ヘクション・ハクション・ハックションっ!
「いらっしゃい」
「くっ、ション!」
「どういう挨拶ですか? 笑」
「ゴメンゴメン」
「花粉ですか?」
「今年はホントひどいよ」
「ここ10年で一番多いっていいますもんね」
「ホントに参ってるよ」
「かぐや姫の杉の下ででも寝たいよ、まったく…」
「なんですか?かぐや姫の杉って?」
「あ、知らない?」
「日本のある神社に杉の木が一本あって、昔、
花粉症のひどい男が木の下で一晩寝たところ、
次の朝には症状が消えていたっていう伝説があって、
今でもあやかろうとそこを訪れる人がたくさんいるみたいだよ」
「へぇ〜」
「たださ、花粉症って人災みたいなところもあるじゃない」
「あぁ、そうですね」
「高度経済成長期に家を建てるための建材用って、たくさん杉を植えたわけ でしょ」
「その頃は花粉症なんて頭になかったんですかね〜?」
「だろうね。ただ誤解している人がほとんどみたいだけど、
花粉が飛散するからそれでアレルギーが出るってわけじゃないんだよね」
「花粉の元々の大きさは約30ミクロンほどで、
人の内部に入るのが難しいサイズらしくてね」
「じゃなんでアレルギーを引き起こすのかっていうと、
大気中の汚染物質と花粉がぶつかると、花粉が破裂して
その中から出てきたものがアレルギーを結果的に引き起こす」
「なるほどね〜」
「まぁ、自律神経の乱れからくる免疫機能の低下とか、
それ以外の原因もあるんだろうけどね」
「昔はスギも少なく空気もキレイ、ストレスなんかもなかったってことですね」
「そういうことだね」
「現代病なんだよ、結局」
「くっション!」
「鼻、垂れてくるんだよ〜、最悪だ、もうっ!」
「ハァ〜はぁ〜〜〜〜っクション!!!」
「コーヒー入りましたよ!」
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