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ママが知らないと後悔する?!トゥシューズのリスクとバレエ教室選びのポイント

なぜ私はこんなに体を痛めるのだろう…?

3歳からバレエを始め、プロダンサーを目指していた私。
上京して5畳ワンルームで、隣の騒音を聞きながら涙が止まらなかった。
ただひたすらバレエ教室とバイト先を往復する日々。

そして、繰り返されるケガ…。

不調は日増しに増えていき、夢を諦めざるを得なかった。

「なぜ私はこんなに体を痛めるのだろう?」

この疑問が私の人生を大きく変えた。
体について学ぶ必要を感じ、13年前から本格的な勉強を始めた。

「後輩たちには私と同じ経験をさせたくない」

そんな想いから、国家資格とパーソナルトレーナーなどの資格も取得。
現在は2児の母であり、整体師として
大人から子供まで多くの方に 身体作りの方法を伝える活動をしている。

初めまして、「ロズ」です。
唐突な自己紹介でしたが、
このnoteを書くきっかけとなった私の話から始めました。

現在整体師をしている中で、たくさんの相談を受けます。

以前、相談に乗った中学生の女の子は
体のあちこちを痛めてやってきました。

コンクールにたくさん出場していたが、
基礎をほとんど教わっていない状態。

さらに先生が飛んで、急にバレエ教室が潰れてしまい
途方に暮れて相談に来ました。

バレエが大好きなのに体が辛いし踊りたくない。
と涙を流していました。

バレエ教室は
教室によってお金の掛かり方はピンキリ、
指導方法もそれぞれ異なります。

教室選びによっては
「子供のうちから外反母趾になる」
「毎年コンクールと発表会で30万円以上かかる」
ということも起きてきます。

〜〜〜

さてここで質問です
家の近くに2つのバレエ教室があったとします。
①全国のコンクール受賞歴が多く掲載、
小3でトゥシューズを履いて、練習中にも派手なジャンプや回転をたくさん行う教室

②練習は地味で立ち方や足を動かす練習を繰り返している。
半分は見ているこちらが退屈になる教室。

あなたはどちらを選びますか?

「全国のコンクールで受賞しているということは、
実績もあるし…①にしようかな?
でもコンクールとか、お金も掛かりそう…
とはいえ、大きくなるまで続けるかわからないけど、
人気ありそうだし、①にしよう!」

と考えているママさん!
その判断基準は少し危険かもしれません。

①の教室は費用が高くつくことが多く、
トゥシューズを早期に履くことで、子供の足の成長を妨げる可能性があります。

もちろん①の教室の中からも、
コンクールで入賞し続けて海外に留学、
徹底的に基礎を叩き込まれて
そこからプロとして活躍しているダンサーさんはたくさんいます。

しかし、
・子供の習い事にかけられるお金は上限がある、
・我が子が足を痛める確率をできるだけ低くしたい

そうした場合、教室選びは慎重に行うべきです。

バレエについての正しい知識が広まっていない現状では、
子供に本当に必要な判断ができず、
無意識にリスクのある選択をしてしまうことが多いです。

小学生くらいになると、

お子さんが
「あっちの教室の◯ちゃん、トゥシューズ履いたらしいよ!!私も履きたい!」
と言い始めます。

ここでママが
「じゃ今度お誕生日に買って家で履いてみよっか♪」
となるか、
「トゥシューズは大きくならないと履けないよ。なぜなら…」
となるか…
この差は大きいです。
「なんで履けないの?」
「よその教室はもう履いているし、私も履いて良いじゃん」
 
バレエに関する知識がないと、子供にとって本当に必要な判断ができないのです。

〜〜〜〜〜

友人は小1でトゥシューズを履き始めて外反母趾になりました。
高学年になり、バレエをやめて他のスポーツを始めた時
足の変形があって本当に困ったと話しています。
私は、バレエの基本的な知識を身につけることで、
「トゥシューズは大きくなってから」という判断を、
子供に説明できる親が増えてほしいと思っています。

実際、私の指導を受けた中学生の女の子も、
正しい知識と身体のケアを身につけたことで、今では新しい教室で元気にバレエを続けられています。

バレエは美しい芸術ですが、体に無理をかけます。
体を守りながら成長するためには、正しい知識と教室選びが必要です。

もしこのまま知らずに教室を選び、子供が体を痛めてしまったら…?

このnoteを読んで、まずは正しい知識をつけてから、
お子さんに最適なバレエ教室を選んでみませんか?



