なまもの、ガラパゴス諸島へ行く1〜翔んでLA〜
2023年12月22日
目が覚めたらデルタ航空からメールが入っていた。
本日のフライトは2時間程度遅れる見込み。
Oh yeah…………!
みんなに個別でLINEなりメールなりで伝えて再び目を閉じた。
今日はガラパゴス諸島へ旅立つ日。
数年振り、いや、人によっては15年振りに再会する
生き物を愛する同級生との旅の始まりの日。
今日、40歳記念と称して、私たちはガラパゴス諸島へ向けて旅立った。
この日のために一年以上前、いや構想から含めればもっと前からささやかに準備をしてきた。
一度は生物学を志したものなら訪れたい
ダーウィンの進化論が練られた場所
生物多様性と地形ダイナミクスのホットスパット
そのプランに興味がある!と挙手したのは29名中11名
実際にたどり着くことになったのは7名。
それが多いのか少ないかはわからないけど。
そんな、モチベーション高い?プランを主導していたバンビ(私)は出発の10日前に愕然とした。
LA経由のためのESTA取得にはキューバへの渡航履歴を記載しなければならない… !!!
以前は無かったESTA取得制限事項に
「2021年以降にキューバへの渡航履歴があるものはESTAを取得できない」
とあるのだ。
それは知っていた。バンビも知っていた。
でもバンビがキューバへ行ったのは2015年で非該当だと思っていたのだ。
しかし、実際にESTAの申請フォーマットを開いてみると
「2002年以降に北朝鮮、イラン、…、キューバのいずれかに入国したことがあるか?」
という質問に変わっていたのだ!
これは、これは!!!どうすべし!!???
咄嗟に申請を中止し、ネットを検索する。
①2021年以前のキューバ渡航履歴ありでESTA取得失敗した…!という事例もあれば
②2021年と書いてあるから2021年以前の渡航歴は関係ないと思いつつも怖くて2002年以降の渡航歴について詐称してしまったけどどうしよう!!とか…
正直どれもアテにならん!!!!!!
明確に2002年以降のキューバ渡航歴が原因で入国拒否された事例は無い(①は予想でしかない)。
VISA取得するのが最も安牌だろうが
超最速で審査が進めば間に合う☆レベルのスケジュールでは
VIPでないバンビにとっては非現実。
もう、行くしかない。
質問フォーマット上は一律2002年で聴いているが
国によって制限が異なること
そのために各国に何年に渡航したかを記載する欄があること
各国の公式制限期間に非該当であれば問題ないこと
を期待して、信じて、
最終的には公式文書との相違をもとに戦うしか無いことを胸にLAへ向けて飛び立った。
コロナのワクチン接種履歴が渡航要件から外れた!とLA経由を可としたけれども
世界には未知の微生物以外にも戦わなきゃならないと思っているものがあるんだなあ、と思った。
それぞれが家族も仕事も資金も調整しまくって今日を迎えた。
そんな出発の日は厚い雲が日本列島を沿うように滞在し
アメリカ側のどこから来てもしんどいですよ!という天気図。
どの航空会社も軒並み(アメリカ方面は)遅延(おそらく到着機遅延理由)となりながらも、2時間遅れで順調に出国し
地球の自転のおかげか風向きのおかげか、根性か、思ったよりも遅延は軽く
LAに5名の”なまもの”は降り立った。
バンビは「単身だと入国審査で怪しまれる率が上昇するから一緒にいて!」と”りさこちゃん”に懇願し長蛇の列を片時も離れぬように待ち続けた。
LA空港のwifi状況はよろしく無いらしく、ポケモンGOにて世界のレアポケモンを狩ってやろうと思っているりさこちゃんの野望は審査の列と同様に遅々として進まなかった。
いよいよ自分たちの番!!
緊張してパスポートを出すと審査官が
「バンビ!!(実際は本名で)」と叫んだ。
「キューバにいる有名なミュージシャンと同じ名前だよ!知らない??」という。
お、お、おおう、知らない!けど後でチェックしとくわあ!!!
え?これ仕込み??と思うほど私のキューバ的弱点を突いてくる質問だったけど
最新の入国管理機器に翻弄されていそうな彼は私を難なく通した。
晴れて入国がかなった5名はwifiと事前にインストールしておいた”ミッシェル”のeSIMを駆使して
Uberを呼び寄せることにした。
しかしLA空港はどうやらルールが厳しいらしくUberやタクシーが拾える場所は限られており
そこまでもシャトルバスでLAX-itというポイントへ移動する必要があるらしい。
それすらも知らずにいた我々はしばし右往左往し、バス乗り場にいた親切なおじさんの案内によって辿り着けたのだった。
LAでは9時間ほどの待ち時間の予定なのでサンタモニカ近郊でサイクリングでもしようかと思ってた。
LAには一度だけ、メキシコへのトランジットで一泊だけしたことがあったけど南部しか訪れなかったのでよく知らないけれど
サンタモニカは比較的治安もよく、レンタサイクルと交換にで荷物を預かってくれるところもあり、海とショッピングを楽しめる乗り継ぎにぴったりな場所だと思ったんだ。
しかし、すでにLAは日没を迎えようとしていた。
せめてサンタモニカビーチでも見れば乗り継ぎの合間の気分転換になるかな、と思い。
フォレスト・ガンプのモデルのレストランもあるとか。
Uberであまり意味もわからずサンタモニカビーチへ向かった。
LAの街中を走りながら、先ほどまで雨が降っていたことと空が夕焼けに染まりつつあることを理解して。
そこで何も考えずに見た夕焼けは素晴らしかった。
これまでに見た夕日の中で最も美しく、いつまでもいつまでも燃え続ける空に呆気にとられた。
これがLAの日常なのか、運が良かったのかわからないけど
旅の初日にしてクライマックスを迎えてしまったもんだ、と思った。
まだ、私たちの旅は始まったばかり。
これからまだまだたくさんの驚きが待っている。