発表会3週間前、なのに膝が…!
ここのところ、このnoteには「トウシューズ再チャレンジへの道」シリーズを書いていた。今年になって復帰したトウシューズ関連の記事である。
どんな思いで復帰したか、久しぶりのトウシューズはどんな感触だったか、
初めてのパドゥドゥクラスではどんなことが新鮮だったか。
それをまあ、ノンビリと書いていこうと思っていたのだが…。
ここへ来て、とても「ノンビリ」とはいかないことが起こった。
そう、緊急事態発生!
ピーポーピーポー🌀赤色灯🌀がぐーるぐる。
一方、今これを書かずして何とする?
ネタとしては「おいしい」かもしれないゾ、
と物書きの血が騒いでいる。
右膝が痛い。
発表会まで後3週間しかないのに。
発表会の演目は「くるみ割り人形」の全幕。
私たち大人が出演するのは、1幕の客人と2幕の「花のワルツ」だ。
男性ゲストも超一流。
舞台を成功させるために
仲間と半年以上、一生懸命に練習を重ねてきた。
それなのに……。
どうしよう!?
この膝じゃ、満足に踊れないよ!?
思い起こせば、子どもの頃から膝が弱かった。
小学何年生くらいだったろうか、遠足でたくさん歩いた日は
夜に「膝が痛い」とシクシク泣いていた。
確か病院に行っても「成長痛」と言われて
何の処置もなかったような。
もっと幼い頃には公園の遊具で遊んでいて、
地面と遊具の間に「てこ」のように膝を挟んでしまった。
あの時もかなり痛かった。
アレがその後の膝の不調に繋がったわけではない(と思う)が、
とにかく膝はずっと私にとって「アキレス腱」だった。
いや、「アキレス腱」は「アキレス腱」で「膝」は「膝」だけどね!?
?
?
?
でも、大人になると膝のことは気にならなくなった。
忘れていた。
そう、あの日までは。
27年前、6月のある日、夕方。
家の近所の田んぼ道を犬と散歩していた。
いや、散歩ではなくて散走? 何故か走っていた。
カロリー消費しようとしてたのか? 忘れちゃったけど。
と、ウチのバカ犬が急に止まったもんだから、
持っていた引き綱が引っ張られて身体がねじれ、膝もねじれた状態で
勢いよく右足を地面に着いた。
そのとき、
膝がバキッ! 衝撃!
「うわっヤバい!」と瞬間的に思った。
激痛でもう一歩も歩けない。
しかしここは見渡す限り田んぼの田舎道。
その当時は携帯電話もない。
ウチの犬が名犬ラッシーならば助けを呼んできてくれるのだろうが、
所詮バカ犬である。
助けてくれるどころか、あらぬ方向へグイグイ引っ張るのみ。
もうっー! 止めてよー! 引っ張らないでよー!
お願いだから。
一歩も歩けないのに歩くしかない。
犬を連れて、家まで何分かかったろうか。
人生のなかで10本の指に入る苦しみだった。
しかし、数日経つと痛みも腫れも落ち着いた。
……ので、結局病院に行かなかった気がする。
現金なもので、すぐにバレエを再開した。
ある日のレッスン中、センターでピケターンをしようとしたら、
バキッ!!!
またもや衝撃! 激痛!
今度は痛みも腫れも引く気配がない。
歩けないし。覚悟して整形外科に行った。
「これは手術するしかありません」と宣告を受ける😭
あ~やっぱり……そうだよね……⤵
半月板の欠片が関節に挟まる、いわゆる「ロッキング」というヤツだ。
更に私の半月板は円板状半月板だということが判明した。
どうも構造が脆弱で切れやすいという特徴があるらしい。
うーん、残念。欠陥部品のようなものか。でもこれも自分自身。
受け入れるしかない。
2日後、膝に穴を開け関節鏡を入れて、膝の中で散らばった半月板の欠片を
お掃除する手術を受けた。
部分麻酔してるのにもかかわらず、痛いし気持ち悪かった。
それが27年前の左膝の半月板損傷&手術である。
手術後の左膝。
痛みはなくなったものの、
膝のバネが弱くなり、心もとない感じが消えない。
それを右で補い、ずうっとその後もバレエを続けてきた。
それから時が流れ……。
15年ほど前。
その頼りの右膝も痛めてしまった。
発端は、正座から急に立ち上がったとき。
激痛でしばらく動けなくなった。
やっぱり正座は膝に悪いですよ、皆さん。
整体に行ったり鍼灸に行ったり。
少し良くなったりまた痛くなったり。
だましだまし、でも踊り続けながら、この膝とつきあってきた。
今回の発表会も行けると思っていた。
……けれど。
「花のワルツ」は走るシーンが多い。
「出」からして、袖から舞台へ全速力で走り出る。
踊りの途中でも、舞台袖に走りこんで、舞台裏を走って移動し、すぐに反対の袖から走り出る。
片膝をつき、すぐに立ち上がる振りもたくさんある。
今の私の右膝の状態で、これができるか?
