは却下され明後日の早朝にバンコクからヤンゴン経由空路にてカックー遺跡を目指すことにした。


まだ夜が明ける前に宿を出てドンムアン空港を足早に目指す。
そこへスッと前に立ちはだかる者がいた。
猫だ。
やたらなついてくれるのは嬉しいのだが、チェックインが混みそうなのでそこそこにお相手して立ち去りミャンマーへ旅立った。

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ヤンゴンへ着いたのはいいがミャンマーのお金チャットを持っていない。
国内線への乗り継ぐまでに両替したいのだがどこで両替するのがお得なのか。
どこの国へ行ってもレートの良い換金場所を見出すのは非常に重要だ。

ちらっと「日本円の流通は少ないので米ドルで持っていくのが良い」とかどこかで見かけたが
なんせwifiにも繋げないのでこれ以上情報も入らず、椅子に座って地球の歩き方を読んでいる恐らく日本人に尋ねてみた。

お兄さん情報によると多分空港が良いと言うので
もはやどれぐらいのレートが妥当なのかわからないが空港でひとまず両替する。
のちにこのレートは比較的悪かったと知る(ミャンマー他都市との比較)が。

国際線も国内線もターミナルはこじんまりとしており大した暇つぶしもない中長らく待ったのち
カックー遺跡近くのヘホ空港行きの格安航空AIR KBZに乗り込んだ。

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隣の席は綺麗なロンジー(民族衣装)を着たマダムで
ミャンマー語で「ありがとう」は「チェーズーディンバーデー」と教えてくれた。
ちょっと覚えにくいミャンマー語。タイ語とも違う、けど少し似たコロコロした可愛い文字。
しかしこの可愛い文字系は見慣れないとなかなか解読できないくせもの。

さて、ヘホ到着。
何もない。
どうやらバスもない。
タクシーか家族のお迎えの2択。

ヘホ空港に来る人の行き先の大半は南下したところにある水上村と伝統漁が見どころのインレー湖でその近くの町ニャウンシェに滞在する。
バンビは東にあるタウンジーに近い、しかしそこより少し手前のAyetharya(イサヤ?)という小さな町に滞在することにしていた。
スペインから来たというカップルにどこに行くのか?と尋ねるとやはりニャウンシェだという。
できれば途中まで同行して割り勘したいのだがさすがに方向違いだ。

飛行機に乗っていた人はそう多くなく
この人波を逃すといつ来るかわからない次の便まで同行者を待つか一人でそこそこの支払いをしてタクシーに乗ることになる。
短期決戦だ。

運転手がイサヤに行く人はいないからさ、諦めなよ!といってくる。
いや、諦めない。
イサヤは居なくてもタウンジーならいるかもしれない。
一人旅のミャンマー人少年に聞くとタウンジーに行くという。

ほら!

運転手は「タウンジーとイサヤ別の場所だ。」
バンビ「途中まで一緒なんだから通り道の最も近い場所で降ろしてくれればいいから!」
少年「・・・・(困ったような顔で)」

運転手を無視してタウンジー!タウンジー!と人々に呼びかけるバンビ。
運転手「わかった、わかった。もし、もし、同じ方向でシェアしてもいいという人がいたら一緒に行こう」

結局、先ほどの少年と新たなカップルがタウンジーに行くというこうとで
4人で割り勘してい行くことになった。

ほら!!

タクシーは30~40分、山と岩の多い景色の中を東へ走り、バンビの滞在宿に到着した。
困った顔していた少年も笑顔で手を振ってお別れしてくれた。

宿に入るとミャンマー人の女性と日本人の女性が待っていた。
着くなり日本人女性は言った。
「カックー遺跡、行きません?」

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