お台場合衆国、それは人生の夏。失ってから気づくにはあまりにも遠い夏…。
その幻影を探し、追憶に思いを馳せるべく、筆者は東京テレポート駅に降り立った──
電波と虚無の臨海未来都市…
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2024年9月の記事一覧
お台場合衆国幻影探究⑤ -舌鼓-
《チリーン………チリーン……》
ネプリーグメンバーが全員去ると、すぐに日が沈み、あたりは闇の静寂に包まれた。
──はずだった。
《チリーン………チリーン……チリーン…》
幻聴だろうか…。いや、確かに聴こえる。
《チリンチリン……チリーン……》
夜空の向こうから、ちいさなベルのような、か細い音が聞こえるのだ。
旧友の声よりも聴いたような、いま人生で初めて聴くような…。
不可能かもしれな