桜とカメラとスマートフォン
「どーも〜」
「いらっしゃい」「こんな時間、めずらしいですね」
「うん、ちょっと久しぶりに桜でも見て帰ろうかと思ってね」
「今、もう満開ですもんね」
「写真撮りました?」
「一応ね」
へぇ〜見せてくださいよ」
「こんなかな〜、ちょっと加工したものだけど」
「いやぁ〜綺麗ですね!」
「個人的な意見だけど、ソメイヨシノのような桜は花びらが白いから、
夜のライトアップされていた方が映えると思うんだよね」
「これ見ちゃうとそう思いますね!」
「僕はカメラなんてプロでもなんでもないし、
やっぱり人が出てるから綺麗な写真は難しいよね」
「桜あかり なんて風流な言葉もあるくらいだから、これぞ日本!かな(笑)」
「趣のある言葉ですね〜、初めて聞きました」
「最近はスマホのカメラがあるから、もう国民全カメラマン状態じゃない」
「そうそう。SNSの流行りで商品も自動的に宣伝されて、
国民全営業マン状態ですしね」
「スマホのカメラも今はものすごく綺麗に撮れるし、そこはスゴいと思うんだけど、純粋なカメラと比べるとどうしてもね」
「スマートなんちゃらの宿命ですか」
「うん。いろんな機能が付いているのは確かに便利だけど、
個々の機能はどうしても広く浅くってなるよね」
「もっとも、僕はカメラだってそうプロっぽいものを撮るわけじゃないんだけど」
「大多数の人はそこまでガッツリ使うわけじゃないから、
それでいいんでしょうね」
「だからコンパクトカメラは衰退していったけど、
未だに一眼レフや高級コンデジなんて部類は生き残ってる」
「スマホでもうまく撮れる秘訣、教えてくださいよ」
「う〜ん、そうだなぁ、一番大事なのはやっぱり「画角」「構図」なのかな」
「構図ですか」
「そう。撮りたいものに対してそれをどう切り取るかってこと」
「例えば食べ物一つ撮るにしても、写真の真ん中にドーンと、
そういうの日の丸構図って言うんだけど、
それだけじゃそれはただの記録であって作品ではないんだよね」
「なるほどね〜」
「引きの画もあれば寄って撮ることもある、俯瞰もあるし全体を入れるか
一部を入れるか、光の当たり方の違いもある」
「一つのものを撮るにしても、本当にたくさんの切り取り方があるんだよ」
「難しい話ですね、いいものを作るということは」
「だからまずは出来るだけプロの写真を見て、それを真似することなんだ」
「真似していくうちに、どう撮ったら映えるのか、
綺麗に見えるのかがわかるようになる」
「これも最初は真似でした」
「コーヒー入りましたよ」
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