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朝は久々に、目が覚めてすぐに身体を起こすことができた。


スムーズに布団を片付ける。朝食のパンを選ぶ。味の異なる、同じパンが2つ。10秒ほど迷って、チョコ味の菓子パンを食べる。いつものように、コーヒーと牛乳を1:1で混ぜて飲む。

いつもは寒くて着替えたくないので、昼までパジャマだ。でも今日は晴れていて寒くない。ためらいなく着替えて、荷造りをする。親に行き先を聞かれ、「大学」と答える。本当なのだから何のためらいもない。

最近は予定がなく、タスクだけがあるといった状態だから家にこもりがちだ。だから、こうしてスムーズに支度を済ませて外出するのは久しぶりだ。




自転車をこいで大学まで行く。陽射しが暖かい。春みたいだ。いつもは2月の終わり頃になってようやく感じられる空気が、ひと月早く顔を出した。このまま、春になってくれないかな。



大学に着く。いつもの門には入らず、すぐ横に停まっているシャトルバスに乗ろうとする。運転手さんと目が合う。乗り慣れている風を出してスムーズに着席しようとするも、「名前を記入してください」と紙を渡されてあたふたする。なぜそんなことを気にするのかと自分に半分呆れつつ席に着く。



春休みなので、本キャンパス行きのバスの乗客も3,4人くらいだ。落ち着く。



バスに乗っている時間は、他の何よりも心を楽にしてくれる。みんなが同じ方向を向いて座っているから人目が気にならない。到着までは狭い空間に閉じ込められ、自由を奪われているから余計な事を考えずに済む。その上、ちゃんとバスは移動してくれているからその時間は無駄にならない。





本キャンパスに着いた。こっちは普段通っているキャンパスと違って、まだそこそこ学生が居る。大きいし、まだテストが残っている学部があるのかも。

15階建ての棟をエレベーターで登っていく。行き先は12階だが、時間に余裕があるので15階まで登ってみる。さすが、眺めが良い。ここでも3人グループが勉強している。他に見るものもないので、静かに12階に行く。

目的の部屋はエレベーターを出てすぐ右手にあったが、まだ20分も余っているので入らずに時間を潰す。集合10分前を切り、そろそろ入ろうかというところでエレベーターから中年の女性が出てくる。思いの外軽い雰囲気で、でもどこか怖そうなその人があいさつしてくれた。私もそれに応える。家族以外の人とまともに言葉を交わすのは久しぶりなのに、思いの外気丈に振る舞える自分に驚く。



用事が終わったが、帰りのバスまで1時間ほど時間があるので、1階に降りて食堂やカフェのある辺りをウロウロする。サーティーワンの看板に目が止まる。300円ぐらいするみたいだ、ほぼハーゲンダッツだなこれ…

と思っていると店の中から店員のおばちゃんが陽気な声で呼びかけてきた。思わず店の中に入ってしまう。おばちゃんはカウンターを出て、気さくに話しかけてくる。なんだか楽しいので、乗っかって雑談に興じてしまう。気づくと右手には150円のカフェオレ、左手には150円のチョコクロワッサンが握られていた。その圧倒的なコミュ力に結局300円取られてしまったが、悪い気はしなかった。その店は半分パン屋で半分カフェスペースになっているので、そこで1時間を過ごす。



12時25分、帰りのバスに乗る。




今日の音楽

夜の探検(Acoustic) / chilldspot


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