アニメで泣こう!
「こんちはー」
「いらしゃいませ。。」
「あれ、何か元気ないね」
「あぁ、すみません。この頃なんだか不調でスッキリしなくて。。」
「最近泣いてる?」
「はぁ?」
「人間ってさ、笑う、怒る、泣くって三大感情があるじゃない?」
「例えば笑うって免疫系にすごく良い影響があるし、怒ることも一見すると
悪い感情だけど、自分や他人を不正義から守ることの動機づけになったりするし、中でも泣くことはさ、溜まったストレスを洗い流してくれたり、
感情面での浄化が期待できるんだよ」
「へぇ〜、知りませんでした」
「だからたまには泣くことも必要なんだ」
「でもどうやったら泣けますかね〜」
「アニメとかは観たりすることある?」
「う〜ん、たまにはですかね」
「僕もそう観る方じゃないんだけど、泣けるアニメなんかどう?」
「良いのありますか?」
「お客さ〜ん、いいのありまっせ! 笑」
「なんですか、それ 笑」
「そうだなぁ〜、まずは「火垂るの墓」
野坂昭如さんの同名小説で実話だとも言われている作品。
14歳の少年と4歳の妹の戦時中のお話なんだ。これは最強なんだけど、
でも僕の中では視聴禁止、封印している作品でさ」
「どうしてですか?」
「あのね、あまりに悲惨すぎて、悲しすぎて一種のトラウマになっちゃうんだよ」
「トラウマですか?」
「そう。人間、悲しみがあまりに強いとさ、心が壊れちゃうんだ。
最近ではタレントの壇蜜さんが、祖母と愛するペットの立て続けの不幸で、
仕事を三ヶ月くらい休んだなんてニュースがあったでしょ。生きる気力が
失われてしまうこともあるくらい。だからこの作品はある意味、危険! 笑」
「他にもありますか?」
「空よりも遠い場所」
これは、南極を目指すことになった女子高生たちの物語なんだけど、
もう、全編を通して泣ける。中で使われてる曲も良くてさ。最高!
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
これは東西南北による大陸戦争後のお話で、戦争で両腕を失った少女が
義手をつけて自動手記人形という手紙の代筆をする仕事をするようになり、
戦闘マシンとしか生きて来なかった少女が、愛というものの意味を探す、
とても美しい物語。これも泣けるし本当に素敵な作品」
「あの日みた花の名前を僕達はまだ知らない」
幼馴染の死という過去を抱えた若者たちの淡い恋や罪の意識、絆や成長といった
物語なんだけど、これがまた泣けるのよ 笑」
「あとは、いわゆるコメディーだったり楽しい作品だけど、
どこか泣けるなんていうのもあるよ。
「けいおん!」
軽音学部の女子高生達のお話だけど、友達同士の友情が素敵で
僕の好きな音楽、バンドの話っていうこともあるけど、仲間っていいなぁ〜って
しみじみ泣ける作品。
「ばくおん!」
これはオートバイに魅せられた主人公の女子高生がたくさんの経験していく物語。
これも友情物語なんだけど、ちょっと昔のバイク好きなら、盛り上がること
請け合いのネタ万歳だし、主人公の時々のセリフがうん、うんって泣けるんだよね〜。バイクってやっぱりいいなって改めて思わせてくれる作品でもある」
「結構たくさんありますね!」
「アニメ好きの人なら誰でも知ってるド定番ばかりだけど、アニメなんか普段
観ない人間でも作品に惹き込まれてしまう、本当に素敵でいい作品ばかりなんだよね」
「今の僕のように、弱ってる人には効きそうですね 笑」
「あぁ、もちろん!思いっきり泣くとさ、心のモヤモヤがスッキリして透明になる感じがするもんだよ。今は本当に泣くことなんてしなくなった世の中じゃない。
大切なことだと思うよ」
「本当ですね、特に男性はね。泣くことが弱さとか、恥ずかしいことのようなイメージがあるから」
「泣けない若者は若くなく、笑えない年寄りは年寄りではない、なんて言葉だってある。泣けるっていうのは若い証拠なんじゃないかな?」
「感情って大切なんですね」
「感情を表現するってことが、心の健康には大切ってことだよね。
人間、生きていれば日々色々あるからね。日本の素晴らしいアニメーションに
そのお手伝いをお願いするのも一つ、手だと思う」
「チャレンジしてみます!」
「コーヒー入りましたよ」