無理だ!
本番でアドレナリンが出れば出来るかもしれない。
でもイチかバチか。
かなり危うい。
これは、きちんと整形外科で診てもらった方がいい。
大勢で作り上げる踊りゆえ、自己判断で周りに迷惑をかけてはいけない。
そう思った。
レッスンを休んで近所の整形外科に行った。
ここは27年前に左膝を手術してもらった病院だ。
場所は移転して変わっているけど。先生も代替わりしているけど。
ずっとお世話になっている。
レントゲンを撮って問診触診してもらい、さらにMRI検査を受けた。
MRI検査は初めてである。
「閉所恐怖症」の人は気分が悪くなる、大音量でうるさい、とは聞いていた。でも私の場合は、覆われたのは膝まで、頭まですっぽり入るわけでないし、音もいろんなバリエーションがあって楽しかった。
汽笛みたいな「ボー」もあったし、「ワクワクワクワクワクワクワクワ🎵」としか聞こえない音もあった。
ラッキー!✨
診てくださったのは、福岡大学から来ていた膝専門のI先生。
私の右膝MRI検査の画像を見て考えこんでいる。
「うーん、外側の半月板がほぼないです」
あら~やはり。そんな気がしていました。
「で、切れちゃって、こっちの方に欠片が写ってますね」
あってはならないところに、切れた半月板の欠片が移動しているらしい。
これが動きにくさや痛みを引き起こしているのか。
「これは痛いでしょうね」
そうなんですよ……。
「どうしようか?」
と先生。
ここで、
「31日に発表会があって、どうしても出たいんです!」
必死の形相で訴える。
「そうなんですか、うーん……」
半月板は再生しない。よって半月板に対しての治療はない。
27年前にやったような、欠片を取り除く手術をすれば
痛みは取れるかもしれないが、発表会には到底間に合わない。
「あのぉ……ヒアルロン酸の注射をしたら少しは動きやすくなりますか?」
と尋ねてみる。
「それよりは、痛み止めの注射を打った方がいいですよ」
おお!
そうか、その手があったか!
ええっと、
それって怪我をした一流アスリートが、
オリンピックとか、一世一代の大事な大会とかにやむを得ず使うものなのでは。
ちょっぴり「カッコイイ!」と思ってしまう私。
こんな凡人の私が使っていいんですか?
一筋の光明が差した!✨
一度打ったらどれくらいの期間効いてるんだろう?
副作用は?
発表会当日に薬の効果が切れるのが一番怖い。
先生と相談の上、今日打って、2週間後に再度打つことになった。
うわああああああああ!!
痛み止めの注射を打ってバレエの発表会に出る私!
不思議なことに暗い気持ちではない。
むしろ前向きで軽やか、高揚感。
注射は針が入る時にチクッとしただけ。あまり痛くなかった。
ロキソニンと胃薬も出してもらった。
その晩、お教室と一緒に踊る仲間たちに
私の膝の現状をLINEした。
心配かけてしまうから言うべきか迷ったが、
万が一のことが起きたときに助けてもらうことになるかもしれない。
今まで苦楽を共にしてきた仲間に隠し事をしておくのも
しのびないし。
報告を終えてホッとした。
お昼頃に打った注射は、夕方には効いて
膝が軽くなってきた。
痛みがないって、なんて気持ちがいいんだろう!
これで発表会、行けそうな気がする!
大丈夫、きっと行ける!
GOGO!
また経過を報告します!
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