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「図面バラシ」という建設業界の”翻訳”をテクノロジーで効率化していく(技術フェロー・大川)

BALLASの成長や組織進化を支えるマネジメントメンバーを、インタビュー記事を通して紹介いたします。

今回は、共同創業者であるサプライチェーンマネジメント 技術フェロー 大川嘉雄です。
一貫して建設部材製作に携わってきた大川に、「図面バラシ」という建設業界の”翻訳”をテクノロジーで効率化していく重要性について業界課題に触れながら聞いてみました。


大川さんのBALLAS創業期のインタビューはこちら。
>> 建設現場と工場メーカーの間の”翻訳”で業界の「最適化」を

━━ BALLAS創業から、2年が経ち、従業員数も50名を超えましたね。大川さんの役割を教えてください。

もう2年も経ったんですね。(笑) あっという間でした。
創業して1年目は自分が現場に立ち、営業を推進して売上を上げていくための動きをしていました。当時は製作金物や図面読解などの経験者が少なかったので、メンバーの育成をしながら技術営業の責任者としてチームを引っ張っていました。

事業戦略がより明確になり、従業員数も増えて組織体制が強化されてきたことから、直近は、自分が持っている知見を言語化し、会社の資産になるよう努めています

メンバーのおかげで権限移譲が進み、現在はサプライチェーンマネジメント 技術フェローとして、これまでに培った部材製作の専門性を活かし、技術面から、顧客である建設工事会社への価値を最大化する役割を担っています。

━━ サプライチェーンマネジメント 技術フェローとしての役割と、具体的な業務を教えてください。

技術フェローは、BALLASの顧客のQCD(Quality=品質、Cost=価格、Delivery=供給)向上のための技術の底上げをするポジションと位置付けられています。
部材調達プラットフォームとしてQCDの改善は必要不可欠であり、事業を加速させるうえで重要な基盤と捉え、BALLASの組織成長のための技術力向上を任されていると自負しています。

事業戦略や部門毎の目標などトップダウンの視点に加えて、現場の動きやパートナー工場さんの生産能力などのボトムアップ的な視点を考慮したうえで、最適な優先順位をつけたり、業務フローをチームと一緒に構築しています。重要課題については全社横断プロジェクトとして、そのプロジェクトを部門・チーム横断で牽引しています。

他には、暗黙知のナレッジ化と案件遂行のサポートも行っています。
例えば、使用する鋼材や加工の相性、想定される加工リスクなどを言語化して社内のナレッジ化を進めています。

案件遂行においては、パートナー工場さんが効率的に部材製作へ取り組めるような伝え方や、依頼の仕方をメンバーにアドバイスをしたりしています。
顧客が本当に求めているQCDの紐解き方から、モノづくりの本質に関わるところまで、一緒に考えて言語化することで、BALLASとしての品質・技術力を向上していきたいと考えています。

━━ 家業の板金工場からスタートアップへの転職ですが、大川さんご自身の考え方に影響はありましたか?

会社を経営する、組織力を高めるということにおいて、戦略や計画、KPIが重要であることを学びました。

BALLASは「建設業を最適化し、人々を幸せに。」を使命として、事業戦略・計画を描き、創業時から優先順位や時間軸を常に整理し、日々の施策へ落とし込むということを徹底しています。
組織の全員が事業戦略を認識していて、それが各部門、チーム、個人のKPIとなり、それらが個人のWILLとも重なっています

もともと家業の町工場で取締役として働いていたのですが、BALLASをはじめ一般企業では当たり前のようにある事業計画やKPIなどとは無縁でした。それらがどのような意味をもち、組織にどのように作用するのか知りませんでした。
もちろん日々の業務は真剣に取り組んでいましたし、目の前の案件や作業に集中して、お客様に良い物を届けたいという思いは強くありました。ですが、当時は会社としての明確なゴールや事業計画があったわけではないので、業務改善や一つ一つの施策や工夫は近視眼的なものが多かったと今では思います。

町工場には、独自の知見や磨かれた技術を持っている素晴らしい職人がいるのですが、労働条件はあまり良いとはいえません。町工場でも戦略やミッションなどを明確にしていくことで、職人一人ひとりが、組織力向上や労働環境・労働条件改善などに興味を持ったり、創意工夫を行ったりして、視座高く働けるようになるのではないかと感じています。

━━ 転職は大きなキャリアチェンジだったと思いますが、根底となるご自身の仕事へのマインドはどのようなものですか?

