地球はこの先一体どうなるの?
「いらっしゃい」
「こんちはー」
「毎日暑いですねー」
「ホントに溶けるよ〜 笑 今からこれじゃ、先が思いやられる」
「そうですねー。やっぱり温暖化の影響なんですかね?」
「明らかにそう思う。これはもう何年も前からだけど、
日本に四季ってなくなってる気がしない?」
「あっ、確かに!夏と冬しかない感じがします」
「日本の四季はさ、世界中見ても例を見ないくらい、美しいものじゃない。
それが失われてるんだよ、温暖化のせいでさ」
「悲しいことですよね」
「単に四季が失われただけ、なんてことじゃ済まない。気候変動で特に
第一次産業、農業や漁業なんかに破壊的な影響が出始めてるんだ」
「そうなんですか!?」
「漁業じゃ獲れるはずの魚が取れなくなってたり、つまり魚の住む場所が変わってしまってるんだよね。毎年秋のさ、大衆的な魚の秋刀魚なんて、
獲れなくて今じゃ高級品でしょ」
「そう言われてみればそうですねー」
「お米なんかも、これまでは新潟のお米って言ったら最上級だったけど、
このところ気温が高すぎて以前のような良いものが出来ないらしいんだ。
同じ気候条件が北海道までいかなければなくて、北海道産の一部のお米は
業者の間で取り合いになってる」
「びっくりですね!」
「温暖化は生き物の生態系をすっかり変えてしまう怖れがあるし、
これまでなら考えられなかったような規模の災害も度々起こるようになる。
人間の住む場所さえ危ういんだよ」
「この先日本は、世界だってどうなっていくんでしょう?」
「残念ながらもう手遅れだと思うんだよね。人間が今の生活を手放すことは不可能でしょ。新興国に経済発展をするなとは言えないし、先進国にだって
本気で温暖化を止めようなんて気があるのか甚だ疑問だしね」
「手遅れですか。。」
「だって考えてもみなよ。今はアウトドアなんて流行ってるけど、昔はそんな生活が普通だったわけで、釜戸で炊いたごはん、薪で沸かしたお風呂なんて当たり前
だったのに、今じゃ超贅沢じゃない。わざわざ不便を楽しみに行くなんて、
人間は一体何をやってるんだろうってさ」
「ホントですね〜」
「日本はさ、この温暖化だけじゃなくて地震の不安だってある。世界を見ても
戦争や新しいパンデミックの危険もある。どう贔屓目に見ても明るい未来なんて
想像出来ないんだよ」
「そう考えるとこうやって平和ボケ的にコーヒーなんて淹れてられなくなりますよ」
「そんな漠然とした不安感みたいなものが、特にコロナのパンデミック以降、
人々の間にあるような気がするよ」
「頭のどこかにそれがあって、100%ハシャげない、人生を楽しむことが
出来ないってね」
「それでも生きていかないといけないんですよね」
「そう。先なんかないんだからって自暴自棄になって過ごす事もできる。
でも、こんな時代だからこそ大切な何かを学ぶことだって出来る」
「小難しいこと言うつもりはないけど、人生ってのはただ無難に何事もないことが最良の人生ってわけじゃない。いい時も悪い時もどう生きたか、どんな風にそれを自分の糧に出来たかだと思うんだ」
「正確に言えば人間、明日、いや、次の瞬間すらわからないわけだからね。
生きているうちに、どんな瞬間も後悔がないように、やってみたい事全て
やり尽くすつもりで生きていきたいよね」
「そうすればいつどんなことが起きたって、いい人生だったって言える気がするんだ」
「今日のコーヒーはちょっと苦いかもしれないですね 笑」
「コーヒー入りましたよ」
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