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冬山経験ゼロランナーのモンブラン登頂記

マラソンやトレイルのことばかり書いてきたが、実はもう一つの趣味は登山。

アイゼンやピッケルを持った冬山経験なしであったものの、夏はUTMB完走を最大目標に掲げてきただけに諦めかけたモンブラン(Mont Blanc) 4807mの挑戦を5月に決めて、7月に行ってきた。

将来の挑戦者、挑戦しようと思う方の何らかの役に立てばと思い、記述する。

0 ポイント

・冬山未経験でも、マラソンを走る体力、良識なガイド、高度順応ができ、天気に恵まれれば、問題なく登頂は可能。しかし、落石が危険な箇所などもあり、油断は大敵。

・それなりにお金がかかるのと、多少危険なところを通るというデメリットはあるものの、晴天下でのモンブラン登頂は、素晴らしいの一言に尽きる。

1 ツアー

申込みが直前過ぎたため、日本ツアーへの合流や現地ツアーのも含めて、選択肢はほぼなし。ツアーを選択する際のポイントは、費用と日程以外として、雪山のでのトレーニング数日とモンブラン登頂がセットになっていること、1人参加でも費用を抑えられること。

結果、2日トレーニングと3日でモンブラン登頂を目指す、計5日間のツアーを選択。参加者も1人でも、2人でも、同料金となるものにして、イギリス人の方と2人で行くことになった。

申込み後、ツアー側からは、登山の10週間前からのトレーニングメニューとして、ジョギング45分、ハイキング120分など、週5日のトレーニングプランが提示された。

申込み時には、残り5週間ほどしかなかったものの、自身は、それまでどおり、週6回のランニング、週末は起伏あるトレイルなどを走り、準備を進めた。

2 コース全容

0日 シャモニで事前打合せ、泊

(トレーニング)
1日 シャモニ10:00発→エギュイユ・デュ・ミディ(3841m)→周辺トレーニング→コズミック小屋(3615m) 泊 

エギュイユ・デュ・ミディ
周辺マップ
先駆者に感謝@シャモニ
1年前のTDSは忘れない@シャモニ
シャモニ滞在ホテルより
初のアイゼンを付けていきなりこれですか??
白と青のコントラストが美しい
アイゼン付けてこれ登るの?(初心者)
5日間で最もしんどかった岩場登り
コズミック小屋へ


2日 コズミック小屋6:30発→周辺トレーニング→エギュイユ・デュ・ミディ→シャモニ 泊

朝は雪、7月の雪は初めてかも
出発時には太陽が
これ貸し切りって、本当に贅沢なひと時だった
エギュイユ・デュ・ミディ
までの登りがしんどい

(本番)
3日 シャモニ11:00発→(バス)→レズーシュ→(ケーブルカー)→ベルヴュー(1800m)→(トラムウェイ・デュ・モンブラン)→ニ・デーグル (2372 m)→テッドルース小屋(3167m)泊

3,4,5日目ルート
まずはケーブルカー
ハイキングコースの感じ
テッドルース小屋からの眺望
右上がグーテー小屋、真ん中正面の斜面の落石、登りよりも下りに注意。

4日 テッドルース小屋4:30発→グーテー小屋(3867m)7:15発→モンブラン(4807m)11:15着→グーテー小屋14:30着 泊

気を引き締めて、さぁ出発
あまりの美しさに足を止める
自然が作り出した世界の美しさに感動
雪しかない世界
山頂へ
グーテー小屋へ
グーテー小屋からの景色


5日 グーテー小屋3:45発→ニッドダイグル小屋(2372m)6:30着→(トラムウェイ・デュ・モンブラン)→ベルヴュー→(ケーブルカートラブルで徒歩)→レズーシュ→(バス)→シャモニ、解散

グーテー小屋からテットルース小屋に向かう下りが最も危ないところであり、最注意が必要。

危険なところを越えて一安心

3 持ち物

ツアー側から提示された物を含め、4日目の山頂時の持参品は以下のとおり。

・ザック(Coleman 45リットル)
・ザックカバー→使わず

・Patagonia(Gore-Tex)上←持参物が古かったので、シャモニで新たに購入
・Mont bell(Gore-Tex)下
・UNIQROウルトラライトダウン→使わず
・ミドルレイヤー上
・登山用パンツ(Decathron購入)
・ロングタイツ(ラン用)
・ロングTシャツ(ラン用)
・速乾性下着(トレイル用)

・ベッドライト(Petzl900ルメール)(トレイル用)
・帽子
・サングラス(ラン、トレイル用)
Buff(ラン用)
・ポール(Black Daimond)(トレイル用)

・Black Daimond手袋(Gore Tex)(知人からのレンタル)
・ゴーグル→使わず
・日焼け止め(肌、リップ)

・靴ズレ防止テープ←靴ズレが気になり、シャモニで購入
・サバイバルシート→使わず
・軽食
・スマホ
・アクションカメラ
・GPS Watch(ラン用)→登山モードで使えばよかった、と反省

※途中のグーテ小屋に、山頂登頂に不要な荷物を預ける。

◯レンタル
登山シューズ: シャモニのsnellsportsでレンタル。1日単位でのレンタルが可能。
https://snellsports.com/

アイゼン、ヘルメット、ピッケル、ハーネス、ロープは、ガイドからの無料レンタル

4 所感

登頂日が1日ズレたら雨降りとなっていた中で、天候に恵まれ、そして、ガイド及び仲間に恵まれた、大変素晴らしい旅となった。

モンブランは、体力があれば何とかなるとは聞いていたものの、初日のアイゼンを付けた岩場での訓練では相当苦戦し、実のところ、今回の旅で最もしんどかったのはこの岩場訓練。

その他、2日目のシャモニ下山後や4日目のグーテー小屋到着後の高山病と思われる頭痛(薬局でアスピリンを購入し対処)や、3日目に靴擦れが気になったものの、大きな影響はなかった。

標高4000メートルを越えたのは人生初めて、酸素は平地の約2/3とのことだ、息苦しさを感じ、急登はさすがに簡単ではなかった。

登り下りともに落石注意の場所をガイドより聞いており(上述写真)、まず何もないと思いつつも、わずかの時間ではあったが緊張の瞬間であった。

4日目の早朝のグーテー小屋からの下山はかなり急勾配であり、滑落しないよう細心の注意を払った。自身は、ガイドと登山経験豊富な仲間の間でロープで繋がれており、その点の安心感はあったものの、先頭を歩く仲間に自分のロープが引かれることで冷や汗をかくことも数度あったものの、転倒もなく無事に下山ができた。

8月にもモンブランで落石による死者が出たとのニュースもある中で、細心の注意を払いガイドしてくれ、またともに声をかけあって喜びを分かちあった仲間に感謝申し上げたい。

マラソンやトレイルとは違った感動に感謝

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