仕事とは、社会や関わる人達に対して、価値を出すことだと考えています。
何をやるのかは重要ではなくて、人の為に価値を出せるコト・モノであるかが、本質的に重要だと思うんです。
町工場で育ったということもありますが、「素晴らしい技術を持った職人さんや工場さんの生産性を改善し、よりよい環境・待遇で働けるようにしたい」という思いがあります。

BALLASの事業は、最適な部材調達という体験を通して、顧客の主業務である施工や工事などに集中できるという付加価値を提供しています。一方で、パートナー工場さんに対しても、良いモノづくりに集中できる環境を提供するサービスでもあります。BALLASが効率的な生産プロセスを提供することで、パートナー工場さんの働く環境や待遇が改善するなどのポジティブな循環が生まれるようになると良いと思っています。

町工場であってもBALLASであっても、一貫して製作側のあり姿をかえていきたいという使命感をもって取り組んでいます。

━━ 「生産性の改善」という言葉がありましたが、どのような課題を抱えているのでしょうか?

産業機械などの製造を経験されてきた方は驚かれるかもしれませんが、建設部材の製作においては、製作工場が作図を行うことが一般的です。製作工場は、顧客から提供される建設図面から、製作用の図面を作成します。ここに課題があります。

最初の依頼者から製作工場の職人さんへ情報が届くまでには、何社も挟み、何重ものコミュニケーションが発生しています。この間、各プレイヤーが顧客のために図面を作成しているのです。極端な例をお話すると、マンションを購入する人が見る図面と、その部屋を構成するための部材を作る人が見る図面は異なるということです。
建設に関わるプレイヤーによって使用する図面が異なるため、それぞれの立場で使う用語が異なり、認識の齟齬が生まれやすいのです。
BALLASの事業で解決しようとしているのは、まさにこの課題です。

製作図面の作成は、建設図面を見ながら顧客のニーズをヒアリングし作業を進めていきますが、それには建設工事における知見も必要です。そのため、モノづくりのスペシャリストである製作工場にとっては作図が非常に負担の大きい業務となります。
これこそが、建設業の部材調達サプライチェーンの生産性を低下させる要因と考えています。

BALLASは「図面バラシ」という建設業界の”翻訳”をテクノロジーで効率化し、部材調達サプライチェーンを最適化しようとしているのです。

━━ 最後に、BALLASで一緒に働くメンバー、そしてこれからBALLASへ参画するメンバーへのメッセージをお願いします。

BALLASで一緒に働く方々は本当にしっかりしています。自分の人生を真剣に考えていて、「建設業を最適化し、人々を幸せに。」という使命に心から共感し、自分ゴト化して日々の業務に取り組んでいると思います。

事業の成長においてその源泉はヒトです。各々の「やりたいこと」「実現したいこと」を遠慮なく表現してほしいですし、それを私なりの視点や方法でサポートしていきたいです。

また、BALLASを通じて、職人さんたちのマインドセットが変わるキッカケを作っていければと思っています。それにより業界が底上げされ、”職人さん”という仕事が憧れの職業になっていくと良いなと思っています。

今いる製作の現場から、あるいはBALLASのような技術力や専門性を発揮しながらも新たな挑戦が叶えられる環境で、そういった方々が育っていくことを願っています。


大川さん、ありがとうございました。

▼ BALLASのマネジメントメンバーのインタビュー記事はこちら

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