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昭和 この素敵で幸せな時代 2


前回からの続き

「他にも昭和あるあるってありますか?」

「仕事なんかで言えば例えば上司がさ、何か欲しいものはないか?
たまに聞いてくれるわけ。なんでそんなことを聞いてくれるのかというと
出張に行かせてくれるんだよ。
当時、出張へ行くと、その出張手当の他に、行く場所までの距離によって
距離手当みたいなのも付いたんだ。
当然それらはお小遣いになるわけ。
月に何本か行くとそれだけでちょっとしたものなら買えるんだ」

「なんですか?そのシステム??? 笑」

「会社もさ、税金に持ってかれるくらいなら社員に還元しよう!
っていう姿勢だったから、そんなことも当たり前にやれたんだよね」

「それじゃ、用もなく出張行ってたわけですか?」

「うん! 笑 あくまで客先訪問さ、建前はね 笑」

「何かのテレビで観ましたけど、ドラマ撮影の打ち上げで、
豪華客船貸し切ってやってたなんて聞いたことがありますよ!」

「そんな時代だったんだよな。特にバブルの頃はさ」

「そんなに凄かったんですか?バブルって」

「あぁ。ただ今考えればやっぱり異常だったな。何から何まで」
「車なんかもさ、当時トヨタのいわゆる大衆車で、
カローラってあったんだけど、BMWの3シリーズなんて、
六本木のカローラなんて言われてた 笑
それくらい、外車だって下の方のクラスは
国産車と同じ感覚で買えたってことなんだ」

「六本木のカローラとはなかなかいいセンスですね! 笑」

「その頃はさ、マクドナルドのハンバーガーなんかも今と同じで
100円くらい一気に値上がりしたりして、
でもそれに対して文句なんか出なかったんだよね。
今と違うのは物価より先に、物価以上に所得が上がってたってこと。
だから物価が上がっても文句は出にくかったんだと思う。
ちなみにバブルが弾けた後は、
ビックマックが380円から再び280円くらいに値下がりしたり、
キャンペーンで普通のハンバーガーが59円なんて時もあった 笑」

「なるほどね〜。やっぱり賃金が上がって所得が増えての物価高なら、
国民も納得するんですね!」

「そうなんだよ。今は物価だけ上がって、
賃金はそれに対応して追いついてないだろ?それは文句だって出るさ」

「それじゃ〜、その頃はお金たくさんつかって遊んだんでしょうね 笑」

「う〜ん、さっきも言ったけど、汲々してない、
セコセコしてないっていうのはその辺なんだよね。
来月の払いが困るからとか、給料日までキツくなるからとかって
お金を遣うことをセーブなんてしなかった。
欲しいものがあれば大きなクレジットだって組んで買ったし、
やりたい事はやったし、食べたい物は食べた。
そこに我慢なんてものが挟まることがなかったんだよ。
それが当たり前だったし、それを贅沢だとも思わなかった。
考えてもみてよ。そんな毎日はストレスも少なくて、
みんな幸せだったからトラブルも少なかった。
人間、幸せな時に悪いことなんてしないものだよ」

「余裕、心にゆとりがあったんですね。それがイコール幸せにつながる」

「今と違ってどうやって暮らそうか?仕事は大丈夫か?
なんてことを考えながら毎日を過ごすんじゃなくて、
次は何をして遊ぼう?どこへ遊びに行こうか?なんてことを考えて
毎日過ごしてたんだ。楽しくないわけないじゃない?
仕事が終わればスーツに着替えて車出して遊びに行く。
ディスコで散々遊んだ後、意気投合した仲間と夜明けまでおしゃべりしたり、
これぞ青春だろ? 笑」

「昭和っていい時代でしたね 笑」

「あぁ。携帯電話もインターネットなんかなくても、
ホントにただただ楽しかった。
昔は。。なんていうと今じゃ老害って言われかねないけど、
みんなが幸せだと世界が平和になるっていうことを
知ることが出来たって言う意味で、貴重な経験だったとも言える。
バブルなんて異常な状態でなくても、そういう世界を作らなきゃいけない。
この国だけじゃなくて、世界中全ての国がそうならなくてはいけない。
それを任された政治家たち、リーダーたちの責任は重いと思うよ」

「バブルの時と同じ世界、それ以上の世界を作っていかないといけないですね。
ネオ・昭和。昭和を再びですね」

「出来るさ、必ず。人間はまだまだ捨てたもんじゃない」

     「はい。コーヒー入りましたよ」

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