【信州ブレイブウォリアーズ】2021-2022シーズン途中経過①【第7節終了時点】
2021-2022シーズンも第7節まで終了してシーズン全体の1/5にあたる12試合を消化しました。そこで、信州BWの今シーズンの入り方がどうだったのかクラブ成績と個人成績を見ながら振り返っていきます。
※あくまで個人的な意見です。
クラブ成績①〈順位と対戦成績〉
西地区6位 7勝5敗
信州は現在、西地区の6位。しかし、4〜6位が同率でCS圏内の3位三河とも1ゲーム差なのでまあまあ好スタート。対戦成績は7勝5敗で白星が2つ先行。勝敗の内訳を見てみると、
・第1節富山戦:2勝
・第2節横浜戦:2敗
・第3節東京戦:2敗
・第4節大阪戦:2勝
・第5節北海道戦:1勝
・第6節秋田戦:1勝1敗
・第7節三遠戦:1勝
今シーズンここまで勝ち越している東京に2敗、勝率5割の横浜に2敗、負け越しているクラブには秋田にのみ1敗でそれ以外は勝利。ただ、横浜戦はウェインがほぼ欠場、負けた秋田戦は岡田が欠場していた。
また、地区別に対戦成績を見てみると、
・東地区:2勝5敗
・西地区:5勝0敗
同地区のライバル相手にはここまで全勝、東地区相手には大きく負け越しという状況。
クラブ成績②〈スタッツ〉
平均得点:75.8(71.9)
平均失点:72.6(75.0)
平均3P試投数:24.1本(31.4本)
平均3P成功数:8.2本(10.1本)
3P成功率:33.9%(32.0%)
平均IP試投数:31.9本(23.3本)
平均IP成功数:18.0本(13.1本)
IP成功率:56.4%(56.1%)
平均OP試投数:6.4本(5.1本)
平均OP成功数:1.9本(1.8本)
OP成功率:29.9%(35.0%)
平均ファストブレイクポイント:8.8(5.2)
平均セカンドチャンスポイント:9.6(7.8)
平均オフェンスリバウンド:10.8(8.9)
平均ディフェンスリバウンド:27.3(26.1)
平均アシスト:19.7(19.1)
※()内の数字は昨シーズンのスタッツ
今シーズンも信州のDFは堅い。シーズン開始前の個人的な予想では、三銃士が勝久HCのDFシステムを理解するまではDFのクオリティが少し下がると思っていた(DFが苦手な岡田もいるし)。しかし、実際は昨シーズンよりも2.4点少ない平均72.6失点。これはリーグ2位の数字でトップの東京とは合計失点で1点差(東京870失点、信州871失点)。まだ三銃士のシステム理解度は完璧ではなく、連携ミスも多々ある中でこの数字。末恐ろしい。
OFに関しては昨シーズンとはもはや別物。平均得点は昨シーズンから約4得点増とそこまで大きな違いは無いが、得点の取り方が全然違う。昨シーズンは2Pシュートよりも3Pシュートを多く試投するBリーグで唯一無二のスタイルだったが、今シーズンは三銃士のドライブを起点にペイントエリア内からシュートを多く狙うスタイルに変更。数字を見ると平均3P試投数が7本以上減少して平均IP(ペイントエリア内のシュート)試投数が8本以上増加。ただ、3Pに関しては試投数は減少しているが、成功率は約2%上昇。日本人選手の得点上位3人の平均3P成功率を昨シーズン(西山33.0%、栗原31.9%、大崎27.0%)と今シーズン(岡田40.3%、前田32.1%、熊谷30.6%)で比較すると、今シーズンの方が確率が高くなっている。
三銃士効果で機動力がアップ。平均ファストブレイクポイントが3.6得点増加。また、ペイントエリア内からのシュートが増えたことでオフェンスリバウンドが拾いやすくなって(1.9本増)、平均セカンドチャンスポイントも1.8得点増加。
個人成績①〈三銃士〉
岡田
10試合(10GS) 28分24秒
19.0P 2.3R 3.2A 0.9S 0.4B 2.0TO
3P%:40.3% 2P%:65.5% FT%:73.3%
信州の新たなエースは絶好調。チームトップの平均19.0得点はリーグ全体でも12位、日本人選手に限ればリーグトップ。3Pが40%以上、2Pが60%以上と全てのシュートが高精度。ペイントエリア内でのシュート成功率は脅威の70%超え。出場した全試合で2桁得点、3P1本以上成功。特に勝負所での活躍が際立っていて、4Qだけで平均7.8得点。チームを勝利に導くクラッチプレイヤー。まさにエース。
熊谷
12試合(11GS) 27分33秒
8.8P 2.8R 4.8A 0.9S -B 1.2TO
3P%:30.6% 2P%:39.3% FT%:86.2%
信州の新たな司令塔は安定感抜群。ボールキャリーやボール回しでほとんどミスが無い。平均1.2ターンオーバーが安定の証。リーグ全体でも熊谷よりプレータイムが長くてターンオーバーが少ないのはハンドラーではない金丸アヴィの2人だけ。DFも効果的で、相手のハンドラーに前線からプレッシャーをかけ続ける。ここまでシュート成功率が全体的に低めだが、直近5試合では3Pが46.7%、2Pが55.6%と高確率。平均13.4得点に加えて平均6アシストを記録。調子を上げてきている。
前田
12試合(12GS) 24分38秒
7.1P 3.1R 2.7A 1.2S 0.2B 1.8TO
3P%:32.1% 2P%:48.1% FT%:50.0%
信州の新たなエースキラーはOFでも存在感を放つ。スタッツ上ではそこまで目立った数字は無いが、第4節の大阪戦からハンドラーとして起用されるようになってOFでも躍動。大阪戦以降は平均9.2得点4アシスト。大阪戦までは1本しか決めていなかった3Pも大阪戦以降は8本決めている。
個人成績②〈外国籍〉
マック
12試合(12GS) 30分12秒
12.1P 9.5R 4.3A 2.0S 1.2B 1.8TO
3P%:35.9% 2P%:55.3% FT%:60.0%
38歳で今シーズンの開幕を迎えたマックは昨シーズンよりも良いスタッツを残している。特に昨シーズン不調だった3P%が復調(26.5%→35.9%)して、平均得点も増加(10.7→12.1)。DF面ではスティールがキャリアハイペース。昨シーズンよりアシストは減少しているが、それだけ三銃士にハンドラーの役割を任せているということだろう。
ウェイン
11試合(11GS) 24分15秒
9.3P 4.8R 2.3A 0.2S 0.7B 1.6TO
3P%:23.5% 2P%:48.6% FT%:68.8%
マックとは対照的に昨シーズンと比べて数字を落としているのがウェイン。特にシュート成功率が3P(36.0%→23.5%)も2P(60.2%→48.6%)も昨シーズンよりも低下。それに伴って平均得点も1桁に。ただ、これは昨シーズンならOFが停滞するとウェインのポストプレー頼みだった信州が、今シーズンはウェインの得点に頼らなくても三銃士を中心にOFが出来ているというポジティブな要素でもある。DFでは今シーズンも存在感を発揮。ゴール下の番人として君臨している。
ジョシュ
12試合(1GS) 25分49秒
15.9P 6.8R 1.1A 0.3S 0.8B 1.0TO
3P%:38.0% 2P%:60.2% FT%:82.9%
信州のセカンドスコアラー。今シーズンもシュート精度が高水準。機動力があるので三銃士が試合のペースを少し上げてもついていける。昨シーズンと比較するとリバウンドが少し減少しているが、その分マックのリバウンドが増加しているので問題なし。DF面でフィジカルの強い外国籍選手相手だと押し込まれてしまうのが今後の課題。
個人成績③〈既存組〉
三ツ井
12試合(2GS) 15分31秒
2.5P 2.3R 0.3A 0.2S 0.4B 0.2TO
3P%:40.0% 2P%:42.3% FT%:100%
既存組の中で最もプレータイムが長いのが三ツ井。今シーズンの開幕戦で1分ちょっとしか出番が無かった時には勝久HCにローテから外されたのかと思ったが、直近4試合は全て20分以上プレー。昨シーズンは確率が悪かった3Pも今シーズンは40%の成功率。北海道戦と三遠戦では大事な場面で2本沈めた。
大崎
12試合(1GS) 12分45秒
1.8P 1.3R 1.2A 0.1S -B 0.9TO
3P%:16.7% 2P%:46.2% FT%:50.0%
今シーズンの大崎はなかなかシュートが決まらない。昨シーズンも一昨シーズンと比べてシュート成功率が低下していたが、今シーズンはさらに悪化。開幕戦から5試合連続を含む8試合で無得点。ミスも少し多めで、リーグ内の大崎と同じターンオーバー数の選手たちと比較しても大崎が最もプレータイムが短い。今シーズンはミスの少ない熊谷のバックアップを務めている為、余計にミスが目立つ。
ジェミン
12試合(0GS) 11分24秒
2.2P 1.8R 0.5A 0.2S 0.2B 0.5TO
3P%:18.2% 2P%:38.1% FT%:66.7%
個人的にシーズン開幕前から最も注目していたジェミンだが、ここまでは伸び悩んでいる。昨シーズン38試合しか出場出来なかったジェミンが、今シーズンはここまで全試合出場しているのはポジティブな要素。しかし、どの試合でも期待値以上の活躍を残せてはいない。ジェミンのポテンシャルが開花するのはいつになるのか。
栗原
5試合(0GS) 11分48秒
2.2P 1.4R 0.4A 0.2S -B 0.8TO
3P%:50.0% 2P%:20.0% FT%:0%
昨シーズンから引き続き苦しんでいる栗原。今シーズンはここまで5試合に出場。直近6試合連続でコンディション不良を理由に欠場。まずはコンディションを整えて復調の糸口を掴みたい。
その他①〈日本人ビッグマン〉
井上は3試合に出場して合計8分39秒プレー。今シーズン途中加入のマットの出場は秋田戦第1試合のBリーグデビュー戦のみ。この2人の出番はこれからも外国籍3人のトラブルや大差がついた時など限定的なものになるだろう。
その他②〈西山〉
西山が第7節で怪我から復帰。今シーズン初出場。しかし、プレータイムは3分45秒とこれから徐々に慣らしていく感じ。コンディションが整ったら大崎とプレータイムの奪い合い。
まとめ
新戦力の三銃士を加えてシーズン開幕から白星先行の好スタートを切った信州。三銃士中心のチームになってもDFは鉄壁のまま。OFは三銃士仕様にアップグレード。三銃士は期待以上の活躍ぶり。外国籍3人は期待通り。既存組は若干出遅れ気味。今後、西山栗原のコンディションが整ったらポジション争いがどうなっていくか。チーム内で切磋琢磨しながらさらに白星を重ねて、まずはCS圏内に入りたい。