遠藤周作のイエス研究
ぼくはいわゆる「福音派」──つまりすごくプロテスタントのすごく伝統的・保守的なグループに属するクリスチャンだ。でもこの「福音派」に行き着く前は、カトリックも通ってみたし、保守的な信仰に批判的なプロテスタントのグループも通った。その時期には遠藤周作の説くキリスト教に心を奪われていた。彼の『死海のほとり』という小説、また『イエスの生涯』『キリストの誕生』といった評伝は、今はそこに書かれてある思想に同意することはないけれど、今に至るまでの歩みを思い起こすためにとても大切な本たちだ。