子どもにバレエを習わせる上で基礎知識



フィギュアスケートのトリプルアクセル!
新体操の開脚ジャンプ!
ニュースでよく取り上げられるフィギュアスケート
小さい頃から◯回転ジャンプを決めました👏
という点をピックアップされていますが
バレエは小さい頃に派手な技をやらせるのは
基本NGとされています

理由としては
バレエは古典芸術であり、正しい型が決まっているから。
その正しい型が身につかないと
”技術や表現力”という話は語れません。

海外の名門バレエスクールでは、
10歳あたりまで徹底的に基礎を叩き込まれます。
それはそれは苦行のようなきつい稽古かと思います。

毎日、基礎の型を身につけるための訓練…
気が遠くなりますが、その徹底した基礎力があって
バレエの美しさを表現できるのです。

この話を踏まえて、考えてもらいたいのが
基礎を身につけず、派手な技ばかり訓練していると
どうなるか? と言う点です
答えは

  • 一生懸命やっているのに評価されない

  • 後から基礎練習が必要となり苦労する

  • ケガをする

このどれかを経験することになります。
大袈裟な例えになりますが、

サッカーでオーバーヘッドシュートの
練習だけをしていても
試合では役に立つことがほとんどなく
結局ドリブルや走り込みの練習が
必要になりますよね。


そんなイメージです。


憧れのトゥシューズ

バレエを習う少女達の憧れの靴
「トゥシューズ」は足のつま先部分が硬い靴です。
この靴でつま先立ちをすること自体は
誰にでもできます。

以前テレビで芸能人がトゥシューズを履いて立ってみよう
という企画をやっていました。

美しさは置いておいて、5秒くらいつま先立ちをして、
「お〜立てましたね!」と言っていました。

なんと
あの靴を履くと全員つま先立ちができます。

それなら、小さいうちからトゥシューズ履いて練習すれば良いじゃん!
と考えがちですが

ここで前述した基礎力が重要になってきます。
「トウシューズを履く上で何が難しいのか?」というと

  • 膝を伸ばして、体が真っ直ぐな状態でつま先立ちすること

  • 硬い靴を履いた上で、足の指先をコントロールすること

この2点は
バレエでいうバーレッスン(基礎練習)で徹底的に鍛える点です。

そのため、基礎練習から始めて
「体を正しく使えるようになってからトゥシューズを履きましょう」
という順番が定められています。

それは何歳で履けるの?という疑問が浮かびます
バレエの登竜門のひとつであるYAGAという団体からは
10歳以下のトゥシューズ着用は禁止
11歳も極力避けること
という規定が2013年に出ています。

そのためトゥシューズを履き始める推奨年齢は
12歳からです。


中国の纏足(てんそく)を知っていますか?
幼少期の足の骨が柔らかいうちに
ぐるぐると布で固定して小さくて硬い靴に足を押し込めて、
成長を妨げることで小さい足を作る靴。

この靴で足が小さくなった女性は歩行困難になったとか。

では
トウシューズはどうでしょうか?
こちらも指先が硬い靴です。

さらにつま先立ちをすると全体重が足先にかかります。
子供の骨は急な成長に耐えられるように
柔らかくできています。

骨端線という、写真で丸がついている部分
ここは成長するために固まらずに
さらに伸びる余力を残している箇所です

小さい頃からトゥシューズを履くということは
この骨端線に負担をかけ続け、成長を妨げることに繋がります。

私の友人は小1でトウシューズを履いて
足が変形し外反母趾になりました。

残酷な話ですが、小さい頃から派手な技を指導
トゥシューズは小3履きます!

というバレエ教室は未だあります。
「いやぁ〜バレエのことは素人だから…」
「知らなかったし…」
という言い訳で済む問題ではなくなってくるのです。

さて、長くなりましたが
ここからは具体的に教室の見極め方をお伝えしていきます

バレエ教室の現状

ここまで理想をお話しました。
しかし現状のバレエ教室では、徹底的に小さい頃に基礎だけの
練習を指導している教室は…ほとんどありません。

なぜなら
子供が飽きてしまうから!!

海外のエリートバレエスクールはプロダンサーを目指す場なので、
小学校も含まれる学校として入学。
毎日バレエメイン、学業はサブでこなす場

対して
日本のバレエ教室は
習い事として週に数回通う場
目的と仕組みが全くと言って良いほど違います。

日本のバレエ教室では基礎をがっちり教えたい先生でも、
まずは「生徒が楽しく通える習い事」
を目指している所が多いです。

そうしないと子供たちは飽きてしまい、
やる気をなくし、もう行きたくない〜
となります。

バレエ教室としても生徒が集まらないと
成り立たないので…
派手な技術を教えたくなるのです。

基礎練習中心、
でも生徒さんが飽きないで楽しくバレエ教室に通える…と良いのですが
楽しくしすぎると規律がなくなってしまいます。

幼児クラスでは
半分はしっかりと基礎を教えて、半分は楽しめる
というクラスを作っている先生がオススメです。

教室見学の際には
①トゥシューズを履き始める年齢
②派手なジャンプ・回転をさせていないか

この2点を必ず確認しましょう。

バレエとお金の話

ここからまたバレエ業界の話をしていきます。
選び方だけ教えて!と言う方
次のタイトル「コンクール巡業は必要?」まで飛んで続きをご覧ください。

クラシックバレエは優雅で綺麗で可憐で…
というイメージがありますが

国内のプロバレエダンサーのほとんどが
アルバイトやバレエ教師をやっています。

バレエの舞台に出て、給料をもらい生活していけるのは
ほんの一握りという現実があります。
そのため実力のあるダンサー達は、ダンサーとして給料をもらえる
海外へと流れていくのです。

バレエは総合芸術と呼ばれ、音楽・美術があってこその舞台。
全幕(ひとつの物語)のバレエ舞台は多くの資金が必要になります。

ビジネスとしてバレエ団を
盛り上げる必要があると思うのですが…
崇高な芸術・金儲けのためではない
という思いからか、

赤字経営をしている団体もあります。
現在は
テレビ局のTBSがスポンサーについているKバレエカンパニーや、
YouTube発信を頑張っている谷桃子バレエ団など
改革に取り組み始めていますが
まだまだ下っ端のバレエ団員は、

公演前に練習が増えるとアルバイトを減らさないといけないし…
実家から出られない!
という現状があります。

ここでちょっと頭が回る人が
目をつけたのは「コンクール」です。

以前のコンクールの立ち位置は、国内で才能がある子が
海外の本場バレエスクールに留学するための機会を得る場でした
しかし今ではコンクールが乱立。

全国あちこちで開催されています。
コンクールが開かれると運営側は
高い参加費を回収して全員1人ずつ踊らせるだけ。

観覧チケットを売り出して、
家族にチケットを買わせます。
音楽は出場者が持って来ますし、
舞台装置も要りません。

入賞者の海外の留学先は生徒側がお金を払えば
受け入れてくれるスクールと契約している状態…

なんと!
運営側が儲かる仕組みになっているのです。
これは私の持論になりますが、
コンクールは国内で年に3回開催されれば充分です。
地方でも開催するとしたら10回程度でしょうか。
「地方予選とか必要でしょ!!」
という反発の声が聞こえてきそうですが、

審査員の先生は1分の踊りを見るだけで、
その子のレベルを判断できます。
半分オンラインで事足りるのです。
現に
若手の登竜門と呼ばれる
ローザンヌ国際バレエコンクールも
一次審査は映像提出のみ。

他のスポーツでは高体連・中体連など
多くの競い合う場があるのに対して、バレエはありません。
すると、
やっている本人もも、競い合う場や
自分の実力を確認する場が欲しくなるのです。


コンクール巡業は必要?

話を元に戻します。
バレエにおいて
幼少期にコンクールで賞をとること≠将来有望
ここはイコールになりません。

「えっ、どういうこと?
浅田真央ちゃんとか小さい頃から活躍しているし
バレエも一緒じゃないの?」

と考えますが…
コンクールで求められる踊りは、
基礎<派手な技が決まる
そんなイメージが強くあるため
幼少期にコンクールのために派手技ができるようになった子は
基礎が疎かになっていることが多くあります。
そのため、肝心の中高生頃になってくると
基礎を丁寧にやっていた子にあっという間に追い越されるのです。


よくバレエ教室のホームページに
茨城〇〇コンクール奨励賞
福岡〇〇コンクール準優勝
仙台〇〇コンクール奨励賞
など全国をコンクール巡業している様子を
伺える教室があります。
地方コンクールに出るために、
個人レッスンをつけて
衣装を購入して
先生に付き添いのためにお金を払って
ホテル代を払って
年に何度も地方を周り…
しっかりと経済に貢献する形になります。
本当に実力をつけた子は
毎日、自主練をして
貸衣装で
15歳になったら
国内最大のコンクールに
一発勝負で
スカラシップ(海外留学、奨学金あり)
を狙います。
どちらが良いでしょうか?

やはり後者が理想の形になります。
自分の実力を確認したいのであれば、
ワークショップに参加するだけでも十分可能です。
それでも、どうしてもコンクールに出たいのならば
年に一度程度で良いでしょう。
賞をもらうために1年の間に何度も出る必要はありません。
ちなみに
海外のエリートバレエスクールに通う子供たちは
コンクールには全く参加しません
理由は
参加する必要がないから。
引かれたレールに乗って実力をあげればプロになれるから。
国内でも最近多くの実力者を輩出している
Kバレエカンパニーの下部スクールでも
コンクール出場は最近まで禁止されていました。
バレエ教室のホームページを見て、
「生徒さんが小さいうちから全国のコンクールでたくさん賞を取っている!」
これは判断基準としてはイマイチです。
全国の地方コンクールをあちこち巡業していないか?
という点を必ず確認することをお勧めします。

発表会って、いくら掛かるの?

発表会は
日頃の練習の成果を見せる場です。

将来的にバレエを辞めてしまっても
本物の舞台で、観客の前に出て
緊張しながら練習したことを発揮した
という点は
経験値として生きてくるでしょう。


子ども達は
発表会に向けて練習して、本番を終えると
一回り成長して上達します。
また本気で取り組む必要があるので、
バレエが好きかどうか
という点も明確になります。
私はバレエを習らわせるなら
一度は発表会に出ることをオススメします。
さて本題
発表会はお金いくらかかるの?!
大体の相場としてはお月謝とは別で
1回の発表会出演料が 5〜15万円 かと思います
高っっ!!
と思いますよね。
これがバレエはお金が掛かると言われる原因です
5〜15万円と幅がある理由としては

  • 大きな舞台か小さな舞台か

  • 舞台装置や衣装にガッツリお金をかけるか、否か、

  • 発表会に出る人数が多いか少ないか?(人数によって舞台の場所代を頭割りすると金額が変わる)

舞台といってもピンキリです。

体育館のような場所を借りて行う場合には
5万かからないこともありますし
市民会館大ホールですと2日(前日準備含め)借りるためには
金額が張るため、必然的に出演料も上がります。
この辺りは発表会を見ないとわからない点ですが
教室を決める前に確認するべき点です。
さらに
発表会の頻度が
1年に1度開催するか、2年に1度開催するか?
これもバレエ教室によって様々です。
発表会は2年に1回、おさらい会が1年に2回という教室もあります。
バレエ教室を選ぶ際に質問するべきポイントは↓

  1. 発表会はありますか?

  2. 発表会の頻度はどのくらいですか?

  3. 発表会の費用は衣装代込みでどの程度かかりますか?

  4. 受験や用事で発表会に参加しないことは可能ですか?

この質問をすると
教室によって全く違う答えが出てきます。
4.の質問も重要で、
もし教室に所属する人は発表会強制参加という場合、
受験や長期で体調不良の際に困る場合があります。
こちらも確認しておきましょう。

いくつか教室を比較してた上で
ご家庭の経済状況と照らし合わせて決められると良いです!


バレエ教室の選びかた

バレエ教室を選ぶコツをまとめます

  • トゥシューズを履く年齢が、11歳か12歳以上

  • コンクール巡業をしていない

  • 年齢に合う練習をしている

(10歳以下は派手な回転・ジャンプをしない)

  • 個人の成長に合わせて指導を行なっている

質問するべき内容

  • 発表会はありますか?

  • 発表会の頻度はどのくらいですか?

  • 発表会の費用は衣装代込みでどの程度かかりますか?

  • 受験や用事で発表会に参加しないことは可能ですか?

チェックポイントが多くなりましたが、
それだけ慎重に選んでほしいという願いがあります。

「個人の成長に合わせて指導を行なっている」
この点は判断が難しいところですが、
12歳でバレエを始めたからといって
すぐにトゥシューズを履くのは危険です。

週に1回の練習と、週に6回の練習では
確実に実力差が出ます。
「うちの子は週に1回しか通えないけど、
トゥシューズを履かせて、
レベルの高い子達と同じように教えてください」
これも無茶な相談です。

例えると
「掛け算ができない状態で因数分解をやれ」
と言っているようなもの。

レベルが高いところに入ったから上手くなるという
漫画のようなことは起きません。

個人の成長に合わせて、クラスを進めてくれる
そんな教室が良いです。

最後に

ここまで長くお付き合いいただきましてありがとうございます。
このnoteを読んだ方は
バレエ素人だから何も判断できないという状態ではなくなりました。
現時点で一番信頼できるバレエ教室を選ぶことができるのです。
違和感に感じていたことも、明確になっているかもしれません。
もしあなたの周りで、
子どもがバレエを始めたい、
既にバレエを習っていて困りごとがある
そんな方がいたら
このnoteを勧めてもらえると嬉しいです。

参考になった!もっと知りたい!と思った方は
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さて、
多くのママさんが、教室を選んでバレエ教室に入ると
次の疑問が浮かびます

「バレエ教室にいる人みんな痩せている!!
うちの子も痩せる必要がある??」

この内容を次の記事でお話します。


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