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「ビリーエリオット」感想

さて前回書いた通り、
私はバレエの発表会翌日の8月1日、東京行きの飛行機に乗った。
後からバレエ友だちに「タフねえ~!」と驚かれたけど。
いえね、身体は疲れていても気分はワクワクだったのよ。




それは2つの理由があったから。
①昨年12月から体調を崩していた友人と、やっとリアルで会える!
メッセージのやり取りはしていたし、彼女のnoteで回復具合を読んではいたけど、やはり心配だった。
②楽しみにしていたミュージカルを彼女と一緒に観る!


イエーイ!気分はビリー🎵



そのミュージカルとは「ビリーエリオット」
場所は東京建物Brillia HALL (豊島区立芸術文化劇場)
いつの間にか池袋にこんな劇場が出来ていたのね。
埼玉県浦和市(現さいたま市)に住んでいた私にとって、
池袋は一番行きやすい東京だった。
あ~、もう半世紀くらい昔の話よ!
埼京線もなかった頃よ。
西武デパートはあの頃勢いがあったなあ。パルコもね。懐かしい。
サンシャイン60には家族や友人と食事に行った。
彼氏とも水族館でデートしたような。
時の流れをしみじみと感じる。



久しぶりの池袋は、相変わらず人多い!
特に若い子が多い。調べてみたら池袋ってオタクの聖地なの? 
アニメキャラのコスプレ姿の子が目につく。


さて「ビリーエリオット」。
8月1日夜公演はオープニング公演の最終日。
翌日8月2日から正式に開幕だけど、何かオープニング公演と違うところあるのかな? いきなり開幕じゃいけなかったのかな。
よくわからないけど、
主役のビリー4人を始め、他のキャストも子役が多いから、
慎重を期す必要があったのかもしれない。


今日のビリーは井上宇一郎くん!


さあ、ついに開演だ。
最初の登場シーンでは、パッと見て、ビリーどこにいるの?って
探してしまった。いつの間にかいた、という感じ。
でも芝居が進むにつれ、どんどん引き込まれていった。
宇一郎くんは、生真面目で一途なビリーだ。眼差しが真剣。
じっと見つめられると、
ついコチラも居住まいを正してしまう。




そして声がいい。際立って個性的な声じゃないけど、
素直な発声に好感が持てる。セリフも歌も。
演技もそう。わざとらしくないし、あざとくないのがいい。
いかにも演じているふうでなく、
そこにビリーがいる、ビリーが生きている感じがする。




「あざとくないのがいい」とたったいま書いたばかりで
矛盾するのだが、
マイケル役の豊本くんが「あざとくて」すごかった。
観客へのアピール、サービス精神が旺盛だし、
タップも歌も堂々としたもの。芸達者で将来が楽しみだ。
ビリーとの対比として、これはこれでいいのかもね。

ビリーとマイケル(公式サイトより)


バレエ好きの私にとって注目は、もちろんダンスシーン。
YouTubeで見たいくつかのダンスナンバーを楽しみにしていた。
その一つが、
1幕のラストで踊られる「アングリーダンス」。
父親の反対でバレエのオーディションを受けられなくなったビリーが、
思い通りにならない苛立ち、怒りを抑えられずに
衝動のままタップダンスを激しく踊る。
吠えるように喚きながら、赤いスポットライトを浴びながらのソロだ。

カッコいいなあ。
華奢な14歳の少年なのに、やけに「オトコ」を感じてしまったわ…。



中でも私が一番気に入ったのは、
2幕で踊られたオールダービリー(大人になったビリー)とビリーのシーンだった。
今からご覧になる方のために詳細は控えるが、
ああコレ、YouTubeにも出さずに秘密にしてたのね、と思った。
とっておきのシーンで間違いない。


時空を超えて、観るものを別世界へ誘うような。
アレは夢なのか?


ひたすら美しかった。テクニック的にも難しいと思う。
2人の息やタイミングを合わせるのに、ずいぶん練習を重ねたに違いない。
3人のオールダービリーに4人のビリー。
何通りの組み合わせ? 数学苦手なの。
とにかくバレエ好きにはたまらないよ。
コレを見るためだけでも、何度も通いたいなあ。


オールダービリーとビリー(公式サイトより)



そして「エレクトリシティ」
こちらのナンバーは、物語の終盤で歌い踊られる。
ビリーの成長と決意を表す象徴的なナンバーであり、
ビリーの一番の見せ場である。


ロイヤルバレエスクールの試験官がビリーへ問いかける。
ビリーは語り、歌い出す。自分の気持ちを。バレエへの想いを。
そして自然の流れでダンスへと移っていく。
美しいバレエのテクニックが満載。
跳んで回って、最後の見せ場だ。
頑張れ頑張れ! 客席中が応援しているのがよくわかる。
ビリーを応援しているのか、宇一郎くんを応援しているのか。
たぶん両方だ。
情熱的で、どこか潔い宇一郎くん。
素敵なビリー。

最後の決めポーズで劇場が歓声と拍手に包まれた!



ラストシーンは映画「リトルダンサー」とは全く違っていた。
そりゃ映画と舞台は違うよね。




観終わった後、友人と、後3人のビリーをコンプリートしたい!と言いあった。私は特に浅田良舞くんのビリーを見たい。おそらく名前からして、お父さまは有名バレエダンサーのあの方。きっとお父さまに似て、良舞くんも美しい爪先の持ち主に違いない。
それと、もう一度公演終盤に宇一郎くんを見たいね、成長しているだろうね、と友人と大いに盛り上がった。




お父さん役は鶴見辰吾さん。さすがの存在感で、演技も説得力充分。ただ、ちょっとお行儀がいいかな。これはあくまでも私のイメージよ。もうちょっと荒くれ者の感じの方がいいかな、と思った。



ウィルキンソン先生は、劇団四季の頃から何十回と観てきた濱田めぐみさん。ずっと主役を張ってきただけに安定感抜群。変わらぬ迫力ある歌声を聞き、嬉しかった。




最後に気になった点をひとつ。
いろんな人のセリフが、なんだか中途半端な九州弁なの。
最初聞いたとき「え!?」
コレって「ライオンキング」のティモンとプンヴァのように
博多バージョンなの? と一瞬思ったけど、すぐに
いやいや違う、ここは東京じゃん! 
と打ち消した。どーいうこと?
混乱してしまった。



舞台を見ながら、思い当たった。ああ、これはイギリス北部の炭鉱町を舞台にしているので大牟田あたりの炭鉱町をイメージしたのか、と。


しかし、私ももう30年以上福岡に住んでいるとはいえ
ネイティブではないので、この九州弁がどこ地方の言葉なのかまでは
判断できなかった。
この演出には疑問が残った。だって気になっちゃうんだもん。
舞台はイギリスなんだから、炭鉱という共通はあっても
九州の言葉はねえ……。標準語じゃダメなんですか?



はい。何はともあれ、

「ビリーエリオット」は沢山の人に見てもらいたいミュージカル!
4人のビリー、頑張って!
長丁場だけど千秋楽まで完走できますように。
すべてのキャスト、この作品に関わっているすべての方へ。
応援しています!


Tシャツもトートバッグも愛用します💘


読んでいただいてありがとうございました!♡













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