【信州ブレイブウォリアーズ】プレシーズンゲーム群馬戦の振り返り【2021.9.5】
2021年9月5日に開催されたプレシーズンゲーム群馬戦の振り返り。
※あくまで個人的な感想です。
BOX SCORE
※手動での集計なので精度はイマイチ。
※おそらく信用できるのは得点とPTくらい。
※どこからどこまでをアシストやリバウンドと記録するのが正解ですか?
新戦力三銃士の評価
この試合最大の注目ポイントだった岡田熊谷前田の3人。結論から言うと3人とも素晴らしい活躍を見せてくれた。しかし、改善点があったのも事実。そこで3人の良かった部分と良くなかった部分を振り返っていく。
【岡田】
・良かった部分
3P4本を含む18得点、アシストもチーム最多と持ち前のOF能力を遺憾なく発揮。プレーする姿からはエースとしての自覚が感じられた。
・良くなかった部分
DF全般がソフト過ぎる。(エースとして長くコートにいてもらうためにはファールをしないという意味でも目を瞑らないといけないのかもしれないが…)
【熊谷】
・良かった部分
昨シーズンの信州の課題だったボール運びを確実に遂行。OFでは果敢にドライブを仕掛け、DFでは前線から激しくプレッシャーをかける等、プレーに積極性が見られた。
・良くなかった部分
ドライブを仕掛けた後のプレーの選択。レイアップを果敢に狙うも確率が良くなかった。チームメイトとの連携を深めて、アシストも含めたプレーの選択の精度を上げていきたい。
【前田】
・良かった部分
ドライブ、ポストプレー、3Pシュートと様々なパターンで得点を記録。ハンドラーとしてプレーできることを示し、岡田に次ぐ日本人スコアラーになり得る素質を見せた。
・良くなかった部分
この試合に関しては期待していたほどDFが良くなかった。主にマッチアップしていたジョーンズに試合を通して25得点を許してしまった。信州のもう1人のエースキラーになって欲しい選手なのでDF面は辛口評価。
総評としては、OF面は3人とも期待通りかそれ以上だった。しかし、DF面はそこまで。特にチームDFが3人とも良くなかった。これは勝久HCの戦術をまだ全て理解できていないということだろう。シーズン開幕までにどれだけ勝久HCのバスケを習得できるか。若き三銃士に期待。
既存戦力の評価(日本人+アジア枠)
新戦力3人が素晴らしい活躍を見せた中、既存戦力の選手達は厳しい内容の選手が多かった。それぞれの選手ごとに振り返っていく。
【ジェミン】
個人的には日本人+アジア枠の既存戦力の中で最も内容が良かったと思えたのがジェミン。ルーズボールやORに積極的に飛び込むプレーは素晴らしいの一言に尽きる。2,3番として起用された選手の中では5番目のPT(9分35秒)だったが、FGA4本は16分以上プレーした栗原三ツ井より多い数字(共に3本ずつ)。FTを獲得する等、シュートに対する積極性を見せた。今シーズン、勝久HCが岡田前田に次ぐ3番手のウイングとしてジェミンを起用したとしても驚くことはないだろう。
【井上】
チーム唯一の出番無し。ジェミンを4番としても起用していたところを見ると、今シーズンもなかなか出番は与えられないかもしれない。
【西山】
特にミスも無く無難にPGの役割をこなしていた印象。昨シーズンの爆発的な活躍と比較すると物足りないような気もするが、信州が岡田中心のチームになっていくのだと思うと、このプレースタイルの方が合っているのかもしれない。
【栗原】
同じポジションに岡田が加入したにも関わらず勝久HCがスタメン起用した栗原。間違いなく期待されている選手だが、内容はかなり悪かった。キーナンのプレスにボールを奪われファールを犯す。7分以上PTの短いジェミンよりFGAが少ない。自分の近くに落ちたボールを拾えずチェンバースに2つのORを与える。厳しい言い方だが、ハンドラーとして機能せず、シュートに積極性も無く、ハードワークも出来ていなかった。昨シーズンもB1チームのプレスになかなか対応出来なかった栗原。前述したように勝久HCは間違いなく栗原に期待しているし、多くの信州ブースターも栗原に期待しているはず。ここで一皮剥けてB1で安定した活躍をする姿を見せて欲しい。
【大崎】
3分15秒しかPTが与えられなかったのはローテーション争いからの脱落か?もしくはコンディション面でのトラブルか?ここまでPTが少なかったのには何らかの理由があるはず。
【三ツ井】
前田同様、ジョーンズに25得点を許したのはエースキラーとして残念な要素。昨シーズンは三ツ井が独占していたエースキラーの役割だが、今シーズンはそうでは無い。チーム内のライバルに負けない仕事ぶりが求められる。OFではコーナーで待機しているのがこれまでの役割だったが、前田の加入で3番までハンドラーとしての役割が求められそうな今シーズンの信州。昨シーズン、3番ポジションの1番目は三ツ井だったが、そのポジションが今シーズンも確約されているわけではない。この試合では16分以上のPTを与えられたが、前田が退場していなければあと3〜5分は短くなっていただろう。新戦力の前田、日々成長を続けるジェミンを相手に三ツ井がPTを確保するにはこれまで以上に存在感を示さなければならない。
既存戦力の評価(外国籍)
今シーズンもチームの土台を支えるマックウェインジョシュの3人。この試合でも流石の安定でチームを支えてくれた。それぞれの活躍を振り返っていく。
【ジョシュ】
昨シーズンはベンチスタートが多かったが、この試合ではスタメン起用。流石のシュート力で3Pシュートを2本沈める。9リバウンド(4OR)に2ブロックとインサイドでも奮闘。インサイドでのシュートをいくつか外したり前半ファールトラブルになってしまったのが修正点。今シーズンはベテランのマックウェインを温存する意味でも、ジョシュが外国籍選手の中で最多のPTを獲得することに期待したい。
【ウェイン】
今シーズンもゴール下の番人は健在。17得点9リバウンド5ブロックの大暴れ。3Pも2本沈めた。昨シーズンは困ったらウェインのペイントアタックに頼る場面が多かったが、今シーズンは新戦力の加入で負担も減るはず。健康体を維持してシーズンを戦い抜いてもらいたい。
【マック】
3Q途中にファールトラブルになりながらもチーム2番目のPT(26分37秒)を記録。目立ったスタッツは無いが攻守において安定した活躍。DFとリーダーシップで今シーズンもチームを引っ張っていってくれるはず。若い選手が揃ったチームを勝利に導いて欲しい。
チームとしての評価
ここまで選手個人の振り返りをしたきたが、ここからはチームとして良かった部分と良くなかった部分を振り返っていく。
・良かった部分
昨シーズンと比較してFGAが増加(59.8→73)。3FGAはほぼ一緒だったため(31.4→32)、2FGAが増加していることになる(28.4→41)。この要因が新戦力3人によるペイントアタック。昨シーズン、日本人選手の2FGAのTOP3は西山(2.7)、大崎(2.7)、小野(2.1)。それに対して新戦力3人のこの試合での2FGAはそれぞれ岡田(8)、熊谷(5)、前田(5)。この合計10本以上の差が新戦力3人がペイントアタックをより多く仕掛けていることを示している。
また、ペイントアタックが増加したことでORも増加(8.9→14)。これは、ペイントアタックを仕掛けることでシュート時の外国籍選手の立ち位置が変わったことが要因。これまでだと外国籍選手がピックをかけた後、日本人選手がすぐ3Pシュートを放つため、外国籍選手は3Pラインの外にいてORに入れないケースが多かった。しかし、新戦力3人は外国籍選手がピックをかけた後、ペイントアタックを仕掛けるため、外国籍選手がゴール下に飛び込む時間ができてORに入れるようになった。これがORが増加した理由だろう。(他にネガティブな理由として、ペイントアタックからのシュートが落ちてるからORのチャンスが増えた、というのもある。)
・良くなかった部分
とにかくDFの連携に尽きる。新戦力がまだ勝久HCの戦術を理解できていないことで自慢のDFが崩壊。群馬に80失点を許してしまった。チームDFこそ信州のコアとなる要素なので、ここが崩壊したままシーズン開幕を迎えるのは避けたいところ。
・残念だった部分
良し悪しではないが、PGのポジションを熊谷西山の2人だけでローテしてしまったのは少し残念だった。大崎がPGとして岡田とどう共存するのか、岡田がPGとして起用されたらどんなラインナップが組めるのか。そういった部分もプレシーズンゲームでは見たかった。
最後に
新シーズン開幕前の前哨戦となった今回のプレシーズンゲーム。実際に見た新戦力三銃士のスペックの高さは期待以上で、今シーズンの成功を予感させてくれた。戦術理解度を高め、万全の状態でシーズン開幕を迎えて欲しい。
また、対戦相手の群馬も素晴らしいチームだった。豪華メンバーが揃い、B1昇格組とは思えないクオリティのバスケを展開していた。正直地区が違くて良かったと心から思っている。
最後に、コロナ禍の大変な時期に有観客でプレシーズンゲームを開催してくれた全ての関係者の方々に感謝。シーズン開幕が待ちきれなくなるような素晴らしいゲームでした。