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読書とギターとロックの大好きなクリスチャン。ブログの下書くらいの軽い気持で。http://balien.hatenablog.com

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最近の記事

遠藤周作と「母なる神」

 時間を見つけては少しずつ遠藤周作を読み直してみているわけだが、今回の再読で改めて発見したことがある。それは、日本人にキリスト教を伝えようという彼の熱心さである。  おそらく遠藤文学愛読者の多くは『沈黙』を入り口として、『わたしが・棄てた・女』や『女の一生』などのいわゆる「軽小説」群やエッセイ集を通り、『侍』や『深い河』などを読んでいくだろう。そうすると一般的に見えてくるのは、愛の宗教としてキリスト教を提示した作家(『沈黙』や『死海のほとり』など)から、「どんな宗教でもゴー

    • 遠藤周作とメタフィジカルなドラマ

      21世紀のぼくらは、「メタフィジカル」などという言葉には縁がない。「メタフィジカル」とは、辞書を引けば「形而上的な、形而上の」という意味だという。では「形而上」とはなにかといえば、「精神や本体など、形がなく通常の事物や現象のような感覚的経験を超えたもの」とある。ここでいう「本体」とは、「移り変わる現象の根底にある不変の実体」とか「超自然的な永遠恒常者」といった意味の哲学用語のことである。 いっときブームになり、今では一部に地位を得ている「スピリチュアル」と呼ばれる分野か

      • 遠藤周作のイエス研究

        ぼくはいわゆる「福音派」──つまりすごくプロテスタントのすごく伝統的・保守的なグループに属するクリスチャンだ。でもこの「福音派」に行き着く前は、カトリックも通ってみたし、保守的な信仰に批判的なプロテスタントのグループも通った。その時期には遠藤周作の説くキリスト教に心を奪われていた。彼の『死海のほとり』という小説、また『イエスの生涯』『キリストの誕生』といった評伝は、今はそこに書かれてある思想に同意することはないけれど、今に至るまでの歩みを思い起こすためにとても大切な本たちだ。

        • いまさら村田沙耶香「コンビニ人間」を読んだ

          ※小説の結末までふまえた感想ですので、未読の方はご注意ください。 本当に今さらながら、村田沙耶香の「コンビニ人間」を読んだ。本作は第155回(2016年上期)芥川賞受賞作である。 ぼくはほとんど遠藤周作から文学を好きになったようなものだけど、大学に入る前後から「文学が好きっていうなら、さすがに今の文学も読んでないとダメだろう……」と思うようになった。それで時折『文學界』などの文芸誌を手に取ったり、2010年代の芥川賞受賞作はなるべく追いかけるようにしている。だが本作が受賞

          札の辻

          東京都港区、札の辻。元和9年、三代将軍家光が50人のキリシタンを集団火刑に処した場所として有名である。 遠藤周作の有名な短編集『哀歌』には、この場所を舞台にした「札の辻」という短篇が収められている。ぼくにとっては『哀歌』のなかでも特に印象深い作品だ。 「札の辻」は本当に短く、あらすじも単純だ。ある男が、卒業したミッション大学の同窓会へ向かうため、都電に揺られて銀座方面へ向かう。彼はその途上、学生時代「ネズミ」というあだ名の修道士と一緒に、札の辻の崖に登ったことを思い出す。

          札の辻

          反論できない人

          昭和の小説家や評論家というと、なぜか「著作では強い主張を打ち出すのに、直接の議論は避ける人たち」というイメージがある。彼の評論や小説について面と向かって批判されると、反論することなく顔を真っ赤にしてうつむき、黙りこくってしまう。よく考えてみればそうではない、喧嘩っ早い人たちばかり思い浮かんでくるのだが、このイメージはどこから来たのだろう。もしかしたら、遠藤周作あたりが誰かのことをそう書いていて、その印象があまりに強く残ってしまっているのかもしれない。 ぼくは物書きでもなんで

          反論できない人

          楽しい読書

          今、改めてトルストイの『アンナ・カレーニナ』を読んでいる。東海大学出版部から出ている北御門二郎訳だ。寝る前にちびちびと読み進めているのだけど、これがやっぱり面白くて、久しぶりに読書を楽しんでいる。 小学校中学年の頃から読書が好きだった。最初は図書室にあったシャーロック・ホームズシリーズに熱中して、その後は(タイトルはいちいち覚えていないけど)小中学生向けの小説を読み続けた。 でも、読書感想文は苦手だった。感想文というと、何か背伸びした道徳的なことを書かなければいけないよう

          楽しい読書

          ブログへ移行しました

          何人かの方からアドバイスをいただいたこともあり、これまでnoteで公開していた記事をブログへ移行しました。 「balienのブログ」 移行理由としましては、大きく以下の2点になります。 ・noteでは利用者しかコメントができない。非利用者で読んでくださっている方々とコンタクトが取れない。 ・テキスト作成機能が充実しておらず(note自体が長文を投稿するようなシステムになっていない?)、論文のような記事は閲覧に適していない。 ただ、noteで繋がれた方々もいらっしゃる

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          SHERLOCK最高傑作。Season 3 - 2「三の兆候」(シーズン全体のネタバレ有り)

           シャーロッキアン(コナン・ドイル作のホームズ物語を「正典(カノン)」として、それらが事実の記録であるとの前提に立って字義通りに解釈して整合性を研究している、いわゆるホームズ・オタク)と言えるほどではありませんが、小学生以来ホームズは大好きです。それこそ、原作は何周読んだかわからないくらい。  で、ホームズの映像化としてはジェレミー・ブレット主演のグラナダ版が最高峰だと思っていますが、現代を舞台に翻案されたBBCの「SHERLOCK」も大好物なんですね。ベネディクト・カンバー

          SHERLOCK最高傑作。Season 3 - 2「三の兆候」(シーズン全体のネタバレ有り)