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同胞殺しを打倒せよ!

原文:http://nestormakhno.info/english/fratricide.htm


以下のマフノ叛乱運動の声明は、イタリア人アナキストのウーゴ゠フェデーリが保管していたものであり、アムステルダムのInternationaal Instituut voor Sociale Geschiedenis(国際社会史研究所)の管理下にある。これらの声明をフェデーリがどのように入手したのかは分からない。声明は全てロシア語で書かれている。声明の一つは会計帳簿の紙が使われており、別な声明はキャンディ工場の包装紙が使われている。このことから、これらの声明は異なる状況下で印刷されたと思われる。(英訳はアン゠アレンによる)
http://nestormakhno.info/english/arshinov/appendix.htm


 赤軍の同胞諸君!
 ニコライの密告者が君たちを暗闇に閉じ込め、自分たちの富を増やすために、日本人やドイツ人といった人々との同胞殺し戦争を君たちに命じた。君たちは戦線で死に、故郷は完全に破滅する運命だった。
 しかし、君たちの目を見えなくしていた嵐雲と濃霧は晴れた。太陽が顔を出し始めた。同胞殺しの戦争が終わったことが君たちにも分かった。だが、これは新たな嵐の前の静けさだった。今や再び君たちは、我々「マフノ叛乱軍」と戦うべく戦場に送られている。建前上「労働者-農民」権力の名の下、再び君たちを鉄鎖で縛り、君たちを奴隷にしている。君たちの血で創った富と喜びは、百万の官僚主義寄生虫どもの群れに渡されている。3年間の同胞殺し戦争の過程で、君たちが未だにこれを理解できないでいるなどあり得るだろうか?新たに作られたブルジョア階級のために、君たちを畜牛のように戦争に送り込んだ全く低能なコミッサールのために、今もなお君たちが血を流すなどあり得ようか?
 「マフノ叛乱軍」は「労働者の経済的・政治的・完全解放」のために、権威主義のコミッサールやチェカなどのない自由な生活のために戦っている。これを君たちが未だに理解できていないなどあり得るだろうか?
 君たちの野営地に夜明けをもたらし、労働者同士の同胞殺し戦争の廃絶を導く途を君たちに示させよう。この途によって、君たちは我々の元に来て、我々の兵士としてより良い未来・自由な生活に向けて戦い続けることになろう。同胞の血を流さないようにするために、我々と交戦する前に、交渉のために代表を派遣してほしい。ただ、これが功を奏せず、どのみちコミッサールが君たちを戦わせるのであれば、ライフルを投げ捨て、我々と同胞の抱擁をしようではないか!
 労働者同士の同胞殺し戦争を打倒せよ!
 あらゆる国・あらゆる民族の労働者の平和と同胞的団結万歳!

マフノ叛乱軍
1920年5